田んぼ土壌の変化

   

今年は田んぼの土壌に大きな変化が起きた。突然こんなことが起こるのだから、土壌というものは不思議なものだ。原因は分からないが、土の浸透性が急に悪くなった。それが良いことなのか、悪いことなのかはわからない。両面があるのだろう。今年はこの変化の認識が甘かったところに、田んぼを倒伏させたという事もある。田圃は刈り取りが終わり、田んぼ全面が良く見えて土の状態が分かる。17日に降った雨が、20日になっても乾かない。周辺の刈り終わった田んぼでは18日か19日には乾いていた。4日経っても足跡の所に水がたまったままなのだ。確かに山際の水の湧くところは以前からぬかるんだ状態が続いた。ところが今まで乾いていた2番のような田んぼが突如乾かなくなった。急激に土壌の浸透性が悪くなった。土壌の粘土分が増えある限界を超えたのか。田んぼに耕盤が出来浸透しなくなったのか。田んぼの下に水道が出来たのか。今年の秋の異常な雨続きで例年にない沸きが起きたのか。

みかん畑から、田んぼに戻し、7年間耕作をした。その結果畑土壌が田んぼ土壌に戻ったという事ではなかろうか。この田んぼらしいタテ浸透のない土壌を上手く管理すれば、今まで以上に良い田んぼになるのではないかと考え始めた。同じ谷戸田である、坊所や舟原では10年やっても土壌の変化などないのでまだ疑問ばかりだ。いくつかの想像は出来る。腐植を増やしてきた結果、土壌が変わり、ある限界減を超えたのではないか。そんなに短時間に粘土分が増えるという事はあるのだろうか。今までそんな経験はない。今年土壌検査をしてみなければならない。そうではなく、漏れていた穴が埋まったという事かもしれない。畑の間にみかんの根などが、タテ浸透の水路を作っていた。それが徐々に埋まり漏れにくくなった。土壌はもともと粘土分の多いい田んぼだった。田んぼの耕土の底に耕盤ができて来て水の漏れが減少したのかもしれない。水を止めて、3日も水が抜けないとすれば、一般に良いとされる減水深が10ミリというような状態になっているということかもしれない。経験のないことだ。山の谷戸田で水漏れが無くなれば、素晴らしい田んぼという事になるのかもしれない。

来年の耕作の基本であるが、思い切って乾かし気味に管理したい。今まで棚田ではざる田での耕作経験が多かった。タテ浸透が24時間で300ミリというような田んぼである。朝水を入れて止めるなどという事は考えることすら出来なかった。朝入れた水は必ず夕方にはなくなっていた。24時間溜まっている田んぼは1か所もなかった。そこで、常に入水している流し水管理とならざる得なった。当然水口は冷えた。水口に水温を上げる池を作らざる得なかった。あるいは水口は収穫できないと考えた上で作った。朝だけ水を入れて止められる田んぼはうらやましい限りだった。しかし、今の土の調子で在ればかなりの溜め水も出来れば、流し水もできる。朝だけ入水も可能になる。上手く管理すれば、水温管理の良い状態の田んぼになる気がしてきた。

代掻きのやり方は変えなければならないだろう。ともかく練り過ぎは良くない。それほど代かきをしなくとも、自然に水漏れは止まると考えてよい。腐植の漉き込み方法も変える必要がある。緑肥も考えを変える必要があるだろう。タテ浸透が減れば土壌の腐敗が起こる可能性が高まる。水の酸素供給で土壌の腐敗を抑えるより、やはり田んぼに干しを入れて、酸素供給をする考えだろう。今年は畔際の陥没崩壊も目立った。これは何か関係のあることなのだろうか。また、2番と10番、11番が水がたまり、穂揃いが遅れた。黄化も遅れた。収量が落ちた。この改善も来年の課題である。11番は冬水田んぼにするという事で、すでに水を入れ始めた。ぬかるんだ田んぼを冬水にして、さてどうなることだろう。どうせ手刈りの田んぼなのだからやってみる価値はある。

 

 

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