宮古島の温泉

   

宮古島の耕作地 5号 まだもう少し描くが、今回宮古島で描いている絵。

宮古島には、2つの温泉がある。泉質はナトリウム塩化物温泉である。ひとつは1250メートル掘って湧いたという、シギラ黄金温泉と言う。薄茶色を黄金の色と命名したのだろう。全体がリゾート開発された地域である。ゴルフ場やマリンスポーツ。海底の散策。私はそういう事には全く関心が無いので、温泉だけである。温泉としてはなかなかいい感じである。ぺたっとした若干粘るような肌触りで、実に暖まる。但しここの問題は塩素消毒が強い。塩素の匂いか、温泉の含有成分なのか分からないが、見立てでは塩素である。サウナは大きくはないが清潔なものがある。但し、水風呂が無い。お風呂は2つで、高台にあるお風呂からは海が見える。女性用の方が眺めがよい。南国のサンゴ礁の海の見える爽快な眺めだ。特に夕景が良かった。朝ならさらにいいと思う。その他水着を着れば、温泉プールなども入れるらしい。価格は2000円と高め。しかし、1600円という割引がある。掃除はとても行き届いている。何しろ環境がこれ以上はないというくらいの場所である。奇跡の温泉と書かれていたが、確かに奇跡の様な夢ごこちの温泉である。

もう一つが1500メートル掘ったという、宮古島温泉である。こちらの方が、若干あっさりしている泉質。塩素は気にならない。ここは、リハビリ病院のとなりにあって、そいうしたリハビリの長期滞在型の温泉なのかもしれない。温泉には「宮古島温泉メディカルホテルRIGHT」というものがあって、1泊3000円で泊まれるとなっている。長期滞在は相談できるらしいので、リハビリをするなら、こういう所に滞在したいものである。こちらはどちらかと言えば、関東の日帰り温泉に近い施設である。気軽な感じで、900円である。設備としてはジェットバスは当然あるし、打たせ湯まである。男性の方は使用されていなかったのだが、全体にあちこち修理は必要なようになっている。地元の人も来るようで、和気あいあいの空気が流れていた。ブラウン管テレビの14型位のものがあるのだが、映っているのが不思議なくらい良く映っていた。温泉は源泉かけ流しで、特に露天の方は実に気分が良い。眺めは無いのだが、お風呂のぬるさかげんが良い。お湯が流れ込むあたりは40℃くらいで、そこから離れると、36度位かと思う。自分の調子で入る場所を変化させながら、相当にゆったりした気分になれる。

ユッタリが宮古島なのだ。それはどこのお店もそういう感じで、嫌な思いをすることがない。皆さんここに居ると人に嫌な思いをさせたくなくなる。温泉の受付をしている方も、何とものどやかで、気さくで、嬉しそうに話しかけてくれる。つまり、おもてなしの島、宮古島だ。だから、美しい海だけというような宮古島が、急に人なつかしい島に変わる。ある人のブログに、宮古島はパワーストーンの島だと書いてあった。パワースト―ンはいかがわしいと思うが、宮古島の人達と接していると、何故かそれを信じたくなる。土地のエネルギーが他とは違うような気になる。活気があって、働きぶりがいい。畑を見るとどれほど熱心かが分かる。そういう土地のエネルギーの噴出が温泉である。温泉は直接的であるが、例えば、宮古島の黒砂糖や、塩にはそういう他所にはない何かが籠っているのではないか。こういう土地に暮らすという事で、きっと人間は変わるのだと思う。JALの雑誌は沖縄の工芸特集だった。皆さん沖縄の作品を感じさせるものなのだが、実は、内地生まれの人が多いいのだ。

宮古島には大きな木が無い。30センチ以上の太さの木はまずないと言い切って大丈夫だろう。漲水御嶽気にあるガジュマルの古木は一番大きな古木だと思われる。風が極端に強いため、台風で折れてしまうのか。米軍の艦砲射撃で木がすべて無くなったのか。あるいは燃料として切りつくしたのか。ともかく大きな木はない。これがある種のこの島の風景を作り出している。沖縄に暮らすことで、土地の力に影響されて、にょきにょきと育って、作品に表われてくるのだろう。当然、それは自然の持つ総合の様なものなのだろうが、温泉と言うものはその象徴的なものだ。食べ物はすべてに美味しい。特に魚が上手い。マクブという魚の味噌汁を飲んだが、これほどおいしい魚汁は初めてだった。今回初めて沖縄の絵を描いた。宮古島の耕作地である。3枚描いた。見て描いたのだから、写生画であるのだが、何処と言う事はない。宮古島の耕地と言う事である。あの風にゴウゴウと唸るサトウキビや、それを熱心に刈り取る人も含めて、宮古島の水土と言うものを描きたかった。

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