間断灌水に入る。

   

田んぼは7月20日に間断灌水に入ることにした。このあと朝の内に写真を撮り、そこで水を止めたい。穂揃いがおおよそ8月20日だから、1か月の間稲の中で育っている穂を大事に育てるつもりで、間断灌水をしてゆく。現在の生育の状態は畝取りした一昨年と同じくらいである。但し、植えた稲の数が、30%少ないのだから、一株は16分げつ平均で在った株が20分げつ以上になることが目標である。数えてみると30分げつもある大株もあれば、4つぐらいにしかなっていない株もある。全体のばらつきが今年は目立つ。この状態は田植え以来変わらない。葉色の変化はまず一度色が濃くなった。例年濃いままのところが水の冷たい水口などである。今年はこれに加え肥料が多かったところかなと思われる場所も色が濃かった。そして徐々に新しい葉が色が浅く出てくる。そして再度濃くなってゆく葉がある。この繰り返しが続き、全体に色むらが生じている。

例年7月20日を基準観測日にしている。この日写真記録を取り、比較できるようにしている。田植え後50日経過したところで分げつは目標に到達してほしい。そしてこの後穂揃いまでの1か月でどれだけ穂が出て、大きな穂になるかである。収量という意味では一番重要な難しい水管理になる。この時期土壌が良いものになっていれば秋落ちのようなことは起こらない。例年穂肥のような追肥はしない。良い土壌とは、冬の緑肥が堆肥化して十分に分解が進むという事になる。そして間断灌水しながら、窒素分を稲の根が吸収しやすくしてやる。間断灌水の仕方は、まず十分に水をためる。いっぱいになったところで水を止める。その後タテ浸透水がするのを待つ。この期間は土壌の状態で違ってくるが、2日で水が無くなるのであれば、無くなったところで又水を満杯にしてやる。稲に水がそろそろ引いて来るぞと合図を送ることになる。稲はすでに幼穂を育んでいる株もあれば、これから分げつをする株もある。この遅れてくる分げつによい穂をつけさすことが大切である。

土が3ヵ月の間湛水状態が続き、還元状態になっていると思われる。然し歩いてみてもそれほど湧いている様子はない。やはり棚田でタテ浸透が大きいから土壌の還元化は起きにくい。それで中干はしなかった。そしていよいよ土用干しの時期が来た。両者を別段分けて考えることもないが、一応後にやる干しを土用干しと呼んでいるようだ。土用干しと言うより、間断灌水に入る時期と考えている。土壌の沸きが少ない3つの原因は、タテ浸透の大きな土壌、ころがしが充分行われているという事と、土壌の微生物が豊富に存在しているという事がある、希望的観測であるが光合成細菌も存在している可能性はある。土壌の表面に煙が経つような細かな土がかなりあれば、微生物の活動が盛んという事だ。良い土壌管理を続けていれば、トロトロ層もそれなりの厚さに出来上がってくる。

間断灌水は大きな穂をつけることを促すという気持ちだ。川の水位変化が増えてきて、秋の渇水期に入る合図を与える。土壌を乾かしては新鮮な酸素充分の水を入れることで、土を活性化させる。入水としては、思い切って水尻から水を流しだすように多めに行う。排水の堰は最大限高くしておく。そこから水が流れ出るように管理する。つまり一年で一番水を多く使う。一晩流し続け、充分たまったところで水を止める。たぶん、一晩で水がたまるので、最近夜が暑くなるのでその対策も同時に行うことになる。タテ浸透だけでどの位で水が抜けるかは、おおよそ2日である。この期間は安定はしない。3日目の夕方また水をどんどん入れる。出穂が始まりまた、穂揃いなれば水は切らないようにして、花の時期を過ぎる。この後間断灌水の度合い強めに変えながら、徐々に乾かして稲刈り前まで持ってゆく。と書きながらやってみないとわからないなと。

 

 

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