第一列島線に暮らす

   



 第一列島線とはアメリカの中国封じ込め政策において設定された戦略ラインのことである。第一列島線は、九州を起点に、沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島にいたるラインを指す。それは当初はアメリカから見た防衛ラインのことであった。

 同時に、現在は中国から見ることになる。中国海軍および中国空軍の作戦区域・対米国防ラインとされているのが、第一列島線である。結局の所、米中が向かい合っている、最前線と言うことだろう。そこに九州から伸びる、琉球弧が含まれている。石垣島もそのライン上に含まれている。

 第一列島線が中国からの攻撃に標的になっている。それはアメリカの対中国の防衛ラインでもある。軍事的に見れば当然のことだ。この場合琉球弧に暮らしている日本人はアメリカの防衛ライン上に暮らしていることになる。それが沖縄県の現実である。軍事基地は常識的に見て、中国の最初の攻撃目標になる。

 何度も書いているが、この事実を認めようとしないのが、石垣市長中山氏である。頭脳が不完全なのか、分かっていて言わされているのかの、どちらかである。たぶん自民党右派からの指示なのだと考えるのが自然であろう。中山氏は石垣市民の一人である。自分の家族も含めて、石垣市民の命危うくするのは、いかにも不自然なことだ。

 中山氏によると、自衛隊基地が出来ると石垣島の安全がますというのだ。誰がそんな現実離れした説明を信ずるだろうか。世界中の軍事専門家が一番危険な場所は、第一列島線上の軍事基地だと指摘している。特に米軍では嘉手納基地の危険性が繰返し指摘されている。それが常識的な判断になる。

 嘉手納基地は狭すぎて、中国からのミサイル攻撃を防ぐだけの要塞化が出来ないと言うのだ。それが辺野古に移設する本当の理由なのだ。防護能力の低い米軍の飛行場は、小規模な攻撃にきわめて弱い、と米軍の報告書は述べている。中国は、岩国基地の米軍機と燃料貯蔵所を、わずか10発のミサイルで無力化することができると分析されている。 
 
 西太平洋の米空軍基地は、中国の攻撃の深刻な脅威に直面しており、アメリカは飛行場を拡大し、強化する必要があると米シンクタンクの報告書が警告した。報告書は1月7日にワシントンの保守系シンクタンク、ハドソン研究所が発表したものだそうだ。

 中国のミサイルの射程は1000キロ〜3000キロと長く、中国が日本、台湾、フィリピンを結ぶ海洋上に独自に設定した軍事的防衛ライン「第1列島線」全域の米軍基地を攻撃することができる。中国を封じ込めるための配置のために、攻撃を最初に受ける場所になる。 

 ハドソン研究所の報告書によれば、中国の軍事ドクトリンは、奇襲攻撃で相手空軍の地上施設を破壊し、航空戦力を麻痺させて制空権を掌握することを定めている。そうした一連の攻撃を実行するための適切な能力を、中国軍は構築し完成したという。 

 当然日本の第一列島戦場の自衛隊基地も同じことになる。米軍との共用が前提とされ、共同訓練がされているからだ。米軍の戦闘機が利用できるように滑走路の延長がどの島の飛行場でも計画されている。中国軍としては米軍基地を攻撃するのと等しく攻撃をするだろう。

 にもかかわらず、自衛隊基地があるから石垣島の安全性が増すとは、どの口が言うのだ。市民の安全に対して、あまりのことだと思う。石垣市民をこのように欺いているのが、石垣島の自民党と公明党である。情けない限りである。

 基地をどうしても作らなければならないのであれば、中国からのミサイル攻撃の目標になるという、危険性を認めた上で、攻撃型ミサイルを持たない、専守防衛の基地であることにする。米軍の戦闘機が離着陸できない飛行場しか作らないことが最低限の住民の安全だ。

 石垣市民は逃げるところが全くない。もし台湾侵攻があるとすれば、中国軍は一気に奇襲攻撃をすると想定されている。それが戦争である。市民に予告をするような攻撃であれば、台湾侵攻自体が不可能になる。予告をするくらいなら台湾侵攻はない。ウクライナと同じである。

 一応、市民は九州に飛行機や船で逃げることになっている。その避難計画を見ると、まさに机上の空論で、波照間島の人までわざわざ危険な石垣島に来て、さらに九州に逃げる危険にさらすことになっている。私はむしろ波照間島に逃げたいぐらいだ。中国が基地のない波照間島を攻撃するはずもない。誰もが知っていることだ。

 岩国基地が10発であれば、各基地に10発ずつの攻撃だとして、ミサイル300発が一気に撃てる態勢に中国軍はあるというから、台湾周辺の30箇所は一瞬にして壊滅されることになる。当然軍事基地に限定とは行かないだろう。民間施設も攻撃されるのはウクライナを見れば分ることだ。

 第一列島線はアメリカ本土攻撃の時間稼ぎのための焦土作戦の土地である。沖縄がやられている間にアメリカ本土への攻撃を防げれば良いと言うことだろう。アメリカ本土への攻撃がなければ、それで良いというのがアメリカの本音と考えた方が良い。それが当たり前の考えだろう。

 アメリカだけではない。それが日本本土のすべての人が、ミサイ
ル攻撃が沖縄だけで済めば良いと思っていることだろう。当たり前である。何より大切な物が、自分や身内、家族の命である。沖縄には申し訳ないが、防人の島と考えて、我慢して貰おうというのが、日本政府とアメリカの虫の良い考えである。

 戦争になれば沖縄は戦場になり、終わりなのだ。だから、軍事的緊張を高めるのではなく、平和外交を模索して貰いたいと思うのだ。それが石垣島に暮らす当事者の意見だ。中国と友好関係を作って欲しい。それは沖縄だけの問題ではない。日本全体の利益でもある。アメリカの脅しがウクライナ攻撃を誘発した。アメリカは代理戦争を望んでいるのだ。

 アメリカは台湾侵攻を中国が行い、台湾侵攻に日本が対抗して戦闘を始めることが、一番の希望なのだ。アメリカ第一主議の本質である。代理戦争が始まれば、中国の国力は衰退する。アメリカの軍事物資は日本が購入してくれて、武器更新が出来る。

 日本や台湾がウクライナになり、消耗戦になれば中国の国力が、ロシアのように衰退してゆくと、アメリカトランプは考えているはずだ。それが極右勢力の台頭する欧米全体の希望なのかもしれない。日本は中国と友好関係を模索する以外に道はない。

 アメリカは自国の安全保障を、傍観者として、あるいは武器商人として漁夫の利を得ることになる。トランプはこの方針で居るのだと思う。第一列島線に暮らすものとしては、良い面の皮である。利用されるだけだ。この状況下で尖閣の日を開催する石垣市長は性根が腐っている。石垣市民の命を軽んじている。

 中国との友好関係を模索することだけが、石垣に暮らすものの安全である。何故、わざわざ中国を刺激しなければならないのか。中国はトランプの関税60%で窮地に追い込まれる。日本も同様ではあるが、これは中国と友好関係を作り出す良い機会だ。

 中山市長は中国を訪問して、石垣市としては尖閣の領有を主張するつもりはないと話してきて貰いたい。棚上げして、友好関係を作ることが希望だ。と伝えて貰いたい。それが石垣市民の命を守る、石垣市長の役割であろう。しっかり目を覚ましてもらいたい。

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