韓国釜山市では、生ゴミを燃やさない。

   

韓国釜山市では埋め立てや焼却をやめてメタンガスの回収や飼料化や堆肥化を促進しています。釜山市の人口365万人から発生する、1日あたり856トンの内786トンを資源化しているそうです。岡山大学の田中勝氏の報告が日経エコロミーに掲載さえていた。生ゴミと下水汚泥とを混合して、そこからメタンガスを回収する方法のようだ。日本では、小田原とその周辺の30万人のゴミ処理が、焼却以外考えられなくなっている。プサン市の実態は見てきたわけではない(どうも総量が少ない。)ので、正否は何とも言えないが、韓国人のバイタリティーを感じる。一方日本人の挑戦意欲の衰退を感じた。小田原市の市長答弁が、「ゴミ処理のような迷惑施設の問題に、市民を参加させる訳には行かない。」この後ろ向きな、市民に対する認識は、いかにも国の命令に従っておけばいい。特出した事は避けた方が無難だ。こんな、弱い精神を感じてしまう。

徳島の上勝町で、ごみ焼却をやめた。回収もやめた。やっている自治体もあるんだ。こう話すと、必ず小さい所ならできる。と言う事になってしまう。大きい所なら、大きいなりに方法はあるはず、とは考えない。行政の人は体質的に冒険は考えない。目立つようなことはなるたけ避けようとする。無難に、無難に、やろうとする。当然の事だ。だからこそ、市民がゴミ処理に積極的にかかわって、新しい試みに挑戦すべきなのだ。このことを市長が行政の人と同じ、無難な姿勢になっているところに、小田原の不幸がある。城下町ホールでは随分斬新な、設計を選択したのに、ゴミでは県の言いなりのようだ。

「ゴミを減量する」いずれの方法を選択するにしても、これが目標だ。どうすればゴミは減るのか。これを常に念頭において、考えなくてはならない。私は、13年間ゴミ回収がないところで、暮した。年に一度、ケイトラでどうしても処理できないゴミを、山北のゴミ処理センターに運んだ。これも止めたいと考えていたが、自分で燃やしては良くないゴミが、どうしても貯まった。たぶん一年間で、家族4人が、100キロ程度のゴミで済んでいた。もちろんゴミを出さない暮らしをしようという、考えもあったので、ゴミになるものは持ち込まないと言う事が、前提だ。最近スーパーで見たのだが、私より少し上の紳士が、食品を全て包装を剥がし、自分の容器に移しているのだ。つい見入ってしまった。全てのゴミを捨てて、帰って行かれた。

県の広域ゴミ処理の基本方針は、溶融炉の導入だ。24時間の連続炉で、高温処理して行く。焼却灰もスラグの形になり、体積的にはすごい減量に成る。しかし、この弱点は、ゴミの量が安定的になければ成り立たないという事だ。しかも、高温で燃やす為に、プラスティックゴミは歓迎となる。分別も何もなくなるのだ。間違いなく、ごみ量は増加する。しかもこの方法には、不安定な化学物質の生成が懸念されている。市長や助役は、市民をまるで愚民のように発言したが、市民の中には行政職員より、ゴミ処理法に詳しい人が何人か、存在することを知っている。365万都市プサン市で生ゴミをバイオマスで処理しようと進められている。新たな挑戦意欲さえあれば、小田原が取り組める事はいくらでもある。長井市と言ってもどんな町かも知らないが、そこで行われているレインボープランの事は、多くの人が知る所だ。小田原市が、意欲を持って、ゴミの減量できるゴミ処理に挑戦することを、願っている。

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