自給の手植え苗作り

   


田植え後、ソバカスを播いたところ


苗代5週目の様子

今年の苗作りは、自給の手植え苗作りとしてはとてもうまくいった。これから消え去りそうな技術でもあるので、記録して来年以降につなげたいと思う。6週間の5葉期苗の苗床育苗法である。1、種もみの選び方 2、籾洗いから川での浸種 3、苗土の作り方 4、苗床の作り方 5、保温ビニールの使い方 6、苗床の水管理 7、セルトレーの置き方 8、セルトレーの播種法 などこれからの為に整理して置きたい。

1、秋に種もみをどのように採取し保存して置くか。
田んぼの中の中出来な、ごく一般的なところから採取する。3反のために、10キロほど別刈りして置く。特に良く出来たところから採取しない。と言って、田んぼの中でも不出来なところからも採取しない。ごく平均的なところから採取する。理由は、自家採種して行く中で、大失敗しないためである。特別に良く出来たところというのは、確かに魅力はある。しかし、何かがばらついた可能性もある。いいとこ取りを続けて居た結果、収穫期がずれてしまった経験がある。ごく平均的なところが結局は安全ということ。天才の子供はどうなるか分からない。凡人こそ人類。

2、籾洗いから川での浸種
籾洗いは春分の日に海水で行う。海水に出会うことで目覚めを呼ぶ。海水は普通の塩水選よりも濃度は薄い。それでも浮いてしまう籾もある。そして、久野川の上流の安全なところの流れ水にさらしておいた。野菜ネット3つに分けて、2重にして縛っておく。1ヶ月の間には大雨もあるので、毎日泥を流してよく洗う。全くの清流のように見えるのだが、毎日洗っても泥がたまる状態である。の水温は年によって高いこともあるので、14度以下になるように注意する。低ければ低いほどいい。それで1カ月付けて置く。

3、苗土の作り方
288穴のセルトレー播きなので、それほど苗土にこだわる必要はないが、よい苗土であるに越したことはない。苗土は春分の日の3月20日に山土をふるって、1坪ほどの小山にして米糠1袋を混ぜてブルーシートをかけて置いた。その2週間後真っ白い山になっているのを確認して、ほぐしながらよく掻き混ぜる。さらに、1週間後以降、白いカビが出たら、攪拌する。そのときに、そばがら堆肥4分の1、籾がらくん炭を4分の1加えて、山にして1週間したら完成。

4、苗床の作り方
苗床は水温を高めることが重要。一枚上の田んぼを代かきして水を溜めて、温たまった水を苗代に入れるようにする。苗代は全体を代かきをする。水漏れがないように丁寧な田んぼ作りをすることが大切である。出来る限り水平に均す。苗代にする予定の田んぼには、冬の間に2度養鶏場の発酵床を入れる。同時に前年の藁を堆肥になるように積んでおき、粗起こしの前に全面に散布する。もう一度養鶏場の発酵床を播く。3畝ほどの苗代に対して、30袋の床材を播くことになる。この作業は3月中に行い、セルトレーを置く前日にもう一度代かきをする。

5、保温ビニールの使い方
保温ビニールは気候によりことなるが、小田原では穴あきビニールが一番よい。穴のサイズは、45ミリのものでいいと思われるが、スズメのがいが心配な場合は、もう少し小さいものが良い。野菜の保温トンネルと同じ仕様で良いが、大きさは余裕のある大きめのものが良い。周囲は田んぼの土の中にしっかりと埋め込んでおく。しかし、ところどころ水が行き来できるように土を掘っておく。

6、苗床の水管理 
苗床は水位を自由に変えられることが重要である。水温は高いときで40度近くなる。低いと20度以下になる。水位は初期は浅くするが、乾いているところが無いようにする。乾きがあれば、一度深くしてまた落とす。水やりの感覚。一定発芽したところで深くして行く。深くすれば余計な種が発芽しないでくれる。一穴2本立ち位が良い。3粒播きと言ってもとても多く蒔く人もいる。水位は深くして、今度は水がなくなるのを待ってまた入れるということを繰り返すように管理する。二葉期を過ぎたころから徐々にセルトレーのぎりぎりまで水を溜める。その後はときには水を抜きながら、セルトレーいっぱいの水位にしておく。

7、セルトレーの置き方
苗代は出来る限り水平。前日に代かきをして水を抜いておく。深すぎ、柔らかすぎだと苗箱を置くことが出来ない。トレーの間に少し隙間を空けながら、置いてゆく、くっつけると水の廻りが良くない。苗にとって少しでも余裕がある方がいい。全部が置き終わったら、コンパネを載せてさらに4人が乗って密着させてゆく。この時水平を崩さないように密着させる。

8、セルトレーの播種法
種まきの24時間前に水から引き揚げる。外気に出している間にわずかに芽が動いて鳩胸状態になる。外はとても寒い日で、10度ぐらいまでしか上がらない日だった。種まき当日も寒い日だったので、このタイミングで川から引き揚げた。少し広げて、播きやすい状態まで乾くようにする。

昨日の自給作業:ソラマメ、ビワの収穫1時間 累計時間:10時間

 - 稲作