ウコン三種の栽培
今年から少々本気でウコンを栽培している。以前からたまたま作るという程度には、作っていたが、今年は3種揃えて栽培を始めた。恵命我神散を買いに行ったことがきっかけである。薬を使わないと決めているのだが、以前から唯一使う薬であった。書いて思い出したが、自分で作る卵油も使っていたので書いておく。小田原ではなかなか売っていない。やっと国際通りの薬局で見つけたのだが、お徳用の大箱しかなかった。期限があるもので、とても使い切れない。あちこち探している内に、薬の大半を占める成分のガジュツそのものを、漢方のお店で買う事にした。それでガジュツを煎じて使うと、おなじ効果があった。それならガジュツを栽培してみようという気になったのだ。ガジュツは紫ウコンの塊根ことである。ウコンはしょうが科の植物で、しょうが科の植物は熱帯を中心に50属ある。ウコン属の属名 Curcumaはアラビア語の黄色とある。40種ある。
ウコン属のうちウコン C. domestica (C.longa;薑黄)キョウオウ C. aromatica (鬱金)ガジュツ C. zedoaria (莪蒁)の3種が漢方薬の材料として、古くから栽培されてきた。栽培は小田原でも難しいものではなく、どのような栽培でも旺盛に繁茂する。日照が多く、水気のある場所を好む。親指程度の塊根を春あたたくなってから、植え込んでやればいくらでも増える。塊根は1キロにもなる。冬も暖かい場所なら、ほりあげることも無く翌年再生してくる。目立った病害虫もなく放任栽培で充分に育つ植物である。ガジュツとは紫ウコンと呼ばれるもので、大きなカンナのような葉の中央が紫といえば言えるような筋が入る。赤紫の花を咲かせるというが見たことはない。ガジュツは胃腸の調子を整えるにはとても効果がある。例のピロリ菌にも効能がある。
春ウコンはキョウオウと言う事だが、和名と漢名が入れ違っていてややこしい。ようするに肝臓の疲労に効果があるといわれる、クルクミンの豊富なウコンの名を高めた代表である。関東でも最初に栽培が始まったものだ。私も山北にいたときから作った。クルクミン0.3%、ミネラル、精油成分(シネオール[胆汁の分泌]、カンファー[強心作用]、アズレン[抗炎、抗潰瘍]、αークルクメン[抗がん、利尿、血流改善]、ターメロン[胆汁の分泌]など)を含んでいます。クルクミンが秋ウコンに比べ少ないことから穏やかに作用しています。精油成分が血流改善、消化促進によいとしお茶、薬用に用いられます。春ウコンが、肝臓病、健胃、利尿などに効くとして古くから珍重されてきています。万能薬的効能がある。
秋ウコンはむしろ香辛料ターメリックとして使われたきたものだ。私が最初に作ったのは、おなじウコンでもずっと成分の強いものがあるのだ、という説明だった。インドの僧侶が着ている、あの独特の色がウコン染めである。カレーの代表的香辛料、たくあんの黄色などの食物着色料、など様々に使われてきた。古くからの有用植物である。
どのウコンも栽培はやさしく、旺盛に育ちすぐ大株になる。しょうがなどよりよほど作りやすい。それでも日当たりは重要で、南国のものだという事が分かる。一度暖かい陽だまりに植えたら、必要量だけ掘り起こせば、冬もそのまま越冬し、春になれば又芽を出す。肥料も好む方なので、やればやるほど大きくなるが、薬効のある植物なので、あまり与えず辛く育てている。秋に地上部が枯れてきたら、塊根を掘り起こし、刻んで干しておく。毎朝スープにいくらかずつ混ぜる。これは3種混合で良い。お腹の調子が悪いときは、紫ウコンを煎じて飲む。即効的に効能がある。切り傷、歯痛などにも効能があると、漢方の方が言われていた。いずれ、ウコンは自給生活には不可欠な、薬用植物である。