放射能汚染牛肉
小さいとはいえ、養鶏をやるものとして大変辛いことが起きた。畜産農家を責めるようなことは少しでもあってはならない。悪いのは東電の原発事故であって、牛を飼われていた方も被害者である。野外にあった稲藁や牧草を与えたことが原因のようだ。セシウムは筋肉にたまるというから、肉牛にはつらい結果である。餌をすべて購入して与えることが出来ればそれは良いだろう。その為の費用を東電が率先して出す必要があった。福島の牛の価格は40,50万円下がっているそうだ。農家の方にしてみれば、経費を少しでも安くしたいということもある。田んぼにあった藁を与えたらしい。肉牛の出荷前に藁を与えるということは普通は無い。かなり深刻な経営状態だったと思われる。普段なら、配合飼料を与え牛の仕上げに入るはずだ。この藁が何と7万ベクレルを越える汚染をされていたのだ。これは放射線管理が必要なほどの高濃度の汚染だ。周辺の牧草も汚染されていたに違いない。そう言う所に現在子供達も暮らしているのだ。
政府は相変わらず、食べたとしても直ちに健康に影響が出ることは無いを繰り返している。牛の体内が2300レベルの汚染の場合、外からは線量計で測定しても全く把握できない。空間線量はそう言うもののようなのだ。土壌が数千程度の汚染であっても、外から高濃度の汚染を確認することはすでに難しい状態である。そうなったら、急に行政が空間線量を測定を始めた。土壌の汚染は別問題なのだ。自然に消えることは無いし、長い付き合いをして行かなければならない。何時も繰り返し書くことだが、食は自己責任だ。これは生産者や政府に責任がないという意味ではない。当然責任があるが、自分の身体の事を人任せにしてはならないという意味である。今世間に出まわっている食べ物は、放射能を避ける目を持つ必要がある。風評などという、政府の言うことなど信じては駄目である。怪しいものがいくらでも出回っていると見なければならない。
確かに牛肉だけ食べた所で大したことは無い。しかし翌日食べる魚も同じかもしれない。その翌日の牛乳も同じかもしれない。畜産の生産者の事を思うとこういうことは書きにくいが、よく考えてみることだ。ともかく産地を確認した方が良い。産地の書き換えが行われているという噂もある。この地域の農産物であれば、100ベクレルを越えるものは無いと言える。100ベクレルでも不安だという人の場合は、お米を食べておく。ジャガイモも大丈夫だ。3月半ばどんな状態だったかをまず考えることだろう。まだ植えてなかったものなら、この地域では根から吸収されるレベルではないと言える。つまり土壌汚染は一番高い所でも、500ベクレルを越えていないだろう。作物の移行計数から言って大抵の作物は、10ベクレル以下の程度と推定される。実際の測定では不検出と言える。10ベクレル程度なら良いかと思う人は、この地域の野菜を食べていればまず大丈夫だ。
気に成るのは海産物だ。漁業関係者には申し訳ないが、とても食べにくい状況である。相当に深刻だと素人的に考えている。その深刻さはいよいよこれからのことだ。海草やプランクトンがまず汚染された。それこそプルトニュームだって流れ出ているのだ。今も相当量流れ出ていると考えた方が良い。この事態でが4カ月続いてしまった。空中への放出量は減じているが、確認しにくい地下水や海洋への汚染は、減じたとは考えにくい。魚の汚染はむしろこれからだ。食物連鎖を考えれば徐々に大きな魚に濃縮されてゆく。脅かすようなことは書きたくないが。良い展開とは言えない。食べ物を売るということは、とても大きな責任がある。それは安全なものであるのは当然であるが。安定して供給するということもある。農家がやれることは、安全なものが作れる地域で、目一杯生産することだ。そう思って草取りを続ける。
昨日の自給作業:コロガシ1時間大豆の挿し木2時間 累計時間:27時間