石垣島の1月は小田原の6月だ

   



 1月25日の最低気温が20度である。多分最高気温が24度ぐらいまで上がるだろう。この冬の最低気温は13度まで下がった日が2回あった。この後12度まで下がる予報が出ている。小田原6の月の最低気温は18度で、最高気温は28度である。気温的には同じくらいになる。日射の強さも同じくらいではないだろうか。
 
 小田原で6月で寒いなどと感じたことはなかった。しかし、石垣島の1月を寒いと感じる身体になっている。稲は人間のようなひ弱な生き物ではないから、石垣島の1月を寒いなどとは考えていないはずだ。ゆっくりと気持ちよさそうに成長している。確かにゆっくり成長だが、このままいってほしいと願っている。

 ただ、下手をすると小さいまままた穂が出てしまうかもしれない。理由はわからないのだが、稲をおかしくしてしまう何かがあるのかもしれない。この要素がわかれば、その対処を考えなければならない。それはまだよくわからない。なんとか乗り切って15枚葉を出してくれることを祈っている。無理かな。


 6番田んぼすこし遅れ気味。22日に追肥。

 冬の晴れた日が石垣で一番美しい日だ。と多くの石垣島に暮らす人が話している。作業をしても汗をかかない、一年で数少ない季節になる。一日中働けるありがたい季節だ。1月でも強い太陽の陽射しで日焼けはする。汗をかいてああ暑かったと言うことになる。24度まで上がる日もあるのだから当然である。帽子やサングラスはあった方が良い。

 稲だって同じで石垣島のイネは1月では寒いのだと言われた人が居たが、そんなことはない。昨年茨城県で5月田植えで作られた稲の種である。はるかに寒い中で田植えが行われたのだ。その「にじのきらめき」種籾が、石垣島に来て11月に播種され、12月15日に田植えされた。

 イネは植物であるから、寒いと感じるはずもない。科学的に正確な反応しかしない。ただし、不安がある。石垣の稲作農家のただの一人も、12月田植えをしていない。何故なのだろうかと思う。何か理由があって、12月田植えを止めたのだろうか。



 2番田んぼの「ゆがふもち」少し停滞気味。

 農協出荷の人は、農協の精米施設が動き出さないから、12月田植え4月稲刈りでは困るのだろう。自分で販売する農家も少し筒増えてきてはいるが、ほとんど無い。みやぎ米店や山田米店はいつでも作れるのだから、やってみて居も良さそうに思うが、何故かやってはでも「にじのきらめき」は作っている。

 20日に、茨城で農業法人をされている照沼さんという方がノボタン農園に来てくれた。山田さんの田んぼで、「にじのきらめき」を栽培した方だ。稲の指導をしてくれた。とても詳しい方で稲葉さんの民間稲作研究所で指導をされていたということだ。稲葉さんの稲作法を一番評価しているし、直接小田原に来ていただは指導していただいていたこともあったので、うれしくなってしまった。

 見た途端に言われたことが肥料不足の稲で、これではすぐに穂が出てしまうということだった。そうではないかと思っていたので、すぐ翌日発酵鶏糞を買ってきて入れた。間に合うと良いのだが、どうだろうか。一人で考えていると肥料不足だと思いながらも、怖くて追肥ができなかったのだ。




 生育の良い3番田んぼ

 昨年熱研の稲作の研究者の方も1月では寒くて作れないと言われていた。何故だろうかと、さらにあれこれ調べた。今年の気候に思いを巡らせ、想像しながら、いや、どう考えてもそんなはずはないと不安の中決断した。そして、種まき、苗作り、田植え一ヶ月まで来た。良い部分と悪い部分がある。

 今年は思い切って、一番早い時期に田植えをすべきだと決めた。そうすれば、もしかして15枚葉が出るかも知れない。満作の稲を作るためには、石垣島で一番寒い時期に稲を作るほかないと言うのが、判断である。この判断がどう出るかはまだ分らない。だめの可能性が高い。

 今までのやり方では満作の稲にはならないことは4年試して確認できた。普通の健全の稲のようには行かない。「ひとめぼれ」で13枚しか葉がでないのだ。これでは良い稲作になるはずがない。そのために収量は沖縄県は一番低いと観ている。同じことが照沼さんの田んぼでも起きたそうだ。

 そこで11月5日浸種、10日の播種にした。田植えが12月8日と15日で挑戦している。また失敗に終わるのかもしれない。もしかしたら成功するかもしれない。13枚しか葉が出ない理由がわからないのだから、いろいろ挑戦するほかない。やってみてだめならば、またそのとき考え
ることができる。

 この時期でも、小田原の5月の苗作りの頃よりは気温は高い。問題は日射量と言うことになるのかもしれないが、小田原は6月田植えで梅雨時である。それ程太陽が出るわけではない。石垣の日射量で何とかなるのではないかと想定したがどうだろうか。

 3番と6番田んぼでは田植えをしてから、5週間が経過した。3番田んぼが一番良くて、現在9葉期で分げつもそれなりにとれた稲になっている。健全な成長と見ていいだろう。1週間で一枚葉が出ることが、稲にとって健全な生育速度である。それが石垣島では5日で一枚葉が出てしまう。生育が早すぎる。

 強い風が吹いて6番田んぼでは活着が遅れたと言うことがあり、8葉期ぐらいである。風が強いと気温の影響以上に生育が止まると言うことがあるようだ。それでも根付いて、何とか活着しゆっくりだが成長をしている。この1月2月の強い北東の風が、12月田植えの問題点かも知れない。



 一番田んぼの21日の稲である。田植えして5週目である。9葉期から7葉期ぐらいだろう。一番田んぼは土壌がまだ硬いところがあり、だめな部分と良い部分が分かれている。田んぼにしてまだ日が浅いということがある。トラックターで起こしたのは今年が初めてのことであった。

 大きな石がゴロゴロ出てきた。土ができていないから田んぼがむらになるのだろう。黄ばんでしまい生育が極端に悪い部分がある。歩くと相変わらず、耕土が浅すぎる。トラックたーでうまく耕せなかったためだ。トラックターがクローラーならばと思う。

 21日に発酵鶏糞とよみがえりを追肥した。追肥してから転がしをした。これで少しは良くなってくれるといいのだが。ただ肥料不足で全体に良くない状態が続いているので、これから回復するかどうか微妙なところである。石垣の稲作は本当に難しい。

Related Images:

おすすめ記事

 - 楽観農園