加藤市長のごみ政策
「生ごみを堆肥化する。」小田原市長加藤氏のマニュフェストにある政策だ。現在、小田原市では広域ごみ処理計画が検討されている。先日、執行者会議が行われたそうだ。一市3町でごみ処理を一括して行う事が、いよいよ現実化してきている。とすると、「生ごみを堆肥化する」方針と、広域ごみ計画はどうしても、同時平行して検討せざる得ないだろう。生ごみを堆肥にするなら、当然焼却ごみの総量は少なくとも30%は減少する。今後この地域の人口も減少し、ごみ量全体も減少する。これだけを見れば、新たにごみ焼却施設の建設は必要がないという事になる。小田原の焼却場が使える間は、そこに持ってきて、燃やす事が可能になる焼却ごみ量である。一番の節約である。その一方で、生ごみの堆肥化を検討する。と言う事になるのが、市長のマニュフェストを素直に読めばそうなるだろう。所が、現実ではこの二つが別々に検討が進められているようだ。
ひとつには、国、県からの指示である、ゴミの広域処理の実施計画の策定は、期限的には既に過ぎている。過ぎているにもかかわらず、処理施設の分担すら発表されていない。と言うか決定できないで居る。そこで行政サイドとしては、一日も早い実施計画を策定しようとする訳だが。前市長の迷惑施設は行政の責任で検討する。という方針のため、いままで、全く市民には内容が知らされず、市民参加もないままに進められている、無理な計画だ。このために、今年度には実施計画を策定をと言う、少々あせった行政の気持ちが優先され、「生ごみは堆肥化する。」この大切な考え方を除外せざるえなくなる、おそれが出てきている。そこで市民としては、25万の人口の生ごみの堆肥化という、大変な計画に市民なりの実践を示さなくてはならないだろう。生ごみの堆肥化が悪いと考える人は少ないだろう。問題は市民の負担増と、経費の増大にある。
いままで生ごみの堆肥化が実践されている市町村は、規模が小さい。上勝町の場合は生ごみは収集しない。こう決めて実行できる町だ。長井市で3万人日量9トンの堆肥化施設だ。3億8千万円の建設費。この地域では分散するとして、これが9個必要になる。長井市では堆肥は600トン生産され、トン4000円で販売できている。この地域で5400トンの堆肥が循環する為には、最低でも54ヘクタールの農地が必要と言う事になる。1反10トンの堆肥を使う農業を実践してもらう。この地域の農業の環境からいうと、トン4000円で販売できるかは疑問に感じるが、1反の農地に4万円の堆肥を入れる。しかもその輸送や作業負担も大きくなるだろう。54ヘクタールの農家の協力は可能であろう。ただし、この生産物の学校給食の利用など、行政サイドからの流れを作る必要も伴う事だろう。
この地域を具体的に考えると、堆肥化と言っても、三つ位に地域分けをした方がいいと思われる。1、収集をしない地域。2、生ごみ処理機で処理する地域。3、生ごみを回収し、堆肥化する地域。この3地域の負担の公平性からすると、ごみの有料化を打ち出す必要がある。1、の地域は舟原のような地域で、生ごみは自分で処理する事になる。自己処理するメリットが必要であろう。自治会単位で募集し、見返りの経費が何らかの形で、償還される方法の実験開始。2、の地域はごみステーションに持ち込む地域。先日見学した、韮崎市のスーパーやまとのやり方は参考になる。小田原でも、スーパーと交渉し、生ごみ処理機の設置から、運営を開始する。3、の地域は長井市の様に生ごみ回収の流れを作る。このやり方は経費が増大するので、その負担を地域住民からドウ回収するか検討が必要。
堆肥化を実現するためには、時間が必要である。早急に三つの実験地域を指定し、動き出す必要がある。