台湾の大豆栽培について
2025/04/26

台湾の大豆栽培
石垣島ではまだうまく大豆が栽培できない。何故台湾では大豆が栽培できるのか調べてみた。特に枝豆は沢山作られていて、日本の枝豆の半分は台湾産の冷凍枝豆である。日本では台湾で作出された品種を使っている。鞘に毛のあるタイプの枝豆品種は台湾品種であるか、またはその後継品種である。
台湾の大豆栽培を調べてみる。中国語では大豆を黄豆という。かなり古い時代から栽培されてきたものだったらしい。しかし、戦争前の時代には台湾での大豆栽培はかなり生産性が低くなっていたらしい。それは大豆生産では台湾の気候では暑くて不向きなため、収量が低かったのだ。
中国ではあまり向いていない台湾で大豆を作るよりも、大豆向きの地域が中国にはいくらでもあったわけだ。日本になり、台湾で大豆を作ることになる。そこでお米と一緒で、大豆も台湾向きの品種を日本人の学者が研究したらしい。
日本の品種を台湾で栽培すると、どれも収量が低かった。それは今石垣島で経験していることだ。大豆については、台湾品種の作出までは進めなかったらしい。ただし、石垣島と違い、台湾では雪の降るような場所から、熱帯地域まであるので、一部の地域では大豆を作り続けていたらしい。戦前の石垣島では大豆は台湾のものだった。
戦後になって、台湾は地域として独立したので、大豆の栽培を本格的に研究することになった。これには日本人の研究者も参加している。様々な地域の大豆を栽培するが、なかなかうまく栽培が出来なかったらしい。大豆は緑肥作物として、在来種の大豆が作られていた。
現在では台湾に適合する、高雄10号、花蓮1号、台南10号、台南4号(青大豆) が作出されている。以下は台湾の農水省の出している。台南10号についての記事である。長いがとても参考になったので、ここにコピーさせて貰った。
- 植物:春の草丈は59.3~62.2cm、秋は40.4~43.7cmです。春の枝数は1.7~2.0枝、秋は0.2~0.9枝です。主茎の節数は春に12.9~13.5節、秋に10.9~11.7節である。
- 苗木: 若い茎は緑色です。
- 茎: 成長中の茎は緑色で直立しています。
- 葉:羽状で3枚の小葉があり、小葉は披針形、葉の色は濃い緑色、成熟すると落葉します。
- 花:白。
- 豆のさや: さやはナイフのような形をしており、茶色で、茶色の毛が生えています。各鞘には主に 3 つの種子が入っています。
- 種子:丸形で、種皮、子葉、へそは黄色、100粒あたりの重量は24.8~27.1グラム。
- 生育習性:春作物は播種後、発芽まで7〜10日、秋作物は4〜7日かかります。開花期が短く、成長が制限されます。
- 生育日数:春は101~103日、秋は96~98日。
- 成熟度: 中程度、均一な成熟度。
- 植え付け適期:春作物の播種時期は2月上旬、秋作物の播種時期は9月上旬から中旬です。
- 耐病性:真菌性疾患にはややかかりやすいが、うどんこ病には強い。
- 適応土壌: ローム土と砂質ローム土が最も適しており、土壌 pH は 6.0 〜 7.0 である必要があります。
- 種子収穫量: 春には 1 ヘクタールあたり 2,700 ~ 3,800 kg、秋には 1 ヘクタールあたり 2,100 ~ 2,400 kg。
- 収量は中程度から高く、安定しています。現地試験生産では、収量は1ヘクタール当たり2,100~3,800キログラムを維持しており、これは高雄玄10号よりも約13.0~16.2%高い値である。
- 100粒の重さは24.8〜27.1グラムです。種子は見た目が滑らかで明るく、種子のへそは黄色です。これは市場で需要が高い大豆の品種です。
- 草丈は40.4~60.2cm。主幹が直立して太いため倒れにくい中幹品種です。ポッドは地面から10cm以上離れています。成熟期には葉が落ちやすいので、機械による耕作や収穫に適しています。
- 乾燥タンパク質含有量(41%)は栽培品種の高雄10号よりも高く、栄養価も高く、豆乳や豆腐などの製品作りに適しています。
- うどんこ病に耐性があります。
- 欠点は、真菌感染に対する耐性が低いことです。
新しい大豆品種「台南10号」は、タンパク質含有量が40%以上で食用級である。豆腐、豆乳、醤油、味噌などに最適です。特に黄色いへその部分は味噌製造業者の間で人気があります。収穫量が多く、うどんこ病に強く、草丈が高く倒伏しにくいため、農家の栽培に有利で、収入増加にもつながります。現在、農家の作付けを促進し、国内大豆の自給率を向上させるため、種子増殖が進められている。