路線価の下落

   

農地法が改定され、農地の価格は変化するのだろうか。農地法の改定が的を得たものであれば、本当の利用が起こり、農地価格は上昇に転ずるはずである。理屈より、現実を見てみた方が、農業者の本音は分かる。以前から、農地を安値で買い叩く知り合いがいる。その人から、田んぼを借りていた事などもあり、その人の話はときどき聞く。農地を結構転売している。本来農地は農業利用する目的のものだから、すぐの転売は出来ないはずなのだが転売している。大体にその人が購入した農地で耕作させてもらったと言う事が、既に農地法の主旨から言えばおかしなことなのである。申請時に人に賃貸すると言う目的で、購入すると言う事はできない。その人は、相変わらず購入しているようだ。農地は儲かると言う風に考えている。過去の農地購入のうまみは、道路が来る。工業地に転用になる。公共事業が行われる。線引きの見直しがある。こうした情報の早い入手である。

路線価の落ち込みが発表になった。今年の一月の時点である。当然、その後の下げの方が、大きくなっている。経済の動向が、底を打ったとの政府や日銀の発表はどう考えても、不自然である。もし、景気が再浮上できると言う展望があるなら、地価の下落が続く事は考えにくい。4年ぶりの路線価の下落とあるが。小田原近郊においては、一貫して上がる事はなかった。下がり続けている。経済に疎い私には、経済がどうしてよくなるのか、全く材料が見当たらない。今底を打ったとか、数字に変化が起こるというのは、15兆円とも言われる、税金のばら撒きによる。横浜市の中田市長は使いきれないほど税金がくる、と言われていた。各省庁が申し出た、多分、全ての事業が景気浮上の為の、公共事業としてばら撒かれている。米飯給食普及の為に10億円の予算が組まれたそうだ。それだけ聞けば何とありがたいことかと思うが、何しろ急場のこと、杜撰もいい所で、利用を申し出た案件は一件もないという。

林業にも詳しい人が、会うと日本の山が、中国資本に買い占められる心配をしている。中国では土地所有が原則できない。無尽蔵な資金がある、中国財閥なら地球儀をにらんで土地の安い所を考える。、まさか日本が利益が出るとは考えない。バブル崩壊後の日本の山林の土地の価格、利用価値から見たら、極端にまだ高い。中国資本が今買いに走っているのは、さらなる途上国の農地である。東南アジアである。世界での有利と言うのはそう言う事であろう。資本の資金が行き場がないというのは事実である。しかし、資本は短期でしかものを見ない、日本の利用価値と乖離した価格の土地に、うまみを感ずるとは到底思えない。木材を中国に輸出する。これもよく言われるが、ないだろう。こう言う話を意図的に流す人がいるのかもしれない。これら話の裏側にあるのは、山林の価値は上がるから、買って置いたほうが良いという土地神話。

土地という物は、利用価値で見るべきもの。その価格で、自分が利用できる。これだけである。大企業が土地の含み益で本業以上の利益を出して、本業の方がおかしくなる。そういうものだと思う。林業家なら、今山を買って、林業で利益を出せる人はいないのではないか。この一点で考えるべきだ。今後、材木の需要の方が減ると考える事が普通のはずである。住宅そのものが飽和である。人口は減少する。山には杉檜があふれている。農地の方はどうか。50年前は舟原辺りでも周辺見渡せるだけ、畑であったそうだ。今は手入れされない植林がされている。江戸時代を考えれば、燃料の雑木林であったはずだ。江戸時代は水と雑木林が手近にある所の、暮らしが一番。それ以上を考えない所が良い。田んぼが1反。畑が1反。雑木林が1反。屋敷が1反。大雑把であるが、ここに大家族10人ぐらいが暮す。安心して生きて行く覚悟をする。そこが治まりどころであるなら、土地はまだまだ高い。利用価値から見た、小田原の農地価格は1反100万円と言う所だろう。

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