沖縄知事選の結果

   

曽我の梅林 中盤全紙 梅の花を見るというよりは、つい畑としての梅の木を見てしまう。曽我山の上の方や、沼代の方にあるとり残されたような梅林が、なかなか良い。

以前、このブログでも書いたように、辺野古基地移設反対の翁長雄志氏が現職知事仲井真弘多氏に対して、を36万票対26万票という、大差を持って当選した。全体でみれば公明党票がどちらに向かうかで、投票結果は決まるのである。今回は、公明党もさすがに、自民党支持はできなかった。自民党は公明党に対して、迫る衆議院選挙を思い、深刻な思いでいるだろう。何を公明党と約束するかである。憲法改定や、靖国参拝についても、公明党の意見を無視はできないという事を、しみじみ感じているだろう。沖縄の知事選挙は、翁長氏側も、仲井間氏側も、沖縄のアイデンティティーという事を語っていた。沖縄と日本の関係が選挙で語られるという、価値ある選挙であった。日本全体が、考えてみる必要があることだ。小田原市民のアイデンティティーは何か。もう問うことすらできないテーマである。この事一つでも、沖縄がかけがえのない地域である事が分かる。当落を掛けた本音の主張に、沖縄のアイデンティティーを問いかける地域なのだ。

仲井真現職知事が、沖縄が守らなければならないものを、守ったのか、あるいは捨てたのか。この判断が争点である。確かに沖縄の経済開発計画を政府から勝ち取った。名護市長選挙の時も、北部開発計画の基金とか、鉄道の敷設とか、政府は経済支援を主張した。そして自分達が押し出した候補が落選したときに、自民党はその計画を撤回した。今回も、仲井真知事に約束した沖縄支援計画は、翁長新知事に対して、撤回するのだろう。多分辺野古を埋め立て計画を受け入れないなら、沖縄への政府案はすべて撤回するというような、ゆさぶりを掛ける。近づく衆議院選挙の争点にしようとするだろう。ここでも公明党の動向である。政府はそんなことの前に、沖縄との約束の基地負担の軽減をどう実現するかである。口先だけではだめだ。具体的に、米軍基地負担を全国に均等に負担させることだ。嫌な軍事基地を、沖縄だけに押し付けているという構図だけは、絶対に解消しなければならない。それは、沖縄返還以降の日本人全体の、利己的なだらしなさを表している。

次の、衆議院選挙も同じ事である。公明党票が転ぶ候補が、当選する可能性が高いのである。例えば、私の住んでいる地域は、神奈川県17区である。現職が自民党の牧島かれん氏、前職が民主党の神山洋介氏この2人の選挙になる可能性が高い。しかし、対立軸はない。両者とも政治的主張は、個人的なものはほとんどない。公明党も牧島氏支持という事だろう。このままでは、大差で牧島氏の再選である。しかし、この地区でも自民党の支持の有権者は30%台だ。牧島氏は実にこまめに、地域回りはしているが、政治的主張はホームページにあるが、ありきたりのもので特徴はない。神山氏に至っては、最近活動が停滞しているし、ホームページすら停止中である。こんな沈滞した政治的状況を作り出したのは、小選挙区の弊害ではないだろうか。当選の可能性のない神山氏は立候補を取りやめて、野党統一候補を出すべきである。

安倍政権の主張は市場主義経済である。アベノミックスは能力主義を徹底して、頑張った人が、恩恵を受けるべきだという考えである。その考え方が通用するのは、経済が拡大再生産されている時だ。現状の日本経済の様に停滞している中で、能力主義を徹底しようとすれば、格差が拡大して行く事になる。全体のパイの大きさは変わらない中で、あるいは小さくなっている中で、多く取るものが表れるという事は、必ず弱いものはより苦しい状況に陥る。資本や資産を多くもつものは、その利益を拡大して行くが、その分持たない者は、その価値である労働力を絞り取られてゆく事になる。これは、安倍政権が世界の市場経済に視点を向ければ向けるほど、国内の格差は拡大せざる得ない状況なのだ。競争の原理というものは、単純にそれ以外にない。今回沖縄の知事選挙で問われた事は、沖縄も日本の横行に載せられたままで、いいのかという事だ。沖縄の基地問題は、アベノミックスと同じ事だと思う。弱者が我慢させられる。それでは、沖縄全体に未来が無い。このように沖縄県民は判断した。

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