小田原生ごみサロン
4回目の「生ごみサロン」が開催された。60数名が集まった。サポーターも15名集まってくれて、とてもいい方向が出てきた。今回正式の名称として、「小田原生(いき)ごみサロン」ということが決まった。代表は笠原さん、事務所を笹村が引き受けることになった。現在サロンのメンバーは60人ぐらいだが、これが100人を超えるようにして行かなければならないだろう。この会の目的は、小田原の生ごみのたい肥化の協力にある。ごみの処理ということは、市民が動かない限り変わらない。またごみから暮らしが変わる。ごみと親しくなると、暮らしが循環する姿をごみを通して学ぶことが出来る。ジャガイモの皮が、土に戻ってゆく。そのことが実感できると、ごみを見る目が変わる。燃やしてしまうごみがいかに、地球の循環を阻害しているのかが見えてくる。
「いきごみサロン」は行政と市民の協働する会である。当たり前のことのようだが、実はこれがなかなか実現していない。いくつかの行政と連動する組織にかかわっているが、どうも上手く動いていない。行政の役割、市民の役割、この分担が見えないのだ。こうした会では実務上いくつかの要点があると思う。情報管理、名簿管理、連絡方法。これが現在とても難しい。迂闊に行政から外には出せない。しかし、1000名に連絡を取るということは、大変な作業になる。このあたりが一つの課題である。市民にはそれは様々な人がいるということである。昨日も、駐車場が少ない施設で、こういう集まりをするのは、おかしいといわれるの方がいた。前回、見えたのだが、駐車スペースが無かったため帰られたというのである。確かに申し訳ないことではある。しかし、マロニエは50台くらいは駐車できる施設である。満車の時もないとは言えない。満車にならない施設と言えば、フラワーガーデンか。
多様な要望に行政は対応が必要なあまり、動きづらくなっている。市民組織が自分のこととして動く。今後はより身近な地域に密着する集まりにしてゆく必要がある。久野では80名近い段ボールコンポストの登録者がいるそうだ。地域で集まりを持つことが、将来の方向を模索するうえでもとても重要になるだろう。地域で集まれば、名簿管理も何もない。日常的な繋がりも再構築できる材料になる。久野ならば、畑がたくさんある。うまく連動すれば、それほど困難でなく、生ごみのたい肥化は、畑で実現できる。農家の方が、たい肥場を提供する。近隣の方が持ち込む。その経費を行政が負担する。このことが農家と近隣住民との連携を産むきっかけになるかもしれない。久野は農業地域とは言え、純然たる都市住民が増加している。
今小田原が取り組んでいる方式は、誰に聞いても出来る訳が無いといわれるような、一見無理に見える方式である。ところが、徐々にではあるが、進み始めている。1000件の申し出が、忽ち集まった。すぐ辞めるだろうと言われたにもかかわらず、半分以上の人が継続している模様である。もし、1年たって、500件が継続していたら、これは驚異的な結果である。来年も1000件が始める。そして、地域単位のブロックが作られてゆくことになれば、この方式で生ごみの10%は処理が出来る。そうなれば、第2段階の農家が取り組むたい肥化である。こうして、市民自身が処理をするのは、ただ焼却ごみが減るということにとどまらない。かならず、暮らし方の変化が生まれてくる。もったいない。ごみは宝だ。循環する暮らし。