民主党では選挙が出来ない。
民主党の公認では選挙が出来ない。そんな思いの議員が多いことだろう。まだ離党者は出るに違いない。小田原地域の衆議院議員は神山洋介氏で、民主党所属である。松下政経塾の出身だから、野田氏や前原氏の仲間ではないかと想像しているが、良くは分からない。先日の消費税増税法案に関する、自らの賛成した行動に対する、説明がホームページに出ている。とても誠意があっていい。分かりやすい説明である。しかし、それを読みどう評価が出るかと言えば、このままでは再選は難しいのではないかというのが、私の勝手な判断である。つまり、前回の民主党のマニュフェストは、政権交代の重要な主張だった。ところが、ことごとく失敗に終わった。それは野田氏も認める所ですらある。さすがにひどすぎるというので、党の分裂まで起きている。まだまだ抜けて行く人もいるだろう。つまり、失敗のマニュフェストを引きずっているのでは選挙は出来ない。民主党政権に希望が感じられないのだ。
政権を自民党から奪い取った選挙では、幾つもの立派な公約を掲げた。ところがその大半が読みが甘かったという事で、実現を放棄してしまった。もう普通であれば、民主党に投票し何かを期待するという人は極めて少ないだろう。かつての自民党であれば、それなりの利権の繋がりというもので、票田を抱えていた。いわゆる公共事業を引っ張ってくる力を、見込まれてのことだ。しかし、民主党に公共事業の誘致を期待をする人は、政権党でありながら、自民党より少ないだろう。一度利権構造を崩したという意味では、確かに政権交代は意味があった。実益は期待しにくい政権。官僚とはうまく連携の取れない政権。結果として、復興予算のようにお金があっても、6兆円もの巨額の使い残しを出してしまう政党。民主党のマニュフェストは良い面も沢山あった。だから政権交代になったのだろう。東アジア共同体構想など、棚上げされただけだ。問題は実現能力不足。
きれいごとはいうが、実現は何もできない。これが政権を取って以来の、民主党のイメージである。理由は、官僚との協力関係を失ったためと考える。脱官僚も発想は良いのだが、それは官僚を使いこなす事が出来るという前提が必要である。しかし、官僚はその専門職だから、足を引っ張ろうと考えれば、いくらでも出来るだろう。心から協力して働こうという意思がなければ、国の運営など出来る訳がない。しばらく我慢すれば、又思い通りに動く政権になるだろう。しばらくの我慢である。こう考えているから、何も進まなくなったと言える。政治家が何時も選挙を気にしているように、官僚は省庁の力関係と、自分の立身出世に気を取られているはずだ。天下りをはじめとする利権構造も、庶民感覚では腹が立つことではあるが、ある意味合理性を持って出来上がった側面もある。ただ、潰せばいいではないはずで、その生かしかたを考えるべきだろう。
民主党のエネルギー政策についても、神山議員は説明してくれるとありがたい。次の選挙の一番の争点になるはずである。次の選挙は消費税ではなく、エネルギー政策である。野田政権は原発再開をし、原発輸出まで行う政権である。と見えている。本当に原発推進の政策で、選挙が出来るのだろうか。出来ると考えている、民主党議員はどのくらいいるのだろう。自民党もこの点では、たいして変わらないが、野党である。先日の大飯原発の再開の時に、野田氏は電気が足りないから、原発を再開するのでなく、日本の産業経済の為には、原発が必要であると宣言した。時代が読めないようだ。原発が安い発電というのは、放射性廃棄物の処理、事故対応や充分の賠償準備を行わない前提である。この点でも野田総理より、大多数の選挙民の方が理解が深いようだ。私には今のままで、総選挙をする民主党がイメージできない。やれば、民主党が無くなるだけに思える。