小田原 保護 舐めんな
全く申し訳の立たないことになった。職員のジャンパーにひどいことが書かれているとは気付かなかった。小田原市の福祉の職員が差別の服を着用していたのだ。10年間気付かなかった。小田原市役所内部ではどの程度の人が認識していたのだろうか。私は気づかなかった。新聞記者は気づかなかったのか。市会議員なども気付かなかったのだろうか。市の職員ではどのくらいの人が知っていたことなのか。このジャンパー問題が起こった、庁内全体の考え方を徹底調査する必要がある。そして、何故こんなことが実行されて、異論が起きずに実行できたのか。容認されるような空気が小田原市役所に存在した原因を調査しなければならない。64人の人が着用していたのだから、広く合意があったはずだ。そして、それは10年間申し送りされていた。つまり小田原市役所全体の意識を反映しているとしなければならない。この意識の根底からの変革につながらなければ、市役所は良くならない。
神奈川県小田原市で2007年以降、生活保護受給者の自立支援を担当する市職員ら64人が、英語で「不正受給はクズだ」などと背面にプリントされたジャンパーをそれぞれ自費で作り、勤務中に着用していたことが分かった。市が17日発表した。左胸部分には「HOGO NAMENNA」、保護なめんなと読めるエンブレムも付いており、一部の職員はジャンパーを着たまま受給者宅を訪れていた。
市は同日までに使用を禁止し、担当部長ら7人を厳重注意処分とした。
市によると、07年7月、生活保護の受給資格を失った男が同市役所で、職員2人をカッターナイフで切り付けた事件を機に作った。(共同)
個々の福祉課の職員を責める気にはなれない。接してきた範囲ではよくやられていると思ったことも多かった。行政職員の限界という事は感じたがそれなりの対応はいしていた。こんなジャンパーを作った気持ちの背景には、表面的には慇懃無礼に、ケチの付かないように対応をしたという事になる。こんな服を着なければ、やってられない気持ちにさせた全体の問題ではなかろうか。そこに追い込んだのは行政全体の状況であり、私のような市民の無言の圧力もあったと言わざる得ない。生活保護費の不正受給、増加する保護費。そしてそのことで市民から責められる状況。何といっても罪が重いのは行政の責任者であろう。今回も他人事のようなコメントで済ませている加藤市長である。この鬱屈した市役所内のジャンパーを生み出す空気に気づいていたのだろうか。まず10年間見過ごした罪を詫びる必要がある。それは、福祉課の着せられていた職員と、受給者に対してが一番である。そして、このような行政の空気を、何が作り出していたのかの原因の究明である。
なんとなくあのジャンパーは見ていた。しかし何が書いてあるのかなどは分からなかった。英語で書いているところが悪質である。にもかかわらず保護課の職員の内部から、こんなジャンパーはおかしいという声が出なかったというところに、深い闇がある。以前、自宅に生活保護課の職員が来るのでノイローゼになると、訴えていた受給者がいた。家に来るのは職員の義務だから来る前に連絡を入れてもらおうとか、話した私が、ひどいことをしていたことになる。あのジャンパーに見られるように、受給者に対しては犯罪者対応だったのだろう。受給申請者に対しては、警察の尋問のような接し方であったのは確かだ。生活保護者が増加を続ける社会が問題の根源。小田原は今回の事件で日本中に恥ずかしいことになった。それは小田原市民である私も見過ごしてきた責任がある。だから責めるわけにはいかないともいえない。行政に対して、抗議の声を市民全体が上げなくてはならない。このままやり過ごせば、さらに罪の重いことになる。
仕事量が生活保護関係は仕事量が増加しているのだろう。にもかかわらず、人員の増加がないに違いない。それが、このような独りよがりの、相手側に立てない対応をしてしまった原因と思われる。この機会に担当職員の増員を計ったらどうだろうか。