残ったコロナウイルス対策は夜の繁華街のみ

   


 ニラの苗。この後畑に植えた。石垣の土は手強い。枯れてはいないが、元気はない。

 コロナウイルスは日本中でかなり感染を抑えられてきた。現在の感染率は0,4%と言うことが分かってきた。その少ない数の感染のかなりが、どうやら夜の繁華街が感染源になっている。政府も職業差別にならないように言葉を濁して、選んでいるが、要するに性風俗関連、キャバレー、ホストクラブ、水商売が感染源として残った。

 石垣島で起きた唯一の感染も夜のBarでの感染だった。逆に考えれば、あれほど多数の観光客が中国を中心に来島していても、Bar以外では感染は起きなかった。感染がおきたのは夜の繁華街三崎町のBarと言うことである。このBarに那覇からの友人が来たと言うことらしい。この辺のことはよく分からないが、観光客と言うことでもないらしい。

 夜の街関係者には申し訳ないことだが、夜の繁華街関係はよほど気をつけて貰うほか無い。もし又感染が起これば、夜の街全体の営業停止にまでなりかねない。気を付けさえすれば、感染を起こさない方法は見えてきている。

 コロナウイルスの感染傾向が分かってきた。ここは科学的に考えなければならない。換気の悪い閉じた空間で、大声でしゃべる、唄う、踊る、体を触れる。もし感染者が一人でもいれば、感染が起こる可能性が格段に高い。パチンコ屋どころではない。だからまず、お店の人は絶対に感染者であってはならない。感染者はいないと思うが、抗体検査は必要だろう。

 一方、野外での観光は気を付ければ大丈夫という事だ。ホテルでも、レストランでも、マリンスポーツ施設でも、パチンコ屋でも、感染は起きなかったという事ははっきりとしてきた。唯一起きたのが夜の繁華街だ。感染源とされた、スポーツジムやディスコ倶楽部のような所は、営業自粛が多かったようだ。

 夜の繁華街に重点的な対策を講じるというのが、現実的対応であろう。政府と東京都では、新宿歌舞伎町の夜の繁華街関係者のPCR検査を実施するとしている。どこまでできるだろうか。課題は残っている。石垣島でも行政が主導で夜間営業の店では抗体検査をやったらばどうか。そして、抗体検査をした店には、安全ステッカーを発行する。

 それでも、来島者の中には感染者がいる可能性はいくらかはある。来島者にはテラス席を利用して貰う。夏の間利用でききる魅力的なテラス席をあちこちに作ればいいのだ。一時的に道路の使用をお店に認めたらいい。市民には石垣島バッチを発行して、店内利用を認める。テラス席は夜の繁華街の中に臨時に行政が設営する。新栄公園。南ぬ浜緑地公園あたりはどうだろうか。観光客にはここで大いに楽しんで貰う。

 お店でも通りにテラス席を設ける場合、補助金を出す。この機会に石垣島にテラス席文化を創り出すぐらいの発想をしても良い。南ぬ島には海の家をつくり、一部に野外バーを付くったらいいのではないか。生演奏のステージが見えるようにするのもいい。雨よけ、風よけの海の家を作る。

 コロナウイルスを恐れる余り、観光客を排除してはならない。一部に観光産業中心の島経済をこの機会に変えて行くべきと言う意見もあるが、それは到底無理である。島の経済は80%ぐらいは観光に繋がっている。観光が弱まると言うことは、石垣の経済が回らなくなる。もし観光からの転換を主張するなら、島の経済の具体的提案をすれべきだ。

 経済が回らなくなれば、他の離島と同じように過疎が起こる。過疎に成り島自体が消滅地域になりかねない。それは日本の人口減少に伴う、普通の現実である。日本全国の過疎地域の苦しい状況をよほど研究しなければならない。過疎の恐ろしさを甘く見てはならない。自衛隊を呼びたくなるほど切羽詰まるのだ。

 石垣島が類い希な自然環境と温かい島の人情で観光という、奇跡のような幸運をつかんだのだ。これを止めるなど考えられないことだ。この観光の島は不愉快に感ずる人もいることは想像できる。しかし、それ以外に島の経済を回して行く道はないと言うことを、肝に銘じておかなければならない。

 幸い、石垣島の現状は人口増加地域である。子供達も沢山いる。このこと事態が地方の中でのめずらしい成功例なのだ。その基本は観光業にある。観光に支えられた人口増加にある。全国の離島で、働く場がある島など、希有な例なのだ。

 今後、クルーズ船の再開すら考えなければならないだろう。中国からの観光客も歓迎しなければならないはずだ。コロナウイルスに対する、言われ無き恐怖心が観光客に対する失礼な対応になる可能性がある。私も観光客と思われている。明らかに避けられている感じが分かる。これでは観光客が楽しいわけがない。

 コロナウイルスを契機に新しい、感染しにくい石垣の夜の町文化を創造すべきだろう。与那国島にあったという、80件以上の飲み屋が建ち並んだという、密貿易夜の街なら、行ってみたいと思うのが人情だ。どこか良い場所に台湾の夜市のような、飲み屋街を作るのはありではないか。

 それがコロナの危機を福となす戦略だと思う。そう胡散臭い空気が必要だろう。健全な空気はいらない。猥雑な夜市である。風通しの良い夜市である。可能性はあると思うのだが、島の活性化のために、観光客復活のために取り組んで貰いたい物だ。たしかに、上品風な星野リゾートは体裁はいい。猥雑な夜市ではどうかとは思う。

 このどうかと思うところが味噌だ。密貿易の女王ナツコに会えるかもしれない街。これがテーマだ。人間清潔だけでは人間にはならない。ダメぽい悪の世界も文化だ。街の密室を捨てて、不健全な野外に出よう。

 - 石垣島