ソマリアの海賊対策

   

14日自衛隊護衛艦2隻が、ソマリア沖の海賊対策を目的とした、海上警備行動を行うため出航した。間違った方法だと考える。憲法9条の解釈をゆがめる新たな方法が、又ここで行われることになる。ソマリアの問題では、世論調査では60%を越えた人が、自衛隊の行動を肯定的に考えている。日本の船舶の多数航行する海域である。シーレーンの確保、ホルムズ海峡の安全航行という観点から、このことを深刻に受け止めている国民が多いと思われる。今回の護衛艦による警護の対象となる日本関係船の登録を求めた所、2200隻に上ることになった。1日当り5隻が通行しているらしい。国連決議では、「関連諸国に対し、海上保安活動において、国際法に従い、同条約において言及されたように、特に海軍艦艇・軍用機の展開による同国沖公海上における海賊行為に対する戦いに積極的に参加することを要請する」の内容が決められている。

日本と同じように軍事国家化を危惧され、海外派兵には慎重なドイツも、早期に1400人と言う派遣を行っている。中国も派兵を行う。中国の動きの背景となる、アフリカへの影響力の拡大が日本では問題視されている。原子力開発の宣言で問題化するイランも派兵を行っている。この問題では国連の全会一致の決議であるから、国連に加盟する全ての国が賛成したと言う事になる。ここでもアメリカの後退が感じられる。そうした各国の動きに押されるように、麻生政権は自衛隊の派兵を決めた。何故ソマリアだけが、ここまで問題化してきたのか。マラッカ海峡の方も、深刻な海賊問題がある。やはり、ここが中東隣接地域であり、世界の勢力のしのぎを削る場所なのだろう。アメリカの後退に伴い、誰が穴を埋めるかの先陣争いのような、様相とも思われる。

そもそも、ソマリアと言う国に対し、日本は国家としての承認をしていない。ソマリアは無政府状態が延々と続いている。内戦の長期化。アメリカの国連平和維持軍の展開。しかし、全くの失敗に終わる。軍事力による解決は存在しなかった。他の方法もない。その後アフリカの内戦へのアメリカの介入は消極的になる。アフリカの悲惨はソマリアだけではない。ルワンダ、コンゴ、ブルンジ、タンザニア、ウガンダ。国連平和維持軍の限界を知る事になる。悲惨な内戦は悲しいことであるが、自力更生以外、道はないのではないだろうか。国連による人道的平和維持活動も、アメリカと言う主力が後退する時代になれば、力量不足が現実である。各国の利害の錯綜する場が生れてくる。新しい国連の方法論が模索されている。そうした背景を基にして、ソマリア沿岸の海賊ビジネスの登場。そして各国の派兵。

昨日日本も自衛隊が、なし崩し的に国内法の整備も無いままに、出かけていった。2隻の艦船が行くなら、せめて、海上保安庁が行くのが、妥当な所ではないか。機能的には劣るものではない。海賊に対するのは、警察である。自衛隊の派兵を憲法の拡大解釈で、無理やり行うことは、国民の止む得ない中での60%世論合意を、悪用しようと言う事になりかねない。自衛隊はイラク派兵でも指揮官が、巻き込まれ、駆けつけ行為を意識的に行い。軍事力行使を行うつもりだったと言う、事件があった。国の法根拠を、現場で逸脱しようと言う指揮官が、参議院議員になった。今度の派遣の指揮官も、同じ考えである可能性が推測される。自衛隊員の一般的意識はむしろ、そのあたりにあると考えるべきだろう。ギリギリ行かないで済ます。だらしがないとか、責任を果さないとか、格好悪いとか、言われた所で我慢する。しかし、どうしても行くなら、海上保安庁が行く。

昨日の自給作業:畝立て種蒔きなど1時間 累計時間:10時間

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