田植えの手伝い

   

昔から田植えは地域の作業だ。手伝いする、される。田んぼの作業を通して、地域というものが形成される、良い機会だった。農の会でもこのところの土日は、たいていはどこかの田んぼが田植えをしている。一度田植えを経験してみたいという人は、この機会に参加してみたらどうだろうか。6月5,6,7日と「永塚田んぼ」の田植えがある。7日は鬼柳の「めだか田んぼ」14日には「舟原田んぼ」と進んでゆく。田植えのやり方も様々で、そのグループの考え方成熟度が良く現れている。昨日、手伝わせてもらった「梅の里田んぼ」は60人ぐらいの田植えになったが、長年こうした形で進んできたことが良く分かった。縦線だけ線を引く。横線は黄色い紐で30センチごとに進んでゆく。田んぼの水は引いたまま進める。小さな子供も居る。大人も居る。そういう中で、作られた仕組みなのだろう。当然運営されている、今屋さんの気持ちも現れている。

その前日が「月の田んぼ」の田植え。こんなにいい苗で田植えが揃った経験はなかった。『月の田んぼ』(長/岩越さん)は明日5月30日(土)「上弦の月」が田植えです(厳密には31日が上弦)。28日午前に代かき・あぜ塗、午後に苗とりをやりました。籾洗い:3月3月26日新月前日、播種:4月12日(日)月齢 16.5「立待月」(大潮) 満月の3日後 と言う事らしい。とても良い苗。7週で、4,5葉期。ながさ1尺。32センチ。根はセルの形にとぐろを蒔いて純白。主根はしっかり太く、ひげ根が充分に発根。9時に行くと、既に縦横24センチの升目が正確に引かれている。7人のプラス子供1人の田植えになった。3畝しかないのだから、11時には終わってしまった。一本づつ心を込めて、植えさせてもらった。田植えが終わり、すぐ水を入れて、8センチの水確認の目印を2本立てた。水がたまったところで、ソバカスの散布。

「梅の里田んぼ」が終わってから、「新永塚田んぼ」に回った。みんなが水路に並んでセルトレーを洗っていた。セルトレーの洗いが結構手間取る。今度は高圧洗浄器でやって見たい。ここで、田植えもしないのに誘われるままに「さなぶり」だけ加えてもらった。ここも40人からの田植えで、11時には終わっていて、午後は調整だけだったそうだ。田んぼの様子を見ると、実に綺麗に植えられていた。大勢が参加する手順が、とてもいいのだろう。どこも要領がよくなって、仕事が速い。だから午後ゆっくりと、さなぶりが出来る訳だ。多分昔の田植えも、そこそこの時間に終わって、さなぶりに入ったのだろう。一仕事終えた気持ちで、ゆっくりと歓談する。とても大切な時間なのだろう。ゆっくりして居たかったが、鶏の餌があるので早々に引き上げざる得なかった。

実は喉が痛い。大声を上げすぎた。広い田んぼでは掛け声が重要。しかし、他所の田んぼで大声を上げているのでは、顰蹙ものである。分かっていてもついつい、上げている。新しく農の会に参加したグループ田んぼには1年は参加させてもらう。お互いの事がわかるには、一緒に作業をする。参加するだけで、参考意見を言う程度である。うるさがられることもあるだろうが、一年は加わる。農の会の考えが伝わるようにと思っている。「田んぼの体験」活動も千差万別である。農の会が大切にしているのは、「地場・旬・自給」である。出来る限り全体を共有する。大変な所は、農家の人が担う。こう言う事は出来る限り避ける。参加者全員が責任を持って参加する。つい田んぼに様子を見に行きたくなるような、自分がやっている田んぼだという意識がもてること。田植えをしたら、草取りがしたくなる田んぼ。田んぼが自分を守ってくれていることを、実感する田んぼ。

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