中国の赤珊瑚の密漁
上の畑の眺め 中盤全紙 杏の花が咲いている。畑とも思えない状況だが、美しい場所である。
小笠原諸島近海に中国からの赤珊瑚漁の200隻といわれる漁船団が、いまだたむろしている。日本の排他的経済水域にある赤珊瑚を密漁しようと、張り付いている。赤珊瑚は中国の提案で、ワシントン条約の3類になっている。取引には原産地の証明が必要なものだ。背景には中国の富裕層が買い求めるために、赤珊瑚の高騰がある。あんなものがいいというのが、まったく理解しがたい。日本でもその為に、高知湾の赤珊瑚漁が盛んになり、珊瑚漁に転換する漁船が多数存在する。高知湾では資源保護という事で、珊瑚の生態研究を含め、どう管理して行けば良いのかの議論が現在でも進められている。小笠原近海では、今回大船団が来たという事で注目されたが、以前から中国で出回っている赤珊瑚は日本産が当たり前になっていた。赤珊瑚を密漁するのは論外であるが、資源保護という観点なしに、野生動物を乱獲するという事を全体に見直す必要がある。それは日中両国ともである。
何故このような蛮行を中国政府は止めないのだろうか。こんな犯罪行為を止められないのが、今の中国政府と考えた方がいいのかもしれない。香港の学生デモへの膠着状態をみても、政府の統治能力の低下は目立っている。その原因と言えば、中国人の多様性である。中国人は本来上からの権力に支配されにくい民族だと思う。紅衛兵の一辺倒も時が過ぎれば、変わり玉のように変化する。あの天安門事件が跡形もなく消え去る国である。現代の毛沢東を思い起こさせるような、習近平独裁的政権。しかし、内実を考えてみると、独裁者をまねしているだけの尻抜け感がある。その点安倍氏と同じである。安倍氏が実は木偶人形ではないかと、思えて仕方が無い時がある。同じ人間が全く価値観の異なる考えを、しかも違う論調で、とうとうと述べる時だ。言わされている感がどうしてもぬぐえない。それは、実は朴ウネ氏も似ている。そういえば、3者ともお父さんが政治権力の有力者である。政治の利用の仕方を熟知しているのだろう。
周近平氏は大子党という事だがよくは知らない。周氏も権力者にあこがれのある人なのかもしれない。中国は韓国よりも危うい状況にある気がしてきた。大した根拠はないが、赤珊瑚泥棒を見てそう思った。中国政府の利益には全くならない事が、中国政府には賢明な判断が出来ない状況なのだ。内部に分裂が隠されているかもしれない。少なくとも政府の中に、赤珊瑚泥棒と繋がっている人もいるかのように思わせるふしさえある。世界の異端である。ある意味イスラム国や北朝鮮と大して変わらない、政府支配体制の混乱が見えてくる。中国の跳ね返りが尖閣に上陸してきても慌てないことだ。中国の先鋭化の原因は経済見通しの悪さである。すべての矛盾も、経済成長の中に紛れ込んできたのが中国である。黒猫、白猫の善悪も経済成長さえできればどうでもよかったという事だろう。そして、中国の生活改善は日本の比ではなかった。30年前の中国と、10年前の中国はまるで違った。多分今はそれ以上に違うのだろう。
中国の賃金が上がったという事だ。中国への工場の進出はさしたる有利さが無くなった。中国への進出目的は大消費者への販売対象となった。韓国の大企業は工場をいまさら中国に作ると言って、周、朴の友好関係を作りだしたが、溺れかかって泥船に頼ったような事になるだろう。しかし中国が、日本や韓国と違うのは、豹変する所である。何処かのタイミングで、大きく変わる可能性がある。日本の政治家には、ここは是非とも我慢してもらいたい。日本の未来を思って亡くなられた英霊ならその我慢の理由くらいわかってくれるはずだ。これから、日中韓3者3様に世界経済の波にほんろうされるだろう。そして、いずれ沈没する。それは新自由主義経済というものの行き着く先である。大きな世界史の流れを考えれば、市場主義経済の限界が近付いているという事がある。アメリカの様に資源大国であれば、国内に戻れば済むのであろうが、日本、中国、韓国のアジアの3兄弟は角突き合わせていたのでは、悲惨な沈没が待つだけになる。どうやって互いを補い、安定を模索するか。それこそが、大東亜共栄圏なのではないか。