参議院選挙は原発反対の意思表示
現在参議院選挙がおこなわれている。初日から舟原の奥の方まで、選挙カーが来た。国政選挙では珍しいことである。福島原発事故後初めての国政選挙である。(まちがえです2回目)選挙の判断材料は様々あるだろうが、私には原子力発電からの脱却の一点が判断材料である。原発を止めるということだけでいい選挙だと考えている。ここで原発停止を示さなければ、原発は再稼働される。原発の新規制基準が施行されるのにあわせて、各電力会社が一斉に原発再稼働を申請する。東京電力も8日柏崎刈羽の再稼働を申請すると主張したが、拙速という批判である。事故原因の究明、事故の終息の見通し、こうしたことすら片付いたわけではない。原子力発電の核廃棄物の最終処分を含めた経済性。これには見通しもない。こんな状態で再稼働するなど、目先の利益以外の何物でもない。あしがら農の会の農産物に対する、補償も進めようともしない。そんな状態で再稼働を申請する東電を許してならない。私にはそのための参議院選挙である。
判断ははっきりしている。原発停止を主張する、共産党、みどりの風、社民党、この3つの中から選ぶしかない。そのために、議員が当選せず、死に票になる可能性があるとしても、今回は投票で原発反対を明確に示す以外にない。たとえ、そのほかの政策で、信頼性や、実行力に不安があるとしても、原発が再稼働されるよりはましだ。少なくとも、比例代表では原発反対の意思表示である。この場合は緑の党もある。原発は反対ではあるが、そうは言っても景気対策など考えると、自民党に入れるしかないという人もいるかもしれない。今回はそういう判断をしてはいけない選挙だと思う。当面の経済の為に、原発を選択するということが、将来の日本に大きな付けを残すことになる。確かに、原発はよほどのことがない限り、事故は起きないだろうし、福島事故からの反省から、安全対策もかなりしただろう。しかし、それでも万が一もう一度事故が起きたら、日本の頑張りも終わりである。やっと這い上がろうとしているのに、もう駄目である。
原発から、再生可能エネルギーへの転換が出来れば、日本の未来は開けてくる。日本の未来を考えれば、技術立国である。有機農業をやっていても、技術の重要性を日々感じている。新技術がものを言うのが再生可能エネルギー分野だ。新しい技術へ転換するという政策を無理をしても進められる国が日本だ。国民の気持ちが、福島事故を起こした日本の有利さでもある。ピンチをチャンスに変える以外にない。国民には反原発の気持ちが広がっている。これを政策に生かすことが出来るはずだ。例えば電力料金が上がっても、原発を止める方を選ぶ人が多いはずだ。再生可能エネルギーの技術開発の為に、未来投資を呼び掛けても多くの国民が協賛するはずだ。ここを政策として生かすのが政治のはずだ。当面の有利さだけを考えて、不安に満ちた原発の再開をしたところで、使用可能な40年寿命は間近に迫っている。さらに直して、補強して、延命を図ろうとするだろう。こうして次の事故が来ることになる。
原発を選ぶか、再生可能エネルギーを選ぶかは、文明的な問題である。人類がどう生き延びるかの道だ。日本が事故を起こさないとしても、事故は必ずどこかで起こる。日本が途上国に原発を輸出すれば、そのリスクは増すだろう。日本が世界からその責任が問われる。いくら安全性を高めたとしても、機械である以上事故を起こす。その事故は人類を滅亡に導く可能性すらあるのが原子力である。しかも、途上国へ核保有を広げることにもなる。今回の参議院選挙で、反原発の意思表示が出来なければ、原発再稼働で、再生エネルギーへの道も途絶えかねない。外交問題もある。経済もある。しかし、今回だけはすべてを我慢して、共産党、みどりの風、社民党、の中から選ぶしかない。これが私の判断である。