神奈川県受動喫煙防止条例施行
全国で始めて、公共施設でタバコが禁止された。「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例」ができた。骨抜きだとか、罰則が無いとか、批判的な報道もあるが、もうこれで充分と思うぐらいの条例である。対象施設に第1種と第2種がある。第1種には、学校や公民館や病院など、公共施設のすべてが含まれている。第2種は営業的な施設となる。第1種は入り口に「施設での禁煙」を表示する義務が課せられる。当然の事が、やっと当然に成った。議論になったのは第2種の方で、そちらは商売関係の所だ。タバコの煙が来る店は、できるだけ避けているので、もうこの条例でほとんど問題はない。自動販売機がカード、「タスポ」が無ければ購入できないことになり、既に小田原ではたばこ税の税収は昨年に比べて約13%減ったとある。小田原ではポイ捨て禁止の条例があるはずだが、こちらは効果の無い条例である。
野外でのタバコと、受動喫煙は関係があるかといえば、ない。風向きを考えれば、隣で吸われても、ほとんど影響がない。逆に言えば室内で吸われると、離れていても大変な影響がある。肺が良くないので、切実にそう言う事に反応してしまう。野外での問題は吸殻を捨てることのほうだ。あれはフィルターの材質を、溶解しやすいものに変えればいい。畑などで、フィルターに出会うと嫌なものだ。問題がある訳ではないが、気分が良くない。畑というのは、本当にビニールが出てくるところだ。掘れども掘れでも、何かしらビニールが発掘される。将来の20世紀から21世紀にかけての考古学的標準物質。
この条例の制定過程を見て、松沢知事の有能さを感じた。昨年4月、飲食店やパチンコ店、旅館なども含めて全面禁煙にする方針を発表した。関係業界からの強い反発が起こった。日本たばこも条例に対し、アンケートの組織的反対を行った。と言われている。2月県議会の厚生常任委員会で、規制の対象外を拡大して一部施設の罰則適用を1年間猶予する修正案が可決された。官公庁などを「第1種施設」として禁煙を義務付けた。飲食店や旅館などは「第2種施設」として禁煙か分煙を施設側が選択。このうち、調理場を除く床面積100平方メートル以下の飲食店と床面積700平方メートル以下の宿泊施設、パチンコ店などは「努力義務」にとどめ、規制対象外にした。罰則として、施設側には2万円、喫煙者には2000円の過料を想定。罰則の適用は第1種施設が条例施行と同時、第2種施設は施行から1年後。先ずは、制定することを目標にし、譲る所は譲る。このあたりの姿勢はとても素晴しい。
この条例が出来れば、小さな飲食店などは、結局行き着くところは、タバコを吸える店と、禁煙の店に収束してゆく。その辺は店の方に任せる、でかまわないだろう。飲食店全てが禁煙席があると言うのは、ありがたいが、そこまで行政がやるのは行きすぎ。出来れば、出入り口に喫煙の表示がされていると、判りやすくて良い。正直行きたい店でも、煙の為に、人の居ない時間を選んで行っているところがある。肺が悪いのも、花粉症と同じで、何でもない人には理解しにくいことで、自分から吸わないで欲しい、とは言えないものだ。ニコチンの中毒性、賭博の中毒性。アルコールの中毒性、身に覚えがある。始めれば落ち込むことは判っている。だから始めない所に、力点を置いている。ところが、様々な要因で気持ちが飛んでいると、抑止力が無くなる。過去何度か、抜けられなくなった体験がある。タバコを吸う人には辛い条例だろうが、何とか協力をして欲しい。