日本再生戦略
日本再生戦略が出された。農業部分が関心があるので読んでみた。野田内閣の国家戦略室という所が作ったらしい。日本が再生して行く方法が書かれているのだろう。農業分野はどんな戦略なのか、興味を持って読んだ。何とか可能性を見つけようと思って読んでみた。
【2020 年までの目標】
食料自給率カロリーベース50%、生産額ベース70%
木材自給率50%以上、魚介類(食用)の自給率70%(2022 年)
食品関連産業の市場規模120 兆円
【2015 年度の中間目標】
毎年2万人の青年就農者の定着(2016 年目途)
平地で20~30ha 規模の土地利用型農業の実現(2016 年目途)
6次産業化の市場規模3兆円
(重点施策:夢のある農林漁業の実現)
株式会社農林漁業成長産業化支援機構法案の成立後、機構を設立し、6次産
業化に取り組む事業体への出資ときめ細やかな経営支援を一体的に実施する。
また、地理的表示の保護制度の早期導入等を通じた新産業創出、「『食』に関
する将来ビジョン」に基づく健康・教育・観光等の様々な領域での「食」の活
用、日本食文化の無形文化遺産登録、バイオマスの利活用や、食品産業の国内
市場の活性化や海外市場の開拓、「美味しい」「安全」「環境にやさしい」といっ
た持ち味の再構築に向けたGAP(農業生産工程管理)、HACCP(危害分析・重要
管理点)、植物工場等の取組を推進する。
さらに、農林漁業の健全な発展と調和
前半が目標で、後半部分が方法論である。夢のある農業の実現。方法論ではあるが、残念ながら具体的な施策という事でもない。具体論を展開したのでは、戦略にならないということか。日本の農業問題の中心はコメ問題である。米について言えば、6次産業化というのはどうなるのだろう。例えば米粉を作り、米粉パンの製造に乗りだすようなイメージではないだろうか。確かに、コメ余りの時も米の用途の拡大ということはよく言われた。飼料米なども6次産業の中に入るのだろう。確かに、ただ米を作るのでなく、用途を広げ、販売まで農家が手掛けるような方向は期待できるだろう。田んぼの前でおにぎりを作って売るというようなことも、6次産業化だろう。おにぎり屋の農家。桑原辺りで、この田んぼで採れたお米をかまどで炊いたのおにぎりです。こういうことの方が可能性はあるように感じる。おにぎりを100円で売るとして、1日200個売れば、2万円である。米は4トン位作ればいい。1町歩田んぼをやればいい。トラタヌ計画である。
今農業分野は頭を使えば仕事があることは事実だ。身体を使って働こうと思えば、仕事はある。TPPは国家戦略ではどう位置付けられているのだろう。農業の将来を考える上で、今後起こる可能性のある重要な要素のはずだ。輸入米との競争に勝てるお米はどうすればできるのか。このあたりの展望が見えないと、なかなか6次産業のおにぎり屋も始めがたいのだろう。政府の国家戦略だから、当然織り込んでいると考えられる。「日本食文化の無形文化遺産登録」などある所を見ると、日本農業を伝統文化という枠組みの中で、生き残るということになるのだろうか。などひがんで読む。50%の食糧自給率を掲げるが、この点では、どうやってという戦略は書かれていないようだ。青年の新規就農数は全国で2万人というのは、かなり控えめではないだろうか。これでは減って行く農家数に歯止めがかからないということになる。その2万人が生活が立つ農家になるという事でなければならない。補助金頼みの農業法人勤務という枠だけでは、日本の農業に夢が持てるという事にはならない。