吉田邸炎上

   

22日大磯の吉田邸が炎上した。西武鉄道所有の建物である。15日、横浜市戸塚区にある国の重要文化財「旧住友家俣野別邸」が全焼。その前には藤沢市大鋸(だいぎり)にある昭和初期の洋館「旧モーガン邸」で出火し、木造の本棟と別棟が全焼した。 そして今回の旧吉田邸の全焼。2月14日には、杉並で「トトロの住む家」と呼ばれていた1929年建造の民家が燃えた。このように続くと、何か意図的に燃やしているような気がしてくる。犯人が居て、同一人物であれば、とても悪巧みに長けた人物のようだ。簡単には捕まらないような、証拠を残すような犯人では無さそうである。どうも寺院や公共施設ではないようなので、何か歴史的に評価を受ける民家に腹を立てて居る人物ででもあるのだろうか。小田原にも保存されている民家がある。気をつけなければ成らないが、放火というような捉えどころの無い犯罪に対するには、厳戒態勢と言っても難しい所がある。

こういう建物には、興味も教養も無いのであまり見ない。吉田邸については、先日集まりがあって出かけたことがあった。そのときにも少し触れたが、温室には感心をした。それは大きなガラス張りの部屋。実に居心地が良さそうだった。ビニールハウスに暮している人が居るのだが、上手く暮すとそれはそれでおもしろい。サンルームと言うのだろうが、とても大きい。二階建ての家がすっぽり入るような部屋だ。私の家でも改造して、猫のためのサンルームがある。8畳くらいのものだ。床はタイル張り、天井は二重のアクリル板。周りは木の建具でペアーガラス。タイルの下には床暖房も入っている。猫のための完璧なまでの部屋である。この部屋から、家中に暖気を取り入れる構造になっている。吉田邸では別段あの大層な本棟が素晴しいとは思わなかった。気取った文化人として振舞っていた吉田氏だが、いかにも財界人とか、政界人とかの好みは判った。

日本では全てが燃えてしまう。灰塵に帰す。金閣寺、法隆寺の夢殿、江戸は何度も大火で燃え尽きたようだ。そして、又再生してきた。吉田政治の終焉と思えば思えないこともない。延々とつづいてきた、自民党と財界の癒着政治の終焉になれば、せめてもの事である。企業から献金を貰わなければ政治が出来ない、と泣言を言う。政治はお金がかかる。繰り返しの言い訳。企業が献金するのは、企業にとって都合のいい、政治を行って欲しいから。お金で政治を動かしてきた。公共事業受注企業。電力会社の献金問題。以前は多額に行われ、問題化して自粛した。しかし、子会社役員からの、見えない献金は行われているようだ。取締り方法がないことは小沢氏の手法が示している。いずれ日本の政治は変わり目に来ている。経済も変わり目。

どこに日本人暮らしが行くかについては、諦めることはない。吉田大邸宅は燃えたけれど、あの温室は何故か燃え残った。大切なのは温室の方だと思っていた。客は豪勢な家屋で接待しておいて、温室で暮そうと言うような発想は良い。今までにないものを模索すること。もう大邸宅は終わり。日が出たら、温室の横穴から這い出てくるイメージ。あのガラスは外国から取り寄せたといっていたが、ペアーガラスではない。アクリルも無かった。新しいもので使えるものは使う。そして自然に則して暮す。燃えてしまうぐらいなら、解体してあの材は使いたかった。最近江戸時代の大樽の底板を手に入れた。厚さは10センチある。巾は広い所で45センチ。長さは2メートル。これを何に使おうか眺めている。生きているうちに使い方を思いつかないかもしれないが、こういう物は生かさないといけないと思う。

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