日本農業の再生3

   

こうして、食糧の問題を、世界で検討せざる得ない下地が生れている。日本が有効な提案をいい場面で行えば、かつてのWTOとは変わった反応になる。何が何でも自由貿易という、先進国有利な条件は、既に結べない状況が生れている。交渉が進まない状況になっているのは、この現われなのだろう。この背景から、自由貿易から食糧をはずすこと、主要食糧に別枠を作ることは可能になってくる。これが人類という枠組みでの行うべき日本の政治的努力であるべきだ。しかし、行われてもいないし、行われる希望もない。

一方、我が家の農業から考える事。先ず各家に於ける自給である。これは農家非農家に関わらず、自給したいという人に自給の権利がある。憲法第25条 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」その権利に基づき、国は耕作しない農地を強制的に借り上げ、無償で自給したい人に貸与する。これを国民の自給権として確立する。

農業者が農地を借りて、農業生産をする場合を優先する。国が貸与するが。但し、産業として成り立つ小作料価格をその状況に応じて決めてゆく。生産物は主要な「米、麦、大豆、穀類」については、生産することで農家が最低生活できる価格を保証する。普通の農家の普通の働きで、生きていけることを国が補償する。これは各藩が江戸時代行おうとした事と、おなじである。但し、価格を保障すると同時に、バランスの取れた生産量になるように、作付けを調整する。主要作物は経済とは切り離したものとして、別枠を確立する。これを一定量生産すれば、最低限の生活が可能なことを保証する。現在国は農業者に対して、主要作物以外の国際競争力のある農産物を主張しているが。これについてはあくまで、主要農産物とは別に考える。

農家が普通に生きていけるとは、失業しても農業を選ばないという、労働人口をどう転換するかである。生活保護を貰うにしても、農業に進もうとはなかなか考えない現実がある。それは農業が、成立困難な上に、つらい職業になっているからである。農業は普通に行えば、最低限の暮しは可能なのでなければ、今のような、農業者の減少にはならない。安定的職業と位置づける。具体的方策を上げてゆく。1、農業技術を学ぶ場所を確保する。2、農業者用の住宅を確保する。3、農地の斡旋の仕組みを作る。4、農業機械の貸し出しのシステムを作る。5、自給的生産を行うものに、農地の利用を可能にする。6、基本作物の穀物を作る場合の保証制度を確立する。具体的方策は、それほど難しい事ではないが、政治的に具体策に入ると、実はどの段階にも困難が伴う。そこで、さらに私個人の視点から、その具体策を検討してみる。

世界的な規模での農産物調整は行われない。国内的な意味でも改革は遅れる。そうした状況を想定して、それを念頭に入れて、小田原地域の農業の再生は、可能かを検討する。小田原の条件は、大都市近郊に位置する。地域には産業も存在し、勤務先はある程度存在する。人口20万人で農業者人口は数百人に過ぎない。多くは自給的兼業が行われている。農地は入り乱れて、大規模農業が可能な所は、僅かしかない。また、農業を経営的な視点で考えようがないため、農地を資産管理的な視点で考えている人が多い。1、市民の自給的生産に、農地を利用する。2、農地を生産場でなく、生産を行う人を呼ぶ農業にする。3、農地の集約が難しいため、ゆるやかな地域指定を行う。(条例:美しい久野里地里山)一塊の地域を、特徴ある地域指定を行い、大きな方向付けを行う。(未推敲つづく)

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