木鼓23号24号25号
70㎝タイプ。
木鼓のほぼ最終形の3作品をつくった。制作は当面これで終わりである。大、中、小である。私の結論としては、木鼓は大きければ大きいほど良い音がする。良いというのは言い過ぎかもわからないが、私の好みの音がする。つまり森の音である。木の心を伝えるような音。ただ大きすぎるものは移動もできないので、そこそこの大きさで我慢するしかない。それで、横幅が70㎝タイプが良い音がして一番小さいサイズではないかというのが、今のところの結論である。何とかそこそこの音を探して、55,40と考えた。やはり70が良い音の最小形であると思う。三線の棹作りでもそのようなことを聞いたことがある。木の響きには良く共鳴する長さの限度があるのかもしれない。三線は中国では100㎝はあり、それが沖縄で短くなった。たぶん音の良さを維持しながら短くする限界が70当たりだったのだろう。それがまた、三味線や津軽三味線ではまた長くなる。楽器作りのこういうところが面白い。私の木鼓作りはそんな高級なものではないのだが、私なりの目指すところはある。
55㎝タイプ
40㎝で良い音が出ればと思い様々な工夫をしてみた。まあまあの音になった少し鋭い音である。切れが良いともいえる。音の奥行きの点で少し物足りない感もある。マレットで敲く分にはこの大きさでも大丈夫かもしれない。マットも様々で毛糸を硬く巻き付けて作ったマレットだと、たいていのものは良い音に聞こえる。然し手で敲くようなニュアンスは出にくい。手で敲くと自分の間隔がじかに伝わるようでいい。それでも置いておいても邪魔にならないし、40センチぐらいが普及するサイズなのかもしれない。飾っておいて見た目にも良いのが40センチサイズである。また演奏というか楽器としてはこのくらいなのかもしれない。
40㎝タイプ
木の厚みでも音は違ってくる。20ミリ前後が面白いと思うが、10ミリの音も当然ある。全体のバランスだろう。樹種によっても木の厚みは変えたほうがいいようだ。パドックの場合ひいきが良いので厚めで作れるともいえる。厚い板の場合中で厚みの調整をする。裏側で調整をして音を整える。