コロナ感染拡大を止める唯一の方法

   

  2,3メートルを超えたオクラ。根元の幹の直径は5センチある。まだ毎日実を付けている。

 政府はコロナ感染拡大の防止策を見失っている。アベノマスクの配布と同様に、ほとんど無意味な自粛要請だけである。まるで打てる手立てが無いというような有様である。ゴーツートラベルを中止したところで、感染は収まるはずが無い。問題はコロナ出現の当初に言われたとおり、3密の回避という原則である。3密の最たるものが室内の飲食である。

 旅行をして一番不安になるのが、ホテルでの食事の場面である。これが3密で無ければ旅行自体にはまず問題は無い。ホテルが人の入れ替え時に部屋の消毒をしていなければ感染源になるが、まずまともなホテルであれば、その程度の対応はしているであろう。ホテルとしても感染者を出せば、営業できなくなるのだ。

 今の状況判断の指標は、重症者数および死亡者数に注目しなければならない。感染者数は判断の材料には成らない。死者数が50人を超えたと言うことはかなり深刻に感染が広がり始めたと言うことである。軽症と思われた人が、待避ホテルで死んだ事例はさらに判断が不十分で深刻なことだ。

 感染拡大の原因は若い人が自粛を出来なくなったのだ。自粛には限界がある。若い人の10%の人が自粛を出来なければ、他の人の自粛は効果が薄れてしまう。若い人にはコロナはたいしたことの無い病気である。自粛などしない人が10%いるのは当然のことだ。

 いくら政府や行政が自粛を呼びかけても、今の段階では効果は上がらないと考えるべきだ。その結果が勝負の3週間の、完敗に出たのである。呼びかけ方が間違っている。10%の平気で出歩き飲食をする人には、老人と濃厚接触しないことをお願いしなければならない。

 これなら、気にしない若者でもそれほどの苦痛無く出来ることだろう。誰でも出来ることで呼びかける必要がある。自粛の限界を超えたのだ。どうしても帰省などで、老人と会いたい人には、抗体検査による陰性確認をお願いする。駅や飛行場で無料あるいは格安で出来るようにすればいい。

 一方、老人には防御法を周知することだ。老人は恐れているわけだから、比較的自粛はしてくれているだろう。それでも、老人忘年会が後を絶たないようだから、もうこう言う連中は付ける薬が無い。医療体制の迷惑なのだから、徹底的に批判すべきだ。コロナ警察と言われようが、社会の迷惑が考えられない人は批判しても良い。

 もう一つ日本の医療関係の特殊事情がある。日本の死者数は世界から見れば極端に少ない。この人数で医療崩壊が言われているのだ。何という医療の手薄さか。日本の社会は安全保障体制がまるで出来ていない。軍事力よりも、医療体制の方が生活に関わる重要事項である。

 長年にわたる地方の医師不足、看護師不足がおきている。医師不足は医学部定員の抑制政策が災いしている。これは日本医師会の落ち度である。医師の過当競争を恐れて、定員増には長年反対してきたのだ。医療関係者の給与問題と、病院経営の問題は別に考えるべきだ。

 さらに深刻な問題は看護士不足である。コロナ患者20人に医師ひとりで良いとしても、看護士は60人も必要になる。他の国では日本の何十倍も重症患者がいても、医療崩壊はしない。日本の医療体制は極めて不十分な態勢だったのだ。医療関係者の善意の中に問題が隠されてしまっていた。

 看護士が増えない理由は、待遇が悪いからである。今回、どれほど看護士が重要なものであるか、日本人は確認しただろう。医師も看護師も同等の待遇であるべきだ。給与を倍増してもかまわないほど重要である。しかし、これも病院経営の観点から、抑制が働いている。政府はこれを取り払わせなければダメだ。コロナで経営が困難になったからと言って、看護士の給与を下げた病院さえある。

 こんな医療風土では看護士さんは資格があっても、早期退職してしまう。コロナパンディミックで、医療は国の安全保障だったことが、誰の目にも明らかになったことであろう。次の感染症の出現に備えて、看護士への国民の感謝が広がっているこの機会に、待遇改善を計らねばならない。

 今何をすべきである。沖縄県は一つの事例になるだろう。幸いなことに感染が落ち着いてきた。死者数重症患者数が減少を始めている。やっと3密飲食店の対策が進んできたのではないかと思われる。石垣島を見ると3密飲食店はかなり、対策が進んだと思われる。

 観光客が増えた沖縄の感染者の減少からも、ゴーツートラベルと感染拡大は直接は関係が無いことが分かる。飲食店の対策が充分に出来れば、観光客が減らないでも、対応できるものだ。特に夜の濃厚接触風俗店である。しばらくは、濃厚接触なしのお店でやって貰うしか無い。

 石垣島では半ぐれ集団による店舗が島から撤退してくれた。警察の努力が大きかったようだ。営業を続ける昔からの店舗も島の顔の見える環境の中で、3密は控えるようになってきたのではないかと想像している。歓楽街は家から遠くはないのだが、暗くなったら寝てしまうものには正確な状況は分からないが。

 同時に、旅行者が若者中心になった。若者の観光は昼間中心なのでは無いだろうか。少し前まであった、おじさんたちの集団感染は起きなくなった。さすがに、旅の恥はかきすてツアーは無くなったのだろう。感染経路不明のかなりの割合が、こうした風俗営業関連ではないかと想像できる。いずれ飲食店の感染対策はかなり進んだのだろう。

 小さな島では全体が顔の見える関係だ。抑えるところが抑えられれば、感染は広がらない。ここ3週間で1人だけだったと記憶している。その人も県外で感染して戻った人だった。もちろん、感染の可能性が下がったわけでは無い。

 コロナの感染による医療崩壊を避ける唯一の方法は、老人の隔離である。若者が老人に会わないことだ。特に、自粛できない若者は老人との接触だけはしないで貰いたい。旅行も、飲食も、するのもかまわないが、老人とは会わないようにしてもらいたい。

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