国防軍と集団的自衛権
政治は混乱の極に到った。三党合意の怪。そして、ついに近いうち解散。3党合意した自民党の野田総理の問責決議。特別のことのない谷垣さんの総裁選不出馬。しかも幹事長の石原氏の出馬。改憲論者安倍氏の再登場。加えて維新の会という未確認物体の人気。そして、石原新党の合同合併で、維新八策の安易な放棄。消費税法案を手柄とする民主党政権。TPPは議論自体が無いにもかかわらず推進を決めたようだ。何としても大震災の復興では6兆円もの未消化。西の方の離島で起きている領土問題は、すべて日本政治の混乱に付け込まれたと言ってもいい。各政党が、わが党の選挙戦有利だけを目指して動いている。時節をわきまえない、石原氏の選挙パフォーマンスが中国での反日デモに火をつける結果に成った。上陸した地方議員。石原氏の出る幕はこれからもあるのだろうか。それにしても、日本のエネルギー政策はどうなったのか。
自民党は国防軍、憲法改定である。大胆な選挙公約である。できることを公約にしたと言うから、国防軍が出来ると本気で考えているらしい。憲法を変えて国防軍にする。ここまで軍国化を明確に打ち出したことは、戦後初めてのことに成る。憲法改定論の維新の会との連携を考えているのだろう。民主党の一部もこれに合同することは間違いが無い。公明党は強いものにくっつく政党だから、反対はしないだろう。当然、集団自衛権の拡大解釈も行う事に成る。アメリカが参戦する戦争には、国防軍が行く事に成ると考えなくてはならない。そんな国に日本が成ることを、普通の日本人が望んでいるのだろうか。普通の国とはそんな国のことか。日本の次世代の子供が戦争に行って、人を撃ち殺す事を望まない。ずるいと言われようと恐れない。人殺しを正義と考える人間は少数派だ。やむえず、内戦に突入している国は多数存在している。隣国との摩擦が戦争にエスカレートする事例も多い。しかし、日本のように、かろうじて平和を保っている国が、わざわざ戦争に進むなど馬鹿げているだろう。
今回の選挙では、日本の政治のだらしなさへの怒りが煮えたぎっている。多分、民主党は無くなるだろう。50名くらいになった民主党は自民党に吸収されるだろう。それくらい現政府に対して怒りが沸騰している。ダメな政府への怒りであるから、強いものに引かれるという心理が働く。勇ましい力瘤が人を引き付けかねない。軍国主義が芽生えるのは、世界史的にこういう状況である。しかし、そうして煮え切らない問題の解決できるどころか、他国との戦争にまで国民を引きづり込んで来た。今の日本の隣国との経済的、社会的関係を甘く見てはならない。競争心を掻き立てることは極めて危険である。互いをどう認め合うかに向かわなくてはならない。そう言う考えはとかく、弱腰とか言われて魅力がでにくい。その為に選挙ではついつい勇ましい発言が飛びかうことに成る。
そして、今回の選挙の争点は、原発の継続か、再生可能エネルギーかである。各党この点をカモフラージュしている。自民党ですら、一見反原発にも見えるような、玉虫色公約を掲げている。維新の会は既に、この点で譲った。こうした政党は政権を取れば、間違いなく原発推進に変わる。原発を推進しようという勢力は、ベトナムに原発輸出をするために、復興予算を使うような人たちだ。死の商人のようなものだ。火事場泥棒のような最悪の人たちだ。日本がどの方向を目指せばいいのか。それを決める戦後最も重要な総選挙である。貧乏でも人に迷惑をかけない国でありたいと思う。これほど地震や災害の多発する国で、原子力発電はできないと普通に考える国でありたい。金権主義を恥ずかしいと考える国でありたい。それは、「地場・旬・自給」の国である。戦争に行かないでも、経済競争に不利にはならない。日本が災害救助隊を作り、世界の災害の手助けに向かう事だ。