沖縄への自衛隊配備が進んでいる。
石垣島では自衛隊配備のための基地の建設工事が始まっている。といっても、現段階では着工したという証拠作りのような工事である。3月中に着工しなければ、4月からの工事になると沖縄県の環境アセスが必要になるからだ。防衛省は環境アセスをやりたくないから、住民への説明を不十分のまま、強行着工した。石垣市長も、議会も自衛隊歓迎の姿勢だから、住民は何もよくわからないまま、自衛隊配備が進んでいる。しかし、防衛省が土地を取得したわけでは無い。一人の地権者から土地を購入して工事だけを始めた。こんな馬鹿げたことがあるだろうか。全体の土地の取得も決まらないうちに、工事だけは予算を取り、着工する。こんな特殊な公共事業は聞いたことが無い。このまま進めば、石垣島が対中国の前線基地になる。大げさなことでは無く、政府の考える、沖縄捨て石作戦である。その前提で、石垣島の議会や市長は判断をしたのであろうか。対中国の前線基地となれば、石垣島は日本で最も危険な場所になる。宮古島や沖縄本島とは条件が異なる。残念ながら今のままでは、前線基地への道に乗りだしている。まだ、今ならこの危険を取り除くことができる。石垣市民は3分の1の有権者の署名で、住民投票を請求した。市長と、議会は、住民投票をすれば、自衛隊基地の反対が多数になると考えているので、住民投票をさせないことを決めた。議論を封じようとしている。こんな不自然な軍事基地建設はおかしい。
確かに中国の軍事的脅威は高まっている。無防備でよいなどとは思わない。その脅威を防ぐ手段は、石垣島を軍事基地にすることではない。3つの道がある。一つは憲法に示されているとおり、平和外交を国を挙げて、あらゆる方法で取り組んでゆく。国民ひとりひとりも、平和的な手段を駆使することだ。中国の観光客が日本にたくさん来てくれている。この人たちを温かく迎えることも、平和外交である。爆買いなどという揶揄するような言い方をするようでは、失礼この上ない。だれもが歓迎の気持ちよい挨拶を交わす必要がある。おもてなしの国と自称しているのだから、国民運動にしなければだめだ。よその国にゆき、気持ちのよい対応をしてもらうと心に残るものだ。そして、外国人労働者の待遇改善である。日本人労働者以上の厚遇にする。家族で来てもらい、教育も充分に受けてもらう。当然医療も完全に行う。日本で働いて、よかったと考えてかえってもらう。安いから外国人労働者を受け入れるとか、日本人がやりたがらないから、外国人を利用するというような考えは捨てる。外国人労働者への対応は平和外交だと考える。
第二の方法は国の安全保障を専守防衛と決めて、専守防衛がどの程度可能かどうかを含めて徹底研究する。完全な安全は無理だと思う。それは、自然災害対策と同じだ。完全を求めても無理だ。現に津波が来れば何千人が死ぬだろうと想定された中で日本人は暮らしている。それでも、警察と同じで専守防衛の武力は保持した方がいい。そのための武力の研究を本気で行う必要がある。南西諸島の軍事基地では無く、南西諸島に基地を作れば、南沙諸島に基地を作る中国と同じになる。まずは潜水艦ではなかろうか。固定基地からのミサイル迎撃では、その基地が攻撃を受ければ無力化する。それよりも、位置の補足されにくい潜水艦を10隻以上準備する。この潜水艦の基地は沖縄以外の場所を中心に建設する。航行距離が長いのだから、日本全土に分散して配備しておく。沖縄の負担軽減を日本全土で行うという政府の方針にも合致する。南西諸島から軍事基地を削減してゆくことで、中国に対する平和外交の日本の姿勢を示すことになる。
第三の方法は経済的基盤の国内での確立である。エネルギーと食糧の自給体制である。アメリカが世界に対して貿易戦争を仕掛けているのは、アメリカが自立国家だからだ。食糧自給は確立している。エネルギーは世界一の生産国である。日本は海外依存が大きすぎる。なんとか自給率を上げることが、日本の安全保障である。まずは、食糧自給が40%などという言う状態では、国家として危なくて仕方が無い。エネルギーも同様である。確かに埋蔵エネルギーは無いかもしれない。しかし、循環可能な自然エネルギーは豊かな国である。風力、太陽光、国の安全保障政策として推進する。現代の戦争は経済戦争である。これを乗り切る準備をしなければだめだ。その意味では、直接の武力的攻撃など考えた方たほうがよい。中国にとって、日本が経済的に恩恵のある国であれば、さらに経済的に不可欠な国になれば、日本を攻撃しようなどとは考えない。日本は中国と経済関係を強める必要がある。今中国に進出した企業は苦労していることだろうが、そうした努力が戦争になることを防いでいると考えなければならない。