機動隊員が土人発言

   

沖縄の東村の米軍ヘリパッド建設への抗議をしていた市民に対して、大阪の機動隊員が、「触るなくそ」「どこつかんどんじゃ、ぼけ」などと罵倒した後、「土人が」と暴言を吐いた。また、別の場所では、「シナ人」などと発言した機動隊員がいた。全く聞きづてならない。こんな機動隊員を許してよい訳がない。ところが、大阪維新の会の松井知事はなんと、この機動隊員に対して、、「表現が不適切だとしても、府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。ごくろうさま」と自身のツイッターに書き込んだ。これはまさに、ヘイトスピーチの世界だ。知事の発言は重い。警察を監督する立場の知事が、この機動隊員を叱責せず、ねぎらうとは何事だ。いかにも大阪維新の会の怪しい体質が現れている。大阪には沖縄出身者が多いい。そうした社会的背景から若い人たちに、沖縄差別の土壌が存在することを窺わせる発言であるとしたら、大変なことだ。こんな知事も許してはならないし、この機動隊員は厳罰で処理しなければならない。

日本の敗戦と、長期のアメリカによる占領統治。沖縄返還後の屈辱的な歴史。江戸時代における薩摩藩の隷属的支配の歴史。明治においては日本帝国の植民地化。そして、現代においても「沖縄には日本の防人に成れ」などという、櫻井よしこ氏のようなゆがんだ意見すらあるのだ。沖縄差別の歴史を機動隊員は学んでいただろうか。大阪の機動隊の20代の警察官は機動隊員としての訓練を続けている内に、人間がゆがみを権力的に増長させた。国家権力に対して抗議を行う人間を蔑すむ精神が根底に生まれたのではないだろうか。機動隊が米軍の先兵となって、沖縄の米軍基地建設を防衛するという構図は、日本人にとって何が大切であるかが、見えなくなる。日常の訓練で人間性が崩壊しているとすれば、なおさらである。若い人間が暴力の中で訓練を受けるという事がいかに、人間性において問題であるかを表している。

一刻も早く本土に機動隊を連れ帰ってほしい。そもそもヘリパッド基地建設を強引に進めることが問題なのだ。沖縄のやんばるの静かな自然を騒音で埋め尽くすなど持って他だ。アメリカ軍の訓練をやりたいなら、アメリカでやればいいのだ。広いアメリカでも苦情が起こるようなものを、外国でやって埋め合わせている。アメリカの虫の良さが現れている。アメリカは守ってもらいたいなら応分の負担をしろと言う考えを持っている。そもそもそこが違っている。アメリカ軍が沖縄に駐留しているのは、アメリカの世界戦略である。中国と対抗してゆく為に沖縄にいるのだ。日本の為にいるのだなど恩着せがましく主張する認識が間違っている。アメリカは嫌なら、即刻帰ればいいだけのことだ。そもそも沖縄の長期間の占領は沖縄を都合よく使うためでなかったのか。そうでないのであるなら、すぐ沖縄返還が出来たはずだ。やっと返したと思えば、日本を守るために米軍はいてやっているとは、一面的な見方だ。

若い機動隊員はそうした米軍と沖縄の関係を全く理解していない。沖縄に公務で派遣される日本人であれば、沖縄の苦渋の歴史をまず勉強することだ。歴史の認識があれば、沖縄の人々こそ、日本人らしい日本人であることがわかる。同じ日本人でありながら、これほど悲惨な仕打ちを受けてきた人たちに対して、差別の意識を持つなど日本の公務員としてあってはならないことである。沖縄に対して植民地のような意識が日本の若い世代に存在していることが、悲しすぎる。松井知事としては充分沖縄の歴史を学ばせることが管理者としての責任である。暴言を吐いた人間に対して、ねぎらうとか、ごくろうさんと言うのは、隊員に正しいことをしたと思わせてしまう。派遣隊員の教育の不足に気づくべきだ。と言っても、本音では良く言ったぐらいに思っている可能性もないとはいえないのが、大阪維新の会である。ブロゴスではこの暴言問題がまだ取り上げた人がいない。ブロゴスは維新系なのか。

 

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