B層狙いの選挙
自民党優勢が伝えられている。自民党はマーケティング選挙を実行している。このやり方が今の所成功している。小泉郵政選挙の時に、B層狙いで成功したと分析されている。ひどい話なのだが、選挙の場合は、当選するためには、特定の層にだけ働きかけることが有効であるとする。その層がB層と言う事になるそうだ。ラジオで聞いて腹が立ったので、書けば不愉快になるのだが、B層とはIQの比較的高くない層のことだ。具体的に言えば、主婦層、若年層、シルバー(団塊世代以上の人)層とある。この層をめがけて、イメージ戦略を展開する。ひどい分析であるが、勝利のための戦略として、自民党の成功事例になっている。なるほどと思うのは、自民党は日銀批判を突然始めた。これに対して、経済の専門家は、経済は政策全体で動く、世界経済との関連もある、問題はそれほど単純ではないと、賛否が分かれる。
しかし、B層の人は単純に、日銀がおかしいから日本経済は落ち込んだ。どんどんお札を印刷すれば、デフレ脱却が出来る。中学生でもわかることだと言う事になる。そう言う反応をしてくれる層をB層というらしい。これは私の考えではなく、自民党の分析のようだ。確かにテレビは視聴率を狙うために、小学生向きになっている。チャンネル権が子供にあるということなのだろう。小選挙区の選挙は長年、アメリカで行われてきた。その経験からどこをどう押せばどう票につながるのかと言う、選挙手法が徹底研究されている。その結果をいち早く取り入れたのが、小泉郵政選挙だそうだ。というか、電通である。今回の選挙では、候補者数が多い。一人しか当選しない選挙区に、4,5人出ている。こういう時に、どうすればいいかが分かっているのが、自民党である。突如保守色を強めた。国防軍である。4人のうち3人が国防軍は厭だと感じているとしても、4人に一人は国防軍が必要と単純に反応する。国防軍の必要性主張すれば、4人の一人は、他の問題などさておいて、自民党に入れる。
これが郵政民営化選挙の経験を踏まえた結果だ。それまでの選挙では、一人でも多くの意見を取り込もうとした。それが民主主義の基本ルールだと考えてきた。しかし、小選挙区選挙に5人の候補が出るなら、国防軍を主張すれば、間違いない4分の1がつかめる。どうせ公明党は自己保身のため、何を言っても付いてくる。という談合が成立している。軍事ですべてが解決できるわけなどない。当たり前である。イスラエルのように軍備をしている国が戦争ばかりしている。軍備は相手より強いうという事が、有効な抑止力である。核武装まで行くとしても、そこそこの軍事力を持つことで、単純に日本の安全保障になるとは言えない。アメリカを越えるような軍事力まで持てると考えているのだろうか。などという分析したり、考えたりする人はそもそも対象にしない。シンプルに、竹島奪還だ。朝鮮人を追い出せ、国土を守れ。こういう意見に乗ってしまう人が自民党の選挙のターゲットなのだ。B層といえば失礼である。
反原発勢力は、票を一人に集めなくてはならない。票を集めれば、4人に2人は反原発なのだ。ところが、反原発の主張はB層ではない。単純に止めればいいというような人たちではない。意見を持っているからゆえに、似て非なるものと分裂する。脱、卒、反、こんな細かな違いにこだわったりする。電力は命の問題だから、簡単に原発を即廃止など言えないなどと言われると、考え込んでしまう。そうして維新の党のように、訳の分からないフェードアウトは政策ではないとか何とかごまかしている間に、お前たちは石原党で原子力推進派だと言う事になる。マーケティングに負けてはならない。知性でB層に打ち勝とう。それは韓国の選挙ではないが、統一候補を立てることである。反原発の有権者は、この1点で誰が当選する反原発候補になるかを見定めなくてはならない。このまま自民党が勝てば、原発はすべて再稼働になる。