第22回 水彩画 日曜展示
第22回 水彩画 日曜展示
69.「ニライカナイの海」1
中判全紙 ファブリアーノ・クラシコ
2020.9
70.「ニライカナイの海」2
中判全紙 クラシコファブリアーノ
2020.9
71.「ニライカナイの海」3
中判全紙 クラシコ・ファブリアーノ
2020.9
絵を描く実際は工夫を続けているのだと思う。海の色をどうするか。石垣のサンゴ礁でありながら、すぐに赤土が流れ込む海の色をどう描くのか。別段海が美しいからだけで描いているわけではない。
この海の先にはニライカナイの世界があるという、八重山の伝説を感じるからだ。確かにこの海の向こうには何かがあるように感じる。この感じ方は絵を描く感じ方だ。それをどう画面にとらえるか。その工夫を続けている。
イネ作りも工夫である。鶏を飼うのも工夫である。ひらめきなどではない。あれこれやってみて失敗を繰り返しながら、自分なりの回答を探した。良い養鶏も、良いイネ作りもそれぞれの行き着くところがあり、回答は千差万別という事だ。
絵も同じように工夫でやっているようだ。少しでも自分の絵を描くための方法があるのではないかと、試行錯誤している。ひらめきが降りてくるならいいのだが、全くそういう事ではない。今のこれではだめだという意識だけがはっきりしている。
この先に自分の絵があるはずだという探求である。工夫を重ねながら、少し先に進めているように感じているが、この進む方角が正しいのかどうかには大きな不安である。不毛の荒野に乗り出しているような気もしないでもない。しかし、それ以外に自分の絵を描くという道はない。