トラクターが来た。

   

写真はトラクターを調べて居るリンちゃんである。リンちゃんは不思議な猫で、とても好奇心が強い。新しいものが来ると車でも、機械でもしばらく観察している。ダイ君が来た時も好奇心を発揮していた。福ちゃんも調べているのだが、大きすぎて近づかないことにしたようである。造成地についても、一軒一軒入念に歩いていた。最近はもうめったなことでは行かなくなった。慣れてしまえばどうでもいいようだ。変化に対して即反応する。トラクタ―は上に乗ったりもぐずり込んだりで、よほど気に入ったようだ。写真を取ってから近ずくと、外ではめったなことでは人に触らせないのだが、すり寄ってきてごろごろにゃんにゃん言っている。まるでこのトラクターはなかなかいいよ、と言っているようで、不思議な奴だ。リンちゃんはもう10歳になる。

ついにトラクターが来たのだ。茨城県の鉾田市の「オヌマ農機」さんからである。ネットで注文するというのは、互いに不安が伴うものである。お金は口座振り込みである。振り込み詐欺に遭わないか、などと思うものだ。無事来たので良かった。良かった。以前、欲しいけれど、どうしたらいいかわからない。とブログにも書いたが、そらやさんの意見を聞いたりして機種を選んだ。「ヤンマーアグリクローラーAC-10D」と言うトラクターである。現代農業で棚田にもってこいの機械だと書いてあったと言うので、それだと決めた。これは違法ではあるが、軽トラに乗ると言うのも、正直利点だ。あちこち離れた所に借りて畑をやっている者としては、トラクターは移動が大変である。2トン車を借りてとなると、いちいちで急場には間に合わない。耕運する作業は畑の乾き具合と草の状態で決まってくる。案外ドンピシャのタイミングは少ない。田んぼの中の大豆畑などとなると、中干しと天気を占って、幸運なら可能と言うような具合だ。

これがもし、軽トラに載せることが出来るならといつも思っていた。21馬力のトラクターがあった頃は案外平気でトラックで移動していた。それが、窪川君がトラクターの下敷きになって死んで。瀬戸さんもトラクターで死んで、怖くなってしまった。山下さんがトラックに載せようとして、横転したと聞いた時は、もうトラクターは止めようかと思った。それでも結局は必要で、自走して使うようになった。長い距離だと自走するのも気持ちは悪い。違法でも軽トラに乗せたい。迷いに迷い、「ヤンマーアグリクローラーAC-10D」となった。この機械は今は売られていないようだ。耕運機にまたがっているという10馬力の小さな小さなトラクターである。それでもクローラータイプだから、でこぼこに強い。軽いから、圃場を固めないかもしれない。代かきが浅く出来るらしい。とにかく回転がその場で出来て、圃場を凸凹にしないと言う。機械のことは良く分からないので、一か八かで決めた。

オヌマさんにしたのは他に中古のものが無かったからである。新しいものもまだ売られているようだが、中古が売られていた。写真を見ると、そう古いものでもないようだ。そこで質問のメールをだした。そうしたら電話で返事があり、さして使って居ない機械であること。ゴムキャタビラがほとんど減っていない。整備をして、出してくれること。電話の応対でオヌマさんも良さそうに感じた。運転も配送してくれる人が、詳しい人なので指導してくれるということである。これが肝心で細かく教えてくれなければ、私には無理だ。指導を心配していたので、すぐに決めた。配送の人はとても親切であった。細かなことまで、面倒がらずに畑で使いながら教えてくれた。一番心配だったケイトラの上げ下げも、何度もやらせてもらった。熱心に教えてくれた。田んぼの平らにするコツまで教えてくれた。自給農業と言いながら、トラクターはおかしい。おかしいのだけれどおかしい現実も書いておく。

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