阿倍昭恵夫人の花見騒動
石垣島では道ばたに蘭が咲いている。コウトウシランである。この時期どの家々も花が咲いて、散歩が花見と言うことになる。デイゴも赤花も今が見頃である。ただし、桜はまず見ない。
よほどアベ政権は桜の花にたたられている。桜チャンネルというのがあるらしい。そのたたりなのかもしれない。アベ氏のご家族はよほど花見が好きらしい。後援会を花見に招待したり、奥さんはジャニーズのニュースと花見というか会合を行ったらしい。
アベ氏は花見の何が悪いと国会で答弁したらしいが、この国会中継は残念なことに聞き逃した。確かに今年は新宿御苑の方の花見は中止になった。それで個別に奥さんがやったということか。花見は私も好きだ。石垣島では今うりずんで花の季節である。
確かに花見に行ったぐらいで騒がれることは、さすがにおかしいと私も当初思った。しかし、昭恵夫人は公人である。その名前を公文書から削除させられて、その苦しみで赤木さんという財務省の方が、自殺された。その遺書が公開され、財務省に対して賠償請求の訴訟が起きている最中である。当事者と言ってもいい立場の方だ。
良く花見をしている心境になれるとは思った。よほど太い神経の方なのだろうか。そういう意味では昭恵夫人の「私的花を見る会」は、残念な事件ではないか。それよりも問題が深刻なのは、総理大臣が答弁で「東京都が自粛を要請している公園での花見の宴会ではない」と釈明したうえで、「レストランに行ってはいけないのか」と反論したアベ総理大臣にある。これは違うだろう。昭恵夫人だって花見してるじゃんと自粛しないで秋葉原を出歩く人がいるのだ。
アベ氏は自分が国民に「お願い」していると言う立場と意味を理解していない。あくまで国民への総理大臣要請という形で、お願いをしている。法律で禁止行動を示した訳ではない。感染を広げないように、それぞれ考えて自粛をお願いしますと言うことだろう。日本を忖度してくださいとは少し違うが。
自分がお願いしている以上、夜な夜なの宴会は問題だと言われて、自分は控えたはずではなかったのか。宴会が禁止されているのではない。とあのときも居直ったのだろうが、結局の所止めたようだ。どうも総理大臣が国民に対して「お願いをする。」という意味がアベ氏には理解できないらしい。セリフと行動が一致しない。緊急事態なのだから、誰か教えてあげて貰いたい。
お願いをする以上、当然自分や自分の奥さんがその模範になるような生活態度を示さなければならないだろう。さすがにこの時期に関係者がレストランで花見をしてはだめだ。いくら高級レストランで環境が良かろうが、国民の気分を逆なでするだろうぐらいは分かりそうなものだ。それが分からないというのがアベ氏ご家族だ。
総理大臣たるものこういうときに素直に謝ったらまずいものだろうか。「家に帰ったら、花見には特に注意するようによく言いますので、お許しください。」こう言うと何かまずいことがあるのだろうか。総理大臣役者の台詞ならそうすべきではないか。
場所が上野の公園でないくらいだれでも分かっている。誰もが花見をしたいが我慢しているときなのだ。自分が高級な料亭で花見ができるとしてもさすがにこういうときはそれは避けるべきと考えそうなものだが、さすがの昭恵さんだ。馬耳東風。
誰だってレストランに行きたいときもある。大いに行けばいい。しかし自分が当事者たる裁判が起きたそのときに、ジャニーズ事務所のタレントとの会食では聞いた方が気分が悪くなる。国民のみなさんには自粛をお願いしておいて、その奥さんがどうなのとも言いたくもなる。
どうしてもこうも無神経な人なのかと。だから「レストランに行ってはいけないのか」との総理大臣の答弁は見当違いなのだ。あんたが自粛を要請したのではないのか。国民はそれぞれ良識ある判断で我慢しているんだ。総理大臣も昭恵夫人に我慢させろ、こう言いたくなる。
国民一人一人がどうすれば、感染が広がらないか真剣に考え行動すべき時なのだ。その模範となるのが政治家なのではないか。その意味でどうも今の国会の様子が全くおかしい。あれは密閉空間で唾を飛ばし合っている。
アベ氏は立憲民主党の杉尾秀哉氏に対して「大きな声で唾が出るようなことは避けなければいけないと言われている。お互いに気を付ける必要がある」と述べたという。正しい答弁である。
確かに総理大臣のヤジも行けないし、大声で総理大臣に唾を飛ばすも良くない。しかし、どうだろうか。国会の予算委員会は密室のようだ。随分立て込んで人が集まっている。密集なのにマスクをしている人も少ない。しかも大声で叫び合っている。あれで感染は広がらないのだろうか。あれで大丈夫なら、花見も大丈夫だと思う人はいないか。いるから秋葉原が人混みだったのではないか。
国会は国民の模範になるべき場ではないのだろうか。総理大臣のヤジはまずいと思うし、大声で唾を飛ばすも模範にはならない。まず、国会が感染を防ぐ模範を示して貰いたいものだ。お見かけするところお年寄りも多いようだ。そもそもお年寄りの集会は禁止すべきものではなかったのか。
韓国では感染爆発が一度起きたにもかかわらず、現状では鎮圧した。しかも中国のように、完全な封鎖もしなかったのである。韓国は世界から評価をされている。韓国では感染拡大阻止のために、国民のプライバシーを制限した。感染者の行動を公開して、拡散を防いだ。
それができたのは、政府への信頼があったからだろう。総理大臣が信頼されていない国では、プライバシーが何に利用されるか分からないという不安が起こる。コロナを理由に、反アベの監視をするのではないかと穿鑿をされる。この点で問題がある。
アベ氏は赤木氏の命をかけた告発遺書に対して、新しい事実はないと突っぱね、再調査をしないとした。こんなことでは政府への信頼は得られないだろう。明らかに新しい事実である。栄転した佐川局長を名指しで書き換えの責任者としているのだ。
テレビでも大相撲が終わり、スポーツ中継はない。ボリショイ劇場は過去の公演を無料公開しているそうだ。家にいなければならない人の慰めである。どうだろう政府は公演中止で苦しんでいる演劇人。試合ができないプロスポーツ選手。税金で公演や試合を行い、テレビで中継をする。
美術展も中止が相次いでいる。政府がビデオ撮影をしてくれるて公開するというのはどうだろうか。家で楽しめることを政府が積極的に提供する。それが文化スポーツ芸能の支援にもなる。
教育も春休み後も休校と言うことなら、テレビ授業を始めるべきだ。小学校1年から高校3年まで、きちっとカリキュラム通りに授業を開始する。全国から名高い先生を集めて、すばらしい授業をテレビで公開するチャンスでもある。
インターネットを利用すれば様々なことが可能だろう。ネット環境がないとすれば、政府がその準備を手助けする。こういう所に税金を使うべきだ。