農家のアパート経営

   

小田原の農家の方でアパートや駐車場経営されている方はかなりいる。農家は土地というものを大切な資産と考える傾向がある。土地に密着して生きる人だからだろう。余裕のある農家が様々な機会に土地を手に入れて置くことは珍しくない。その土地を農地として管理しておくという事が出来る。経営者感覚のある人なら、農業者という有利さを生かして、宅地化して値上がりをした土地を転売して、さらに将来性のある農地を手に入れておくという事もあるだろう。最近ある小田原の建設会社の社長が2億5千万円の仕事の話をしてくれた。年齢も70になって最後の仕事だと考えているというのだ。このお金は借りるのだそうだ。黙って聞いていたが、確実に儲かる話なので場所など細かいことは言えないという事だ。銀行の方でお金を貸してくれるという事らしい。これが日銀のマイナス金利の即効性のようだ。銀行がバブルを作り出した時代を思い出した。

時代の読みが完全に違っている。物価の上がらない時代なのだ。その建設会社ではアパート経営をやろうというのである。場所が良いので間違いなく借り手がいる。だから、銀行からお金を低金利で借りれる今ならば、土地を買い家を建てたとしても、確実に利益の上がる計算になると目を輝かせていた。土地はかなり下がり切っている。30万だったものが15万になっている。一瞬30年前に戻ったようだった気になった。30年前と大きく違うのは人口減少化時代に、もう家はいらないという事だ。30年前は何でも上がってゆく時代である。土地を購入して家を建て、その家を売って、もう少し良い場所に移転する。それを繰り返して資産家になるという人が現実にいた。そういう高度成長時代に人口減少期に入る30年後を見ることができた人は少なかったと思う。だからバブルが起きたのだろう。

30年後どうなるかである。1億人以下の人口になる。一部の都会には人口が集中している。地域社会が成立しない地域が日本の国土のかなりの地域に及んでる。所得格差は今の数倍になり、一部富裕層と貧困層の階級社会は出来上がり、社会の成り立ちまで変わっているだろう。そのように考えたうえで、今何をすべきかを考えた方が良い。投資するなら自分にすべきである。韓国や中国と同じことで子供に投資するという事が、少ない可能性に賭ける道になる。と言っても子供への投資は、通り一遍の高学歴では可能性が低い。学校で学ぶものは過去の常識である。いまだかつてないものを生み出す能力以外、無用になる。ロボットに可能なことをやる人間は、下積みの社会。土地やら物に投資しても、崩壊が待っているとみなければならない。30年後は見れないかもしれないがまず間違いないだろう。格差の少ない社会にゆる戻し化が起こるとも思えない。

自立した人間が自給生活を行うにはよい時代が来る。農業センサスを読むとよく分かる。農家は毎年3%減少している。30年これが続けばほぼ農家はなくなるという事になる。政府が農家を軽視するわけである。どこにでも土地があり、家がある時代がくる。自給的農家をやろうなどという人は増えても3%未満である。300万人以下である。100万家族と見て置けばいい。無視してもらえる数である。農業企業が生き残り、条件の良い農地で外国人労働者を雇用して農業をしていることだろう。100万家族が日本中のどこにでも点在して、自給的生活をしている状態。神奈川県なら数千軒と見ればいい。神奈川県では農地を所有しているが農業をしていない農家数だけで、8千軒ある。耕作放棄地面積が2、588ヘクタール。ここには5年程度放棄され山に戻ったところは入っていない。すぐに農地として使える放棄面積である。夢のような時代が待っている。

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