田んぼ勉強会

   

農の会の有機農業における、緑肥利用の稲作農業の実証圃研究。この事業は国の補助金をいただいて行っているものである。農の会では有機農業で畝取りを達している複数の田んぼがある。全国的に見ても平均以上の収量である。その理由は緑肥利用にあると思わる。それを安定した広く利用できる技術に整理してゆきたいと考えている。

年に1度か2度は田んぼ勉強会を行う。農業は技術である。特に伝統農業を行う以上、技術を磨かなければ継続ができない。循環をする永続農業はとても難しいものだ。しかも、周辺農家より収量を上げなければ、すべての面で了解が得られないのが、市民活動としての、自給農業である。いつもの年は、田んぼが始まり、生育状況の比較研究という事で田んぼを見ながら勉強会を行う。今年は、田んぼの土壌調査を行ったので、その結果に基づいて勉強をする。土壌の分析は農協を通して、神奈川県農業技術センターにお願いした。そこで、その分析表をどのように見ればいいのかをお伺いして教えてもらえないかとお願いした。田んぼを見ながらでなければ指導は難しいという事で、田んぼに来てくれることになった。本当にありがたいことだ。おとといは神奈川県に対して悪態をついたばかりで、手のひらを返したようにお世話になる。少し後ろめたいというか、恥ずかしいところだが。

研究者は心底尊敬している。また、憧れの存在である。来てくれたのは神奈川県 農業技術センター の岡野英明さんである。岡野さんの説明は分かりやすく参考になることが沢山あった。また、遠路井上駿さんも来てくれた。有機の里づくり協議会の渡辺さんも来てくれた。3人のお話を一度に伺えたことはとても参考の居なった。そのほか農の会のメンバーが7名が参加。今後やってみたらどうかという課題。昨秋撒いた、緑肥が伸び始めているところである。クローバーやレンゲはまずまず良い状態。また、耕しても耕さないでも発芽は大差がなかった。水が溜まることが発芽には良くないことはどの田んぼにも見られた。また、種を蒔かずに緑肥が再生した田んぼもあった。緑肥は種まき直後の天候でずいぶん成育が変わるようだ。今年も緑肥は平均的な生育の状態である。

1、同じ田んぼで、土壌採集の場所を変えてみる。2、時期を変えてみる。4月ごろと、9月ごろ。3、継続して変化を見てみる。4、土壌に小松菜を撒いて、試験をしてみる。5、緑肥の効果が出る時期のコントロール。6、田んぼへの入水を分析してみる必要がある。7、秋落ちになる原因は穂肥不足、有機農業では穂肥になる糠を出穂30日前に行ったらどうか。8、落ち葉堆肥を入れたらどうか。

今回の勉強会のテーマは緑肥栽培の問題点と腐植量と田んぼ技術の関係である。経験的には緑肥栽培が収量の増加に影響していることは感じている。緑肥栽培が土壌にどのような影響を与えるか。緑肥の栽培技術の確立も課題である。なかなか安定しない。全くできない田んぼもある。栽培を安定し、どのような気候であっても対応力をつけるためには、土壌を改善してゆくことだと考えている。その為に、土壌分析が何か役立つだろうと考えている。しかしその観点は肥料成分で考える慣行農法とは違う。今回一番着目しているのは腐食量である。ただ、腐植量を測定するという事はとても難しいことではないかと。腐植の量は土の採取の方法が影響してくる。採取方法を統一しなければならない。細かくふるいにかける必要がある。植物の混入がないように取ること。腐植量は2以上という意味は分からないが、たぶん土壌に2%以上の腐植分があればいいという事。とすると、5を超えた数字という事は、大きいと思える。5が意味が有るかもわからない。

収量との関係は田んぼごとの耕作方法の違いもあるから、土壌分析だけではよく分からないことが多いい。成分の量の大きさよりも、成分の均衡がとれていることが大切である。形にへこみがあると問題があると考えれればよいとのこと。ところが農の会の田んぼで唯一問題があると言われた、子ノ神田んぼは、日照条件も一番悪いのに、収量は農の会で一番よい。10俵を超えている。何故だろうか。この田んぼが良いと思われるのは腐食位である。腐植が良いという事は、やはり意味が有るのだろうか。今後の課題である。緑肥を良く育てる方法は、田んぼの状態や気象条件で違うので、一般的に良い栽培方法という形で考えてもあまり意味はない。むしろその田んぼで試行錯誤しながら、上手く栽培できる方法を見つけるしかない。思い出しても笑ってしまうのは、稲作は気力と根性である。という話は納得だとみんなが話した。実は地力と根の状態のことだった。

 

 - 3月, あしがら農の会, 稲作, 緑肥