米中経済戦争で株の暴落が始まるか。

   

 

  株価というものは人間の欲望が表現されたもののような気がしてならない。投資をして、利益を上げようという、不労所得の代表的なものだろう。賭博と同類と考えてもいい。カジノをわざわざ始めようという世の中だから、株式市場は経済優先社会を反映しているものなのだろう。

 世界の欲望が表現されて上がり下がりしている。だから、株価というものは上がれあがれ、という卑しい思いに満ちている。下がるのは不安な現実の反映である。下がるとまたぞろ、恐る恐る上がり始める。株式相場は欲望の反映である。

 株に溺れている友人から、笹村のおかげでもうけたとお礼をして貰ったことがある。言うとおりしないので大損したと言われたこともある。私は株をやらないから、やっている人よりは株価を冷静に動きを見ているのかもしれない。

 米中経済戦争、が株価の下落を示し始めた。交渉状況が硬直を始めている。解決の可能性が見えない。前に5年は続くだろうと書いたが、5年後は資本主義の様相が変わっているのかもしれない。競争主義が人間の心をむしばみ、滅びの時代に入るのかもしれない。

 米中の対立は中国が経済成長をして、アメリカに対抗しうるところに近づいてきたからだろう。中国は経済を急成長させたが、後進国的有利さを捨てようとしない。しかも、国家資本主義と言うような、独特の従来には無い経営を成功させている。中国では企業形態が他の国とはまるで違う。

 アメリカは一番で無ければいられない国なのだ。しかも、自由競争こそ強いものを生み出す。その勝者こそ正義だと考えている。自分たちよりも強い国が存在するとすれば、その国が自由競争ではなく、何か卑劣なことをしていると決めつけ考える国である。

 アメリカは軍事力で世界を圧倒することで、初めて安心を得ることができる国になった。北朝鮮がアメリカまで届く核弾頭を保有しかねないとなったときに、アメリカの顔色が変わった。今や、アメリカまで届かない核弾頭ぐらいならいいだろうぐの豹変した態度である。

 中国は大国である。北朝鮮のようなわけにはゆかない。経済成長速度ではアメリカを凌駕している。このまま行けば、20年後の国力ではアメリカを追い越している可能性もある。この状況の変化で、余裕を失ったアメリカは世界の警察官から、アメリカ一国主義へと変わったのではないか。

 アメリカは中国を今のうちに蹴落とそうとしているのだ。これ以上時間が経過すると、もうたたけないと考えるギリギリの所にいるのだろう。要するに、資本主義の戦いである。競争には勝たないとならないという、金儲けのためには戦争も辞さない考え方なのだ。

 日本はアメリカから、中国に乗り換えるほか道は無い。多分、多くのめざとい資本家たちはそう考え始めているのでは無いだろうか。長年、中国仮想敵国を掲げるアベ政権も、ずいぶんと態度を変え始めている。

 資本主義は金の匂いを追い求めて、どこにでもなびく。理念とか、理想主義と言うものを持たない。米中経済戦争の行方をそんな気持で、投資家は読んでいるはずだ。アベ政権は競争のおこぼれに血なまこになっているかのようだ。

 株の投資家は戦争の敵であろうが、儲かりそうな方向に動くに過ぎない。その投資家達が、いよいよ状況が悪いところに来たと考え始めたようだ。それが日本の株の下落になっている。年金資金の株式投資の損出は、年金制度そのものを破綻させるかもしれない。

 もし私が投資というものを考えることがあるとしたら、自分自身へである。自分という存在が一番信頼できるし、投資結果がないとしても納得行くからである。私が私に投資したのは幾ばくかのお金と、人生という労働の価値である。

 おかげで楽しく充実したここまでである。やりたいことをやりたいだけやるという、ありがたい日々を送らせて貰った。父と母のおかげではあるが、方角を間違えなかったと言うこともある。良い投資をしたものだ。健康な体と、健全な精神を貰うことができた。まずは70までは、体を使って生きる充実感を知ることができた。

 この先10年絵を描くことができたらば、この方角と、この投資が間違っていなかったと言うことになる。大満足である。10年の歳月絵を描いて、私絵画の結論を見たいものだ。もし今寿命が尽きたとしても、元は取ったと言うことだろう。10年描くことができれば、かなりの利潤になる。

 株価というものには解説者がいる。上がろうが下がろうが、必ずもっともらしい能書きを垂れるところが面白い。株価暴落時に急騰を狙える株はなにか。等と諦めが悪い。ブラックマンディー、バブル崩壊、ITバブル崩壊、リーマンショックと言うようなものが暴落には名前がある。資本主義にとって、米中経済戦争はそれ以上の場面である。

 しかし、株価は米中戦争の中でも、もしやもしやで値上りしてほしいの願望が働くから、値上りの要因を探す。そして、屋上屋の梯子段で、上り詰めて暴落を繰り返す。トランプアメリカと中国の経済合意ができる。という方に期待の値上がりをして、話がつかなければ、暴落。だから、株価は世界の動向を表しているというより、人間の欲望を表している。


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