衆議院選挙の結果
小選挙区制による、議員配分結果は自民党の一人勝ち選挙であった。あくまで自民党の選挙制度とそれへの対応の正確さである。一方それ以外の党の対応のまずさの結果である。早急に選挙制度を変えなければ、ますます投票率は下がるだろう。小選挙区候補者の総得票のうち、比例復活も果たせず落選した候補者に投じられた「死に票率」は40・4%に上った。公明党が死に票なしの0%となった。自民党が3%弱。民主党は67%強。共産党は98・5%に上り、日本未来の党は81・8%、みんなの党は73・4%、日本維新の会は57・7%だった。自民党は比例区180議席のうち、57議席、得票率では27,88%を取っているに過ぎない。小選挙区全体の得票率は43%程度だったが、ここには公明票も含まれている。自民党が選挙で勝ったとはいえ、有権者の17%程度に支持されたに過ぎない。ということは、次の参議院選挙では自民党は勝つことはできない。ということは、参議院の廃止など言い出すのだろうか。
安倍氏は経済政策に力を入れるだろうが、成功はしないに違いない。株価はしばらく上がり、結局下がり始める。それは安倍氏が悪いのでも、自民党が悪いのでもない。右傾化が目立ち、中国、韓国貿易が困難になる。自民党の政策を支持し投票した人は、憲法を改定し、軍隊を持つべきと考えている。力の政治を期待する人たちと考えていいのだろう。どのような思想であれ、政治への関心の回復が緊急課題である。5人に1人の支持者しか居ない政党が、圧倒的多数の政府として政治を動かしてゆくという現実は、ますます、国への帰属意識の希薄化が起こるのではないだろうか。5つの事を見ておきたい。1、原発の再稼働と規制委員会の位置づけ。2、国民年金の納付率が回復するかどうか。3、生活保護費がどうなるかである。4、農家の戸別補償はどう変わるか。5、ネット選挙を含めて、選挙制度を変えることが出来るか。正直言って、こうした具体的政策自体は自民も民主も大した違いは無い。できるか出来ないかである。
政党で、政策がはっきりしていたのは、みんなの党、共産党、社民党であろう。共産党や社民党については、何十年同じ主張をしてぶれないが、社会を変える可能性を感じさせることが無い。みんなの党は政策は明確であるが、神奈川17区の井上氏が何故みんなの党から出ているのかが分からなかった。衆議院議員になりたいという目標があり、加えてもらえる政党があれば、どこでもいいと考える候補者が大半である。だから、有利そうな政党に鞍替えする者ばかりである。少数政党が綱領を明確にして、大同団結を出来るのかが課題。民主主義は妥協の産物であることを考える必要がある。原発に関して言えば、選挙においては原発推進を発言していたのは、幸福実現党ぐらいのものだ。しかし、当選すれば自民党が推進に変わるのではないかという不安は、誰もが感じているだろう。神奈川17区の牧島かれん氏の獲得した票数の98019票は地域の総得票数の38,7%である。投票率も勘案すれば、有権者の5人に一人の支持である。しかも牧島氏に以前エネルギー政策を質問をした所、自然エネルギーへの転換をブログに書いていた。
民主党に対する失望感が広がっていた。しかも、民主党はその選挙民の失望に対して認識が無かった。テレビコマーシャルでは、まるで自分の決断が日本を救っているかのような、場違いの発言をしていた。あの厚顔無恥というか、自己分析力の無さが、ますます民主党ではだめだと言う事になったのだろう。結局反省が出来ないまま、民主党は消える。政治の無意味化が起こっている。極端に言えば、核武装しようが、財政が破綻しようが。関係ない。国というものの中に生きているという意識が生まれない社会。1週間もすれば選挙があったことも忘れ去られる。無関心というものが、一番良くない。まず、選挙制度の抜本的改革である。1、ネット選挙の自由化。2、死に票の少ない選挙方法の模索。3、議員歳費の削減と議員数の増加。と言ってもなかなか進まないだろう。とすれば、維新の会の軍国主義化がどうなるかは、注目点である。