米のセシュウム、基準値を越える
今回の福島のお米の放射能暫定基準越えは、政府のたび重なる失態が又出た。福島のお米は収穫前、出荷前に予備調査を繰り返していた。その結果不検出が相次ぎ、移行計数の予測が一ケタ違っていたのだろうという、推測に至った。しかし、予想外の米のセシュウムの検出が相次ぐ。最悪の展開である。余りの情けなさに、このところ体調まで崩れてしまった。米のことは心とつながっている。心にダメージが来る。牛の飼料に稲藁を使った時と同じ結果である。大丈夫と安全をアピールしているものから、放射能が出ればそれまでの対策のすべてが、信頼性を失う。政府の無能ぶり、無責任ぶりを繰り返しさらしている。理由は明白である。事前調査の段階では、放射能が少ないだろう田んぼを検査対象にしていた。どういう地形と水系で放射能がたまるかなど、小田原なら私にも推定できる。多分行政の関係者は、日々空間線量を調べ、放射能に関する情報も集めている。話してみるとどの地域が放射能が高いかをよく知っている。福島ならなおさらのことだ。
そしてその結果行った、小田原のお米の調査は千代と言う地域で行われた。あしがら地域では一番低いだろうと思われる田んぼである。付近には農の会の関係者の田んぼがあり、1ベクレル程度と言う、極めて低い値が出ている。県の発表では当然不検出と言うことである。そして神奈川県では、もう一か所横浜を行い。神奈川県全体のお米を安全宣言した。本来なら、ここが足柄地域で一番高いだろうと推測される田んぼのお米を測定してみる必要がある。ここは高いかも知れなかったという田んぼは、あしがら地域にもある。言いたくはないし考えたくもないが、そういう状況である。高いと言っても100ベクレルを越えることはないから、私にとっては食べる範囲であるが、子供が毎日食べるにはどうだろうかと思う。辛いことであるが、事実を受け止めるしかない。
お米の場合着目点は2つある。セシュウムは、土壌と水から吸着される。土壌からの移行は予想よりはるかに低い値であった。しかし、水からの移行についてはまだデーターが少ない。流れ込む水に、いくらかでもあれば、稲は自ら直接セシュウムを吸い上げると思われる。流れ込む水と言っても、田んぼの場合、水路や窪地などにたまっていた落ち葉や泥に吸着された放射能が、大雨で一気に流れ込む可能性もある。この時土壌の状態が大きく影響する。根の状態もそうである。上根ばかりの田んぼにおいては、高くなるはずである。土壌がフィルターになる確率が少ない。この点では土づくりを含む栽培法の研究の余地がある。入水口に、パーライトのような、吸着物質を入れておくことも良いだろう。これは山からの養分吸収も無くなるということだが、当分は仕方が無いことになる。山の落ち葉堆肥は、あしがら地域でも相当に高い値に成っていることが、分かっている。使わない方がいい。又そこから雨によって流れ込む水も、それなりに汚染が続いているとしなければならない。
放射能の影響は地形、水系が肝心になる。福島第一からの放射能雲の流れ込んだ山を、背後に抱えている田んぼは高くなる。福島では高くなりそうな田んぼの予備調査を避けていたと思われる。行政はごまかして通せると考えたのか、推理力が無く無造作に行ったのか。今やらなければならないことは、放射能が高い値を検出している田んぼを、徹底的に調べることである。高かった田んぼの土壌を入水口と排水口を調べて比較する。流れ込む水系の調査。失敗から学ばなければならない。そして公表して欲しい。少しは対応方が見える。お茶の時も、信頼性を疑われるような対応をしていたが、一向に学ぶことが無い。福島でも、20ベクレル以下不検出のお米が大半のはずだ。先日出た大波地区のお米でも、田んぼによって不検出のところも多い。しかし、検査の杜撰さから、すべてが等しく廃棄処分になる。福島米全体に影響が出るだろう。そして、東北のお米、日本のお米と稲作全体に影響を及ぼす。安くて、安全な、アメリカのお米と言うことになりかねない。