平塚のごみ焼却場の停止

   

12日から平塚の焼却場が停止している。平塚では焼却ごみが日量200トン出ている。すでに貯蔵槽1500トンが一杯になっている。何故、3機ある焼却炉が、一斉に停止したか。とても不自然な経過である。読売新聞の報道によると、「1号炉は定期検査で環境基準の1・3倍のダイオキシンが検出された。3号炉も定期検査の対象となっているが、1号炉の検査結果を受け、基準値を超えるダイオキシンが検出される恐れがあるとして、11日から自主的に操業を停止している。また、残る2号炉も定期メンテナンスのため操業停止中で、再開は16日になる予定。」この記事からすると、随分計画性の無い定期健診をしている。3号炉については、検査もせず、駄目に違いないから停止。1988年に操業を開始し、約一ヘクタールの敷地に三炉がある。一日の焼却能力は240トン。この数値からすると、三つある炉のがフル稼働しなければ、処理できない状況のようだ。

2号炉のメンテナンス中は茅ヶ崎市にごみ処理をお願いしていたそうだ。しかし、この事態に到り、近隣の行政全ての焼却場に持ち込み処理を委託することになる。藤沢市、大和市、小田原市、小田原では50トンを引き受けることにした。焼却炉のある、地元には事後承諾である。以前ブログにも書いたことがあるが、焼却炉の停止期間の相互委託処理の契約を結ぶ必要がある。こう言う事が起きた時のためだ。基準値の1,3倍のダイオキシン量ですべての炉が中止と言う事なら、平塚からの、ごみ量が50トン加わることで、ダイオキシン総量は小田原も1,3倍になる。小田原市の焼却処理可能量は330トン、実際の1日の処理量はおおよそ170トン。ここに50トンが加わる。おかしいのは小田原のダイオキシンが1,3倍になるのはいいにして、平塚の基準値を超える可能性のある炉も止めたことだ。ダイオキシン総量が問題だ。

以上を踏まえて、広域化の問題点が良く見えてくる。基準値はダイオキシン総量でないこと。しかも様々排出されている、化学物質のうちダイオキシンだけを基準値にしている。基準を超えれば総量では減るのに、全炉止めることになる。そして周辺市町村は総量では、1,3倍を越える。矛盾している。しかも輸送距離が伸びて、交通問題生じる。排ガスだって、CO2だって増える。近隣で困っているのに、断ることはできないと言う事は、当然である。しかし、必要なことは実害のある地域住民に対する事前了解である。事後承諾を当然としている。大半の住民は新聞報道で知る事になる。問題は危機管理体制の未熟。当然こうしたことは想定される。事故、災害、での炉の停止は頻繁に起きている。そのときの為に、平時から備える。先ず、近隣自治体との協定の締結。当然、地元住民への充分な説明が必要。

今回の平塚の炉の全面停止を受けて、広域化の先行体験をすることに成る。広域化した場合、もし一箇所、小田原の久野で焼却すると、今回の倍の100トンの輸送が始まる。もし、湯河原で焼却するなら、200トンが湯河原に運ばれる。そして、広域で炉の数が減少し、一炉の規模が巨大化することになる。事故によるリスクも高まる。こうした状況を見ると、小さな炉を分散して設置する良さも見えてこないだろうか。今回の事故を教訓にしなくてはならない。
1、早急に緊急事態の相互協力協定の締結。
2、地元住民に対する情報の開示法の検討。
3、広域化してリスク回避はできるのか検討。
4、ダイオキシン等の総量規制を検討。

昨日の自給作業:ヤマイモ、等の植え穴の準備1時間 累計時間:9時間

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