コロナウイルス、デンマークでミンク感染で変異。

   



 デンマークのミンクの養殖場で、コロナ感染が広がり、ミンクから人への感染を起こしたらしい。まさにこれが私が10年前に予測し、警告をしていたものだ。大規模畜産がまねく、新型感染症のパンディミックである。

 ミンクから人へのコロナ変異ウイルスの感染がデンマークで12人確認されたらしい。12人はミンク養殖関係者だった。コロナウイルスは新しい状況に立ち至ったと考えなければならない。急遽1700万匹のミンクが殺処分されるという。何という大量飼育であろうか。神をも恐れぬ殺戮である。

 今回の変異が、人間に脅威になるような変異かどうかはまだ分からない。しかし、猫やアナグマにもミンクにも感染するウイルスと言うことは確かになった。ミンクを大量に飼育していたと言うことが、ウイルスに変異をもたらしたと考えて間違いが無い。

 大規模畜産が危険な理由は三つある。
 1,信じがたいほどの感染の連鎖が起きているにちがいない。一万回の感染が連鎖的に起これば、どこかでウイルスが変異する可能性は極めて高くなる。自然界ではあり得ない感染連鎖である。

 2,大規模畜産場では大量の薬剤が投与される。抗生物質や化学合成物質が飼料や薬剤として使われているに違いない。特に毛皮の生産では極端な薬剤の使用が予測される。その結果、ウイルスの変異が促進される可能性が高まる。耐性菌の出現と類似のことである。

 3,野生動物と違い、畜産場では人間との接触が頻繁に起こる。そこで何らかの形で、人感染を起こす変異の確率が高まる。鶏の場合であれば、豚を介在して人間である。その変異がヒトヒト感染に繋がるのだろう。今回は人からミンクへの感染が始まりと考えられる。

 1700万匹ものミンクを飼っては成らないのだ。それだけミンクの毛皮需要があると言うのも驚きである。デンマークは兵庫県程度の大きさの国である。人口580万人というから、人口の三倍ものミンクを飼育していたことになる。こうした大量飼育は自然の摂理から外れた行為である。大規模畜産は禁止されなければならないものだ。

 人間はいつか大規模畜産で変異するウイルスによって、滅びることになるにちがいない。もし人間が賢明なものであれば、すぐに大規模畜産は禁止しなければならない。ところが、人間は愚かなもので、むしろ消毒や管理が行き届かないとして、小さな自然畜産業を廃業させようとしてきた。この愚かさが情けない。このブログもその警告のために始めたようなものだったのだが。

 笹村養鶏場もこの人間の愚かさで嫌気がさし止めたといえる。警察がパトカーで乗りつけて警告するのだ。それを見た地域の人達は鳥インフルエンザが蔓延しているのではないかと、恐れ、自治会長と副自治会長が養鶏を止めて欲しいという馬鹿げた警告をしにきた。警察の方から、自治会長に話が入ったのかもしれない。

 こうした非科学的な対応で、あれやこれやですっかり嫌になってしまった。それで、65才までには養鶏は止めると言うことにした。責任が持てない気持ちになった。自分としてみれば、これからの社会のためになる自然養鶏を確立しようというつもりで頑張っていたにもかかわらず、社会の害悪のように見られたのでは、張り合いが無くなってしまった。

 しかし、予測通り新型感染症は繰返し起きている。その原因は今のところ、自然界にいるウイルスがたまたま人間に感染したという推測がされている。人間が未開の自然の中に踏み込みすぎたという説明がされている。しかし、コロナの起きた中国は未開の地ではない。何千年も人間が生きてきた場所なのだ。

 そして、今新しいウイルスによる感染が起きたとすれば、新しい要素として存在するのは大規模畜産場である。センザンコウであろうが、アナグマであろうが売れるのであれば飼育する人はいないとは言えない。もちろんミンクだって同様だろう。中国の毛皮の生産は世界一である。ミンクも同様である。

 大規模畜産を介在して、ウイルスが人感染しやすいように変異している可能性は高い。専門家が何故かそういう可能性は言わない。大規模畜産を養護しているのだろうか。経済に関わることになると急に慎重になってしまうような気が当初からしていた。

 推測させて貰えば、今回のコロナウイルスの発端はミンクの大規模畜産場と考えてもいいのではないだろうか。そもそも野生のミンクの中にコロナウイルスはいたと考えられる。ミンクの養殖場でコロナウイルスの変異が起きて、ヒトヒト感染をするようなウイルスが変異をしたのではないか。

 それが武漢市で一気に感染を広げた。その原因はつかめていないところではあるが、ミンク養殖場が発端という可能性も調査すべき所だ。中国の毛皮養殖場の悪名はすさまじいものがある。劣悪な環境で膨大な数が密飼をされている。次のウイルスの出現を考えればこれを禁止するのが先決である。

 実態を見たわけではないので正確のことは分からないが、毛皮を取るための畜産はエサでも飼育環境でも最悪の場合がある。中国の大規模養殖場が世界の新型ウイルスの発生源になっている可能性はある。

 現在日本では豚熱が流行している。イノシシに感染したからである。沖縄でも感染が広がり、ワクチンを使用することになった。野生のイノシシにワクチンを食べさせるなどと言う無謀なことが行われている。未だに収まりきったというわけでは無い。このことで放し飼いの自然養豚が危機に陥っている。

 大規模養豚場を守るために、小さい放し飼いの養豚を禁止するという愚行である。大規模養豚場はさらに大量の薬剤を使うようになるだけだ。それを安全というのだから、馬鹿げている。ワクチンを使う安全は限界があるのだ。

 今回のコロナパンディミックでワクチンというものの限界、免疫というものの複雑な仕組みがやっと社会的に認知された。ワクチンを使った予防処置を安全で完全なものだと思ってしまってはダメなものなのだ。ワクチンはあくまで一時しのぎだ。

 出来ればワクチンなぞ使わないで、自然免疫を獲得したもので、自然畜産を行うことが良いのだ。大規模畜産では不可能なことなのだ。自然環境の中で、弱いものは自然に淘汰されながら、より強い系統だけが生き残って行く。

 自然と折り合いが付く規模でだけ畜産は可能なものと考えた方が良い。まして、食用で無い毛皮の養殖などそもそも禁止すべきものだろう。動物虐待である。皮や羽毛の利用は食用に使った余剰の範囲で許されるものだろう。新自由主義経済は、利益が出るものであればどこまでも進んでしまう。

 この辺で引き返さないと人間は自然の限界を超えることになる。コロナウイルスの出現はその第一段階と考えなければならない。今回は幸運にそれほど致死率が高くは無かったが、次に人間を襲うウイルスはさらに凶暴なものになる可能性の方が高いだろう。

 

 - 自然養鶏