「原爆投下、しょうがない」

   

久間防衛相が、麗沢大学で「我が国の防衛について」講演し、米軍が日本に原爆を投下したことについて「原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、しょうがないなと思っている」と述べた。防衛大臣の防衛についての考え方だ。これと同様の考え方は、アメリカでは、かなり多いいらしい。一日も早く戦争を終決すれば、アメリカ人の戦死者が一人でも、少なくなる。その方法が原爆であれ、間違いでなかった。こんな風にアメリカ人は考えるらしい。イラクでも、ベトナムでも、戦争を終わることは、始めるより難しいと、言われている。正確な軍事的情勢判断として、原爆が投下がなければ、日本はポツダム宣言の受諾が、降参が出来なかったのだろうか。

更に「日本が戦後、ドイツのように東西が壁で仕切られずに済んだのは、ソ連の侵略がなかったからだ。米国は戦争に勝つと分かっていた。ところが日本がなかなかしぶとい。しぶといとソ連も出てくる可能性がある。ソ連とベルリンを分けたみたいになりかねない、ということから、日本が負けると分かっているのに、あえて原爆を広島と長崎に落とした。8月9日に長崎に落とした。長崎に落とせば日本も降参するだろう、そうしたらソ連の参戦を止められるということだった。」こう分析している。ソ連の占領がなかったことを、良かったとして、降参を早めた事を原爆投下の為としている。 敗戦の状況に詳しいわけではないが、原爆投下が降伏を早めたというだけではない。当時の軍内部および政府でも、降伏を進めていた人がいた。原爆よりも、そのせめぎ合いの結果、天皇の敗戦の詔を確保し、発表する。この難しさが8月15日になった。

日本の防衛省は文民統制と言う事になっている。この人で大丈夫かと言う気がする。情勢判断の出来ない、大臣が責任者なのだ。6月下旬イラクに行こうとして、アメリカに止められて断念した。この時期行こうと言うのは参議院選挙と言う事だろうが、イラクが戦闘状態にあることが分かっていない。また、ミサイル攻撃に対し、今のミサイル防衛(MD)システムで99%は排除できる。と断言している。ミサイルをミサイルで打ち落とすことは、実際には殆ど出来ない。自衛隊の市民活動に対する、情報収集の是非に関しては、「自衛隊の行動について賛成、反対の場合もある。情報収集をして分析をすることは決して悪いことではない」とうそぶいているが、自衛隊法に照らして、そんな任務はありえない。

そういえば、就任時にはアメリカのイラク戦争を情勢判断の間違いだったと、指摘してくれたこともあった。そのせいで、アメリカの要人とは会うこともできない。この人は、何でもしゃべってしまうようだ。一体こんなタイプの人が、自衛隊の責任者で大丈夫だろうか。確かに、近隣諸国には脅威かもしれないが、国民の不安は増すばかりだ。責任者の安倍氏に任命する力がない。松岡氏の件でもまさか安倍氏が選んだとも思えない。誰かが決めてくれた人を追認した。それは久間氏も同様だろう。安倍氏と色合いが違うのだ。違っても統制できると言うような、安倍氏ではない。自分で人事を行えば、赤城農林大臣のような人を選ぶだろう。防衛省は、武器を保有している。
何か薄っぺらで、原爆をしょうがないなどと、平気で発言する。無神経な人間に任せておいて大丈夫なのだろうか。

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