自民党のとんでもない議員たち。

   

アベ政権が緩んでいるという事が言われる。おかしな発言をする大臣が続く。今村復興大臣は発言が被災者を傷つけたことすら理解していない。不倫事件で取り上げられる議員も登場した。何故そういう事が起こるかと言えば、小選挙区制が原因している。自民党で大臣になれば、もう選挙の心配もほとんどない。自民党内部で競争相手はいない。例えば小田原の衆議院議員に対して、誰かほかの自民党議員が対抗馬になる可能性は、全くない。現職の自民党議員が偉い先生になり、努力を怠り、厚顔無恥になるのも無理からぬところだろう。上ばかり見ているごますりが多いいことだろう。派閥は必要だと、自民党幹事長の二階氏は発言しているが、今村氏はたぶん派閥の力学で復興大臣になった。その派閥は昔の田中派などとは全く性質が変わっているのだ。自民党の現職議員はほとんどサラリーマン化したという事だろう。まるで自民党に就職したかのように、末は大臣の出世の為だけに勤務している。

こういう環境になれば、優等生的な良い子人間とコネの強い人つまり、2世議員だけが生き残ることになる。何処かに引退議員があれば、当然コネの強い空き待ち順位上位者か、あるいは元官僚などの優等生が送り込まれることになる。選挙区で現職の自民党議員に対抗して立候補して、新人が現れる可能性はほとんどなくなった。残念ながら、そういう状況を大半の日本人も受け入れているのだろう。小選挙区制が問題だという意見はあるが、それを基盤にしている安倍内閣の支持率が下がらない。つまり日本社会が全体が、後ろ向き化したという事だろう。小さな不満はあるが、少々気になることはあってもおおむね悪くないという感覚なのだろう。つまり、ゆでガエルになりかかっていることにまだ気づかない。アベ政権が裏の顔は、まれにみる独裁政権であることに気付きたくないという事なのだろう。なんとなくおかしいかもしれないが、そんな馬鹿なはずがないという感覚なのだろうか。

アベ政権の実態というものは、トランプ氏やペロン氏に先行した、一国主義の打算政権である。理想主義を捨てた、打算主義がちょうど今時の日本人の暮らしに適合している。そういう日本人を作り出したのは、特にテレビ報道の影響が強い。報道記者や評論家と言われる人たちよりも、コメディアンが唯一本音を語る人たちになった。笑いに紛れるように本当のことも出る。そのコメディアン達が巧みに、安倍批判をしない。そういう圧力を敏感に感じているという事だと思う。それは世間の方向性を素早く感じるという事と、テレビ局の本音も感じているのだろう。世間全体が現状を守ろうという空気になっている。ぬるま湯がいつの間にか熱湯風呂になることを忘れようとしている。テレビは現状を変える道具ではなく、現状を追認して不満を吸収する道具。素晴らしい視点の調査報道番組もある。そういう番組が社会に影響を与えるという事もなく、埋もれて行ってしまう。

いろいろ不満はない訳ではないが、こんなものだという適当感覚を生み出した。その間に政権はどんどん日本を変えていっている。共謀罪が堂々と提出された。そして議論があろうが、結局は数の力で抵抗もできないまま、成立する。この実態を生み出したのは小選挙区制による、議員の劣化である。優等生化でもいい。日本をこんな国にしたいという情熱を持つような議員は居るのだろうか。要するに選挙による競争がない中で、自分の意見のない議員だけになってしまった。意見を言わないことが議員の処世術になった。議員のホームページやブログを見るとその金太郎飴化がよく分かる。小選挙区制を止める以外日本の政治家の知性の劣化は食い止められないだろう。政権に就いたものは間違っても小選挙区制を止めないだろう。誰がこれを変えられるかと言えば、報道機関が本気で選挙制度改革を主張しなければだめだろう。反対勢力が育つような選挙制度を作り出す必要があるのだろう。

 

 

 

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