水彩連盟搬入
水彩連盟展第68回展の搬入が、19日、20日とあった。搬入係なので早朝から新国立美術館に出かけた。会期は4月1日(水)~13日(月)7日(火)は休館となる。全国から1500点とか言う膨大な水彩画が集まってくる。連盟の名の通り、様々な団体個人が集まり出来たもので、絵の傾向も網羅している感じである。専門店と言うより、デパートと言うか、百貨店と言う方が良いか。そう先端の商品が並ぶ訳ではない。しかし、名実共に日本最高の水彩画の公募展であると、自負していいのだろう。もう一つ老舗の、日本水彩画会と言う立派な会があり、そちらの老舗にすれば、郊外のショッピイングモールのようにみ見えているかもしれない。いずれ、ありとあらゆる水溶性絵の具による絵画が集まってくる。新国立美術館にはいかにも適合した、公募団体の一つである。例えば、アンデパンダンテンも新国立美術館に移った団体であるが、どうも牙が抜けた感がある。
水彩連盟も年々出品者が増加してきた。最終数字は知らないが、今年は少し減少したのだろう。Nと言う会場設営会社が連盟も手伝ってくれていて、老齢化する出品者を手助けしてくれている。重いガラスの入った大作を運ぶことなど、もう出来なくなってきている。そのN社のTさんが情報通である。当然の事で、あらゆる団体の出品、審査、展示、搬出、と全てを手伝ってきている。当然内部事情的なことは、漏らさない節度があるが。出品作の減少傾向については、今年も話されていた。景気悪いからだろう。とくにお金のかかる、油彩画の地方からの出品が減少になっているらしい。1000点×400団体(全国)なら、40万点とか言う大作が描かれる。1点に5万円ぐらいの経費はかかるのだから、市場規模として、200億円。もう異様な状況と言える美術大国には違いない。これが1割減少したら、関係する事業者は全てに不景気と言う事になる。今そうしたことが起きているらしい。
美術展開催にはとても費用がかかる。水彩連盟の年会費は45000円。どんなに切り詰めてもかかる。高い所は10万円ぐらいの所も聞くから、経済的に参加できなくなる人も多数居るはずだ。Tさんによれば、続かない団体もでてくる可能性の話だった。絵のレベルで選別され、お金で絞られるというのは、嫌な話だ。審査と言えば、アンデパンダンテンは無審査と言う事だ。昼休みにアンパンの展示を見ると、審査の厳しいと言う団体と変わらぬレベルで、とんでもない作品がグンと減った。「これでも芸術だ。」と叫んでいるような、判断しようのないような作品が減って、きれいな新国立の会場に収まってしまった。土俗的芸能が、国立劇場にそぐわないと言うようこともあるか。反戦平和というような主張も、影を潜めてきた。他では拒絶されるようなものがあるのが、魅力だったのだが。ここにも経費の問題は影響しているに違いない。
自分の出品作を並べる時はドキドキしたものだが、今は普通である。家で見て居る時も、搬入の作業場で見るのも、当たり前だが変わりは無かった。以前は、搬入場所で、すぐ批評会が始まった。搬入されてくる作品を次々、楽しみで見ていたのだ。これは良いと、搬入場所で感心したものが、審査で落選すると言う事も間々あった。中には出品者自身が批評をしてくれなどと言うこともあった。以前は、担いで電車で持って来たものだ。描いた人自身が持ち込むことが結構あった。サイズも一回り、二回り小さかった。大きくないと入選できないと言う事があり、50号以下は先ず少ない。昨年私は40号にしたら、遺作なのかと思ったと言う人まであった。水彩画でこの事態だから、どうも普通ではない。水彩連盟を見てみたいと思われる人がいらしたら、招待状を送らせてもらいます。ブックマークのあしがら農の会のメールで、住所お名前をお知らせ下さい。