増税賛成
政府税調が16日にまとめた選択肢は、所得税の納税額の一定割合を上乗せする定率増税で10年間で7.5兆円、法人減税の3年間凍結で2.4兆円の財源を捻出することが柱。これに10年間のたばこ増税を加えれば1.7兆円の財源となり、その分だけ所得税の増税幅を引き下げられるという案も挙げた。
復興増税が言われているが賛成である。一般の納税者が反対というのは、分からないでもないが、企業国外に出て行くから反対というのは全く、おかしな話だと思う。この国難に置いて日本国よりも企業利益を重んずるということは、どの道いざという時に役に立たない企業である。資本と言うものが、利益を優先して人間の社会と言うものに配慮がないなら、そもそもその企業の理念と言うものはどこにあるのかである。利益を得ることを理念としているような企業は、どういった場面に置いても、企業と社会との利益が共通であるとき以外には、存在意義がない。ライブドアー事件が象徴である。むしろこの機会に国外に出てもらえれば幸いと言える。確かに増税は苦しい選択であるが、今回の大震災と原発の崩壊は特別な事態である。第2次世界大戦の敗戦に等しい、困難な状況である。あらゆる日本人が力を併せて、できる限りのことをするのが当然のことである。
またそれは、大震災を日本再生の出発点になることでもある。日本人の全精力を注ぐべきである。野田総理に期待するところ大である。復興国債を出す事も賛成である。ともかくお金がなければ、東北の再生も、福島の再生もない。放射能汚染からの脱出は、何十年と続く事になるだろう。「福島の再生なくして、日本の再生なし。」野田氏の発言の通りである。その野田氏は消費税の増税を除外した。これは間違いだ。増税については、決めた以上可能な限り多様に行うべきだ。消費税から基本的食品は除外しなければならない。医薬品、水道、電気なども同じである。生活に最低限度必要な物は消費税から除外する。たばこ税をさらに上げることなど当然である。所得税、法人税も同様である。例外なく増税を行い、この国の構造的な変革を目指す機会にする。大きく言えば自給自足的な国家を目指すことである。
食糧の自給を出来る国を、第一目標にする。TPP加盟は行わない。これほどアメリカが加盟を要求すること自体おかしいと考えなければならない。対等な条約であり、アメリカにも不利益があるものなら、アメリカは加盟の要求をこれほどひつこく行わない。もしアメリカと自由貿易交渉を行うなら、正面から2国間で協議を続ければいいのだ。アメリカは現在日本と同様に経済的苦境にある。アメリカの場合、その経済のバブル的肥大化が、日本の比ではない。アメリカ人の暮らしかたがこれ以上継続する訳がない。アメリカと言う国のあり方は、世界の普通の国家にとってはなはだ迷惑な、軍事大国で脆弱国家なのだ。アメリカが必ず世界1であるような、幻影を追い求める以上必ず破綻する。歴史の常である。それは急速に近づいている感がある。日本がアメリカ依存を続けることは、危険なのだ。その点、鳩山氏のアジア経済圏構想は正しい選択であった。
野田氏は松下政経塾の出身である以上、アメリカ依存の継続であろう。ここに日本の危機を感じる。確かに、中国や、アジア各国は未成熟で、アメリカより粗雑で、野蛮な粗さが目立つ。しかし、日本がその一員となって、各国の利害を調整しながら、アジア経済圏を模索する以外、日本の未来はない考えざる得ない。しかし、これはあくまで日本と言う国が、自立した国家として立った上での話である。増税したとして、問題は税の使い方である。また、原子力発電所に使うのでは間違っている。野田氏は議論もなく、国連で安全性に向かうことを強調していた。それでは失敗した安全神話と大した違いはない。もし、原発で行く方針なら、ごまかしなく国会で議論してからだ。何故、国会の施政方針演説の段階と、国連演説では、だいぶトーンが変わってきている。要注意。