わな猟講習会
近年どこでも同じだろうが、農作物の鳥獣被害が目立つ。お米が一昨年は少しイノシシにやられた。両隣が一枚全体と言う形でやられた。昨年は舟原田んぼもかなりやられた。あれが無ければ9俵は採れたことは間違いなかった。下のお隣の田んぼは、もう作らないということになった。それで、お借りして耕作することになった。今年は、何が何でもイノシシにやられる訳にはいかない。これ以上イノシシの害が増えれば、畑や田んぼを止める人が増えてしまう。作った農作物が被害にあう、がっかり感は大きい。買えばさしたる価格ではないのだけど、自分で育てた農作物は他に代え難いものだ。子供の頃トラバサミと言う足を挟んでしまう罠があった。昔のものは、虎の口のようにギザギザの口金が怖かった。つい最近まで山北の星野金物屋さんで普通に売っていた。今はどこに行っても売っていない。虎はとても挟めないし、多分イノシシも無理だろう。タヌキやキツネぐらいだと思う。
山北に居たころは、あらゆる野生動物が来たけれど、別に取ろうとは思わなかった。獣の住んでいる所に入り込んだのだから、畑の方を囲うのが筋だと考えていた。原因については様々に言われるが、一番は犬の放し飼いをしなくなったからだと思う。夜だけでも犬を放しておけば、民家の周辺の畑がイノシシにやられるようなことは無い。ついこの前まではそう言う犬の飼い方が普通だった。ともかく舟原の状況はまずい。人家の間にある畑までも普通に食べている。人間が怖くないことを分かっていて、年々図々しくなっている。捕まえてしまう以外、方法がない。くくりわなを使う以外にない。箱罠では無理だ。農協でも対策協議会がある。そこで罠の免許の案内があった。6名の申し込みがあったそうだ。7月10日講習会があった。費用は6000円。これはJAが出してくれた。
梅雨明けの暑い日に、早朝から厚木まで出かけた。バスが1時間に1本に成ったので、実に不便なのだ。車で行けばよかったと後で後悔したが、自粛である。本厚木の駅から、迷いなが歩いたら、30分もかかってしまった。久しぶりに厚木に行ったのだが、余りの変わりように、驚くばかりであった。汗でぐっしょりになってやっと着いた。ビルの4階である。まさかこれほど人が集まっているとは、200人から300人が狭い部屋にそれはもうぎっしりで、座れる場所は残りわずかだった。部屋は冷房が利いていない。何と、冷房は使わないそうだ。立派なことだが辛い時間に成った。狩猟免許は若い人が取らないから、等と聞いていたが、そんなことは全くない。銃の免許を取る若い人がたくさんいた。後から、4種類ある免許で席を変えることになったので、構成が分かった。私のような農家のおじさんは、罠の免許である。
何故だか、試験内容は4種類あるのに、ごっちゃの講習である。途中の休み時間に質問をした。「罠猟の試験に銃の扱いが出るのですか。」「出ません。」との答えだけ。不思議な講習会である。どうも、銃の免許の講習に、罠の人が紛れ込んでいるということのようだ。人数的には、同じくらいいるのだが、そんな親切に行われている訳ではない。猟友会が親切で講習しているということである。運転免許の違反者の講習によく似ていた。1日潰して出るほどのことは無かった。罠猟試験問題集を借りるのが一番である。この後、試験を受けるためにも、5200円が必要。実際に罠猟を行うには、その都度警察に登録をしないといけないらしい。それにも、お金が必要らしい。農家が、害獣駆除をするのにもかかわらず、制度がおかしいとおもうが。これでは、農作物の被害以上の費用がかかる。何故こうなるのか。地域の農業が守られるために免許を取ろうと考えたのだが。何か制度が違うようだ。