久野にイオンが来る

   

久野の日本たばこの工場跡地8ヘクタールを、イオンが購入したという記事が神奈川新聞に出ていた。秦野もJT跡地にイオンが出来たのだから、小田原もそうだろうとは言われていた。シティーモールが出来てあの地域の売り上げが、小田原駅周辺の商店街の売り上げと同じくらいと、報道されたことがあった。もし、ショッピングセンターのようなものが出来るとすれば、小田原の商店街はさらに苦しくなるだろう。これが、国際競争力のある社会の現実である。競争の原理が徹底して行けば、強者はより強くなり、弱者はより弱くなる。それが自由競争の姿である。2000年には、ダイナシティWESTの核店舗として小田原にロビンソンデパートが来た。宇都宮まで見学に行った。今宇都宮にロビンソンはない。ロビンソンデパート全体も、今は西武に変わった。商業が大きく変わるなか、激しい競争をしながらデパートも展開しているのだろう。今回の、イオンの進出が実際どうなるかは分からないが、人口減少傾向の中で、小田原に商業施設を計画するのだから、その分既存の商店街の売り上げが減少することは間違いがない。

周辺には、いくつかの中規模のスーパーがある。イオン系列の、マックスバリューもある。これらの店舗が一番影響が強いだろう。交通量の問題がある。穴辺方向に抜ける道路整備のトンネルが出来るということらしい。秦野にもイオンがある。平成7年、日本たばこ産業秦野工場跡地に開業した。面積は4,7ヘクタール。現在はイオンリテール(株)が直営する「イオン秦野店」と、「イオン秦野店専門店会」に加盟する約100店舗のテナントが営業している。全く住宅地の中だったために、出店については交通のことが問題になった。246号の幹線道路からの導入経路が整っていない。迷路のようになっていて、これで大丈夫なのかと最初は思った。今はそれなりに落ち着いてきた感じがする。秦野のイオンもそれなりににぎわっているのだろう。営業の内容はわからないが、賃貸しをしているような感じだ。何度も不振が言われて、専門店が入れ替わり、リニューアルされている。しかし継続して賃貸はされているし、この夏大きな改装が終わった。

国内の大企業の競争力が強く、地元の中小の企業が圧迫されてゆく。今の時代の止め様もない流れである。小田原でも、市長がイオンの進出を反対をしているという噂であった。市がかかわっている駅地下の再店舗化は、至急取り辞めるべきだ。もしこんなことをやれば、税金が無駄になるだけだ。市民にとって商品が買えるのであれば、大企業も地元商店も同じである。商売を行政にはできない。秦野イオンの変遷を十分に研究しなければならない。生半可なことで、商業施設の経営など出来ない。イオンは相当に秦野で苦労しているはずだ。それでもさらに小田原に出店しようとしている。真剣に駅周辺の商業を検討した結果にちがいない。小田原の商店街を調査して、勝算があるから出るのだろう。

新しいショッピィングモールが出来れば、地元の住民は買い物は便利になるのだろう。ネットショッピングに連動した、配達もするようになるのだろう。食事も楽しめるような、それなりの店舗が出店するのかもしれない。ウインドショッピングを楽しむこともできるのかもしれない。勤め先も増えるかもしれない。すでに、久野の地価は下がらないようだとも聞いた。舟原地区に住宅が増えるのは、こういうことが関連しているのかもしれない。確かに、市役所、私立病院、合同庁舎、警察署、ショッピングモールと久野周辺にそろい、小田急線の足柄駅まで遠くない。小田急線にとっても悪い話ではないのだろう。改札口もこれで裏表が変わるかもしれない。足元を見れば地域経済の問題である。強いものが勝利して行くというだけでいいのかである。農業と構図は何も変わらない。国際競争力を、地元の商店に求めるということが、無意味なのであるが、それが現実に起きている。自由主義経済の公正な競争を見直さなければならない。

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