安倍氏国葬反対。

   



 時代が衰えてくると、訳の分からない宗教を名乗る悪徳組織が登場する。オウムも、統一教会もその一つだろう。統一教会が悪質な霊感商法的組織である事は間違いがない。たまたま反共産主義を標榜し、それを建前として、権力と結びつこうとした組織だ。

 この点で保守政権と利害が重なったに過ぎない。統一教会と安倍晋三はまったく関係がないと、統一協会側は発表したが、それは明らかに嘘だ。嘘をつかざる得ない暗闇が奥深く続いている。そうでなければ、2019年にビデオレターを受け入れるわけがない。

 統一教会は日本の保守政党に食い込み、様々な関係を構築してきた。そして最近でも、安倍氏を看板に使った霊感商法をやっていたのは明白だ。関係がないなどとは絶対に言わさない。証拠があるかどうか、ばれるかどうかは別にして、客観的な状況証拠はそろっている。

 安倍氏と統一教会には深い関わりがあったと考える方が自然だ。元総理大臣がいかがわしい宗教まがい組織にビデオメッセージを送ったのは、よほどの事情があったことと考えなければならないだろう。安倍氏にその程度の常識がないとも思えない。

 霊感商法に使われることを覚悟でビデオメッセージを送らざる得なかったのだ。その行為の危うさは十分承知しながらも、そうせざる得なかっただけの理由はあると考えなければならない。その理由は何だったのだろうか。この事が明らかにならないまま、国葬を行えば、結果的に統一教会を押し上げることになる。

 どのように考えても安倍氏は統一教会の恩恵を受けていた。安倍派の選挙なのか、あるいは資金なのか。義理があったのだ。弱みがあったとも言える。統一教会を安倍氏は利用したいと考えていたに違いない。それは統一教会だけでなく、日本の反共勢力に対して、安倍氏が取り続けてきた煮え切らない態度の原因だろう。

 その安倍氏一族の姿勢を利用して、日本の右翼勢力が鵺となって安倍晋三という虚像を作り出したのだ。武力主義の国にしたいという、日本を軍事国にしたいという意志の塊なのではないだろうか。その安倍氏がコロナ対策で嫌気を感じて、総理大臣を辞めてしまったのは、鵺にとっては痛恨の出来事であったはずだ。

 もしかしたら、前回の辞任もそうだが、鵺組織から圧力と操作がきつくなり、逃げ出した可能性も考えられる。しかし、安倍氏を利用したい圧力組織がそれでは済ませないと言うことで、岸田政権に変わり、危機を感じて安倍を又動かし始めたという動きを感じた。

 岸信介と統一教会創立者文鮮明とのふかい関係がある。ここにはアメリカの進駐軍の画策があったとされている。A級戦犯裁判で減刑を行うので、米軍に従えというのがアメリカの方針だった気がする。だから岸信介はアメリカの言いなりの総理大臣として安保改定を行った。

 文鮮明という人は日本でKCIAと協力して統一教会を広げた。そしてアメリカでも似たような活動を繰り返した。統一教会はアメリカでは最近トランプと関係を持ち安倍氏と同様にビデオメッセージを寄せている。欧米ではカルト宗教として認識 されているにもかかわらずである。

 統一教会は政治家には利用価値のある組織とみられるように動いてきた。安倍の祖父岸信介は過去密接な協力関係にあったことは事実だ。米軍資金やKCIAとの関係が言われている。今も安倍氏と統一教会が何らかの繋がりある可能性は高い。そうでなければあれほど評判の悪い統一教会にビデオメッセージは出さない。

 統一教会は文鮮明没後、後継者の争いがあり夫人が後継代表になった。しかし息子の中に別派として活動しているグループが存在する。統一協会内には様々な暗闘が続いていると言われている。その対立と今度の事件は関係していないのだろうか。想像でしか過ぎないが、どうも不自然さが際立つ。

 安倍氏は迂闊だった。あのアベ夫人の関わった安倍記念小学校事件と同じ迂闊さである。桜を見る会事件だって、犯罪ではないそうだが、身内を大量に招待するなど褒められた物ではない。そういう人間を国葬にしろと言う人が居るらしい。とんでもないことだ。殺されたことはひどいことではあるが、殉教者的に扱って貰うような人ではない。

 しかし統一教会と関係している自民党国会議員は200名を超えていたという話もある。議員秘書を統一教会は推進しているらしい。怪しげな宗教は様々な手を用いて、権力に結びつこうとする。だから、政治家は基本的に新興宗教と関わっては成らない。

 現在自民党は憲法改正に向かっているはずだ。するとどこかで安倍を神格化しようという動きが出てきても不思議ではない。憲法改正に命を捧げた人物と言うことになる。新聞社や報道も、この方向を後押しするに違いない。相当に危ないことになってきた。

 国葬は取りやめるべきだ。日本の衰退を続けた安倍政権である。許しがたい政権だと思う。その判断は殺されたからと言って少しも変わらない。どういう理由で殺されたかも、結局の所どうでも良いのだろう。国葬にしたのは憲法改定と結びついている。

 安倍氏のテロ殺害を憲法改定に利用されてはならないと言うことだ。憲法改定は静
かに冷静に判断しなければならない。ロシアのウクライナ侵攻を受けて憲法を変えるというようなことは良くない。安倍氏の彼岸だったから憲法を変えると言うことも良くない。

 憲法改定の前に、憲法裁判所の設置の是非を国会で審議すべきだ。憲法裁判所が出来れば、改定された憲法の拡大解釈が制限される。憲法判断を国会から司法に分離すべきだ。まずそこから始めないと、いくら憲法を変えたところで無駄なことになる。

 民主主義を守るためには憲法裁判所が必要だ。それは独裁政治を防ぐことでもある。国家権力も三権分立の議会制民主主義を尊重することで、独裁者の出現を防ぐことになる。安倍氏を持ち上げるところに何か、嫌なにおいを感じて成らない。

 安倍氏の評価は二分している。アベノミクスが大失敗だという声と、良くやったという評価がある。原発事故以降、再生エネルギーを日本の新規事業に転換すべきだったところを、既存利権を守ったために機会を失った。これがアベ政権の一番の失敗である。

 そして莫大な財政赤字を残した。その立て直し策も打ち出せないのが現状である。日本が周辺諸国からも遅れ始めた現実を見れば、安倍氏を評価できるはずもない。日本を先進国から脱落させた一番の責任者が安倍晋三であろう。

 外交で言えば、プーチンを調子づかせた責任をどう考えるのか。プーチンの盟友とまで発言した責任がある。日本に様々に損害を与えたのも安倍氏である。プーチンと親しかったと自慢するなら、ウクライナ侵攻を止めろと電話したのか。プーチンのウクライナ侵攻ではプーチンに連絡も取れない。弁解も批判も出来なかった。

 沖縄に暮らすものとして言わせてもらえば、沖縄を日本の防人にした責任もある。防人にするのであれば、それだけの恩恵もなければならない。沖縄の安全を守るためと言いながら、沖縄は基地負担と、中国からの攻撃の危険が増しただけだ。

 こんな安倍氏を国葬にするなどもってのほかである。あえて書いておけば、吉田茂の国葬は賛成だった。何でも自民党に反対というわけでもない。

 - Peace Cafe