小田原市建設経済委員会の怪

   

「小田原駅・小田原城周辺まちづくり検討委員会」によって、3月に出された報告書では『今の経済情勢などから、今後は、公共施設のウエートを大きくした再開発というかたちでいくべき』という案が出ていました。その考えに沿った補正予算が、6月18日の市議会建設経済委員会で否決された。小松久信委員(公明党)による発議で奥山孝二郎、 俵鋼太郎、植田理都子、武松忠、細田常夫の5委員が賛同して修正動議が出され、可決されました。檜山智子、田中利恵子の2委員が削除動議に反対している。武松氏は自身のブログで、「この程度ならば市役所内部でまとめてもらいたいと思い減額修正に賛成しました。」と書かれている。 お城通り再開発の「事業化検討調査委託費」189万円を説明不足、時期尚早で削除。今回の予算では、調査委託料189万円が提案されていたのだから、調査もすべきでないという6名の市議会議員の考えは、お城通りを今のまま中途半端にして置くのがいいという、判断なのだろうか。市民検討委員会に対する嫌がらせにしては、度が過ぎていないか。調査して、それでおかしいと言うなら、まだ話がわかるが、何か不思議な動きが感じられる。

市会議員の本音は、市民参加を進める検討委員会方式に対し、市議会軽視だと考え、苦々しく思っている。こう推理すると、辻褄が合ってくる。市民から選ばれた市会議員が、市民の代表で、その代表を飛び越えて、市民が方向を決めるなど、おこがましいと考えているのではなかろうか。こう言う腹が読める。確かに、市議会が機能して来ていれば、そういう考えも成り立つ。ここに到るまでの駅前の再開発は、紆余曲折して、市民の貴重な駅前の財産を、倒産したアーバン・コーポレーションに丸投げする。と言う馬鹿げた経過をたどっていた。危うく全てを失いかねない事態に、気付いてやっと食い止められた。本来そうした機能が、議会の役割のはずだ。何故か十分検討すべき機会があったにもかかわらず、見逃してきたのは、動議を出した小松議員を始めとした面々ではなかったのか。以前のアーバン・コーポレーション計画が良かった、と考えているなら、倒産を見逃した責任はどうなるのだろう。確かアーバンは不動産を債権化するという、金融崩壊に巻き込まれていたら、と思う恐くなる。

市議会にお任せして、市民が安心できるような審議をしていただきたいものである。何も、いちいちの政策にまで、市民が出張る必要はない。しかし、小田原市議会では個々議員の賛否まで秘密にしておきたいという、不思議な状況が実状。本来検討委員会のようなものを市民がやることが良いとは考えない。市民の役割は、暮らしを通して、行動してゆくことだと思う。私なら農業者として、充分に農業を行う。久野という里地里山が、私が行う農業によって、少しでも活かされてゆく。そうしたことが市全体の運営に良き物として、反映してゆく。これが一番の願いである。ところが、今課題として上がってきた、ごみの広域処理問題においても、市議会で充分の問題点の認識があり、議論が何度も行われてきたと言う事ではない。何故か、この170億円もの予算が使われる事業に対し、先導者としての議論がされていない。行政から出てきた案を判断すれば良いと言う姿勢である。そもそもごみの広域処理を重要課題という認識がない可能性がある。本会議において1,2の議員を除いて、意見も述べていない。

行政が結論を出してから、検討はするつもりだろうが、本来市議会では、市民の暮らしを方向付けるために、「ごみをどうするか」を市議会独自に、主体的に議論してもらいたい。そうしてくれていれば、市民参加の検討委員会など不要である。ごみの事を良く勉強していない議員も多いい。先日ある議員に質問した所、今の状況すら把握していなかった。今度生ごみの堆肥化検討委員会に参加するのだが、検討委員会の位置づけを、議会が軽いものとしている中で、本当の検討などできるのだろうか。報徳小学校、久野小学校、に於ける先行実験の実態をどれだけの議員の方が把握しているのだろうか。二見産業の食品廃棄物の堆肥化について、どう考えているのだろうか。もちろん全ての議員があらゆる問題に、専門的知識を持つと言うのは無理であろう。市民の知恵を集めて、共に議論を深めようと言う事ではないだろうか。財政についても、専門家と言っても良い方々が検討委員に加わり、英知を集めてくれている。市議会を軽視すると言うのでなく、市民が一体となって補完しあう。こう言う方向には進まないものだろうか。

 - Peace Cafe