土地改良区の賦課金
土地改良区の賦課金が突然、50%の値上げがされて請求された。しかも、今までに地主さんが負担してくれていたと思われる農地でも、耕作者が負担すると言う、一方的な通告である。ともかく、市役所、県農政課にその内容を聞きに行ってみた。最初は市役所の農政課である。これについては、県がやっていることで、市は技術的な協力をするぐらいで、特に内容を把握している訳ではないという事である。そこで隣の合同庁舎の方に移動し、県の担当に状況を伺った。本来なら、土地改良区の事務所が曽我の農協の所にあるので、そこに行くの順序とは思うが、先ず状況把握をしないで、出かけていって、揉め事になりたくない。農の会は借地で農業をしている会である。地主の方とはできる限りいい関係を持ちたいと考えている。借りているもの共通の気持ちであろう。農地を借りるということは、とても多様である。借りてくれといわれても、どうしても借りられないという農地もある。特別なことが無い限り、標準小作料という価格を借地料としている。よい管理をしてくれて、いつでも返してくれるのなら、ただでも貸したい。このように考える農家もあるのだが、全体の事があるので、標準小作料で借りることにしている。
標準小作料は、お米の平均的な売価から、経費を引いて、5%の経営者(耕作者)利益も引いた残金が価格となる。最近下がっているが。小田原市の標準小作料(H21.4.1)10アールあたり、年額 水田 14,000円 普通畑 14,000円 みかん園 (地主成園分) 5,000円 (小作人成園分) 3,000円 となっている。これは安い価格ではある。そうであったとしても小作人に利益が出るとは、考えられない。価格でもある。ここに水田なら、土地改良区の賦課金が10アール当り、水田3000円。畑1500円加わる。この価格は標準小作料を算定する時に勘案されているものではないと思う。左岸だけに賦課金があり、右岸には今の所存在していない。もし、土地改良区の賦課金が耕作に付随して耕作者に負わされるならば、論理的には小作料がその分減額されることになら無ければなりません。
この左岸土地改良区の賦課金とはそもそもどんな費用なのだろう。わたしは、耕地整理でも行った費用を分担して、今でも払っているのかと考えていた。それにしては何ら手が入っていないところまで、賦課する理由がない。ところが純粋に水路管理費用のみだそうだ。太い幹線の水路の管理の費用のみだそうだ。まさか畑にまで水路費用は、考えなかった。それなら名前がおかしいではないか。水路管理組合経費といえばよく理解できた。何故土地改良などというのだろう。多分そういう歴史も絡んでいるのだろう。2100万円(正確ではない)が年間主用水路管理に掛かると言う。それを面積割したものが、田んぼ一反3000円賦課金が値上がりする理由は、20年前に較べ、農地面積が3分の1になったため。畑にも1反1500円かかるのは、以前は田んぼであったからということらしいです。
農地が耕作放棄される。田んぼが放棄されて荒れてゆく。これを何とかしたいというのが、国の政策の基本と成っている。そういう環境の中で、賦課金が値上がりするというのは、好ましいことではない。こうした費用を、行政が支出している地域もある。田んぼの保全は、地域をどう運営してゆくのかの大きな要素である。全体で考えるべきだ。農家への補助金とか、戸別補償とか、そんなことを言う前に、農業が永続できる最低限の環境を整えるのは、国の役割ではないか。田んぼに来る用水と言っても、生活排水迄関係して居る現状がある。なぜ、アップアップの新規就農者に対し、あるいは地域農業の活性化の為に、頑張って借地を請け負っておられる方に対し、あるいは農の会のように、耕作放棄地を少しでも減らしたいと考える、NPO法人に対し、賦課してかまわないと言う事なのだろうか。